「ギャルゲーの親友ポジに憧れた俺が、なぜかモテてしまう話。」

はっけよいのこっ太郎

文字の大きさ
39 / 69
夏休み編

35話「サマータイムツインズ肆」

しおりを挟む

新川優希しんかわゆうき、ゆいとお祭デート!!!!

少し歩いた港がお祭会場である。
20時には花火が上がるらしい。

「人混み凄いね~」

「ゆい、あんま離れるなよ」

「う、うん。」

「ほら。」

つい、なのか?手を差し出してしまった。

「あ、今のは違う。」

「繋いで良い?手?」

「う、うん」

久々に行った街
変わった風景
変わらない風景
久々に会った人
変わった所
変わってない所

正直お父さんがこの街で学生生活を過ごしてたのが羨ましさも感じる。

もし、この街に生まれたら
もし、ゆいやかおりと同じ学校に通っていたら
もし、なんて事を考えてしまった。

それぐらい、手を繋いだ時にドキドキしてしまった。
俺は弱い男だ…
ついこの前振られてついこの前絶対風夏ふうかがまた振り向いてくれるような男になるって
そう誓ったはずなのにな…

「なんか恥ずかしいね…」

「そ、そうだな…」







「いい感じじゃない、優希もゆいも!陸部のみんなと行くって嘘ついて良かったわ~」

「な、なにやってるのよあいつ~」

「え?」

「え?」

「あの、モデルの桃花ももかさんですよね?」

「も、も、桃花?そんな人知りませんねぇ~」

「あの、流石に無理あるっすよ…」

「うーんとあなたは?」

「優希の友達で今手を繋いでるゆいって子の双子の姉です」

「あなた、優君の友達?」

「は、はい…なんか思った印象と違う…」

「優君って本当天然たらしよね…」

「そうなんですか?」

「あいつね、私の事振ったのよ、好きな人と付き合うためにね…」

「え、じゃあ優希は今…」

「でも、その人と付き合ってすぐ別れたのよ。」

「え?」

「あいつが優君を傷つけるってことはないと思うんだけど…」

「じゃあ結局今優希は?」

「振られてどうなったは知らないけど多分心癒す為にこの街に来たんじゃないかしらね?
私もこの街初めて来たけどいい街じゃない!」

「そっか、じゃあゆいにも優希を振り向かせることができれば…」

「うーん難しいんじゃないかな?あの人最近まで付き合ってた人の事本気で好きだったし…」

「てか、なんで桃花さんが優希の事尾行してるんですか?」

「後ろめたさ、かな…私のせいで風夏ふうかさんと別れちゃった訳だし。」

「そうなんですね、なんか色々ありますね…」

「おい!桃花何やってんだ?」

「びっくりした、和也かずや!!」

「お前、一応は人気モデルなんだからうろちょろすんなよ!行くぞ!」

「桃花さんとイケメン消えたし、私は一人で尾行させてもらうよ。
ゆい、頑張れ!」







子供の頃にきた以来だったけどやっぱここのお祭は凄いな。

「ゆい、お腹空いてない?」

「私、ベビーカステラ食べたい。」

「あれ美味いよな。」

「うん、なんて言うかちょっと安っぽい味がまた美味しいんだよね~」

こうして俺たちはお祭りを楽しんだ。

「こんなにはしゃいだの久しぶりだったわ。」

「そろそろ花火の時間だけどどうする?」

「せっかくだし一緒に見ようぜ~」

「うん!」

ズキッ

「うっ…」

「ゆい、どうした?」

「ううん、なんでもない…」

「おい、下駄痛いんじゃないのか?」

「いや、本当に大丈夫だよ。」

「いや、駄目だ。ヨイショ。」

「え?」

痛そうにしてるゆいをおんぶしてしまった。

「近くに休めそうな所あるか?」

「でも花火が…」

「分かった、じゃあ明日タイムカプセル掘った後みんなで花火しよう。
それじゃ駄目?」

「それでも全然いいよ、むしろごめんね。」

こうして俺たちはお祭りを抜け出してよくみんなで遊んだ公園まで歩いてきた。

「あれ、ゆいも優希も見失ったんですけど??」







「よし、着いたぞ。」

「ありがとう。」

「絆創膏とか持ってるか?」

「うん!一応持って来てた。」

「良かったわ。」

「優希君おっきくなったね、手とか、背中とか、なんかすごく大人になっててびっくりしちゃった。」

「俺だって、ゆいもかおりも成長しててびっくりしたよ。」

「10年ぶりだもんね。」

「うん、本当はさ別に今年の夏はこっち来るつもり無かったんだ。
でも、最近人生初めて彼女ができたんだよね。」

「え?」

「でもさ、アニメみたいな信じられないことが沢山起こって、色んな人を守りたくて、その結果一番好きな人の事を考えられなくてさ、
昔から困ってる人みんなほっとけなくて、その結果彼女を悲しませちゃったんだ。
それで振られたんだ…よね…」

情けねぇ泣いてしまった。
ゆいも困ってるかもな…

「振られたこともそうだし、そのせいで悲しませたことも、でも俺また振り向かせるって言ったんだ…でもどうすればいいか分からなくて
逃げたくて、ついこの街に夏休みだからって来ちゃったんだ…
俺、夢なら覚めてほしいし、俺だって辛いって弱音を誰かに吐きたかったのかもな…」

「そ、そんなことないよ。」

「え?」

「優希君はずっと誰よりも優しくて素直で、だって初めて会った夏にいじめられてた私を守ってくれたし、私の長い髪を綺麗だって言ってくれたし。
てか、私なら絶対、絶対優希君を悲しませるようなことしないもん。弱音沢山吐いていいよ、私もたまにある。
嫌なことがあった時とかにさ、全く今の人間関係を知らない人に愚痴ってスッキリしたい時とかあるよ。
だから辛いって言いてくれてありがとう。私の前で素直になってくれてありがとう。だから…」

「ありが…」

正直、全く気にもしてなかったというか絶対そんなことないと思って俺は油断していた。

そう。ゆいにキスされたのだ。

「え…」

「まぁ辛い時こそ笑顔だよ!!じゃ、明日も早いし私帰るね~おやすみ、優希君」

「おやす…」

って‥逃げるように小走りでゆいは去っていった。

ー続くー
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

処理中です...