「ギャルゲーの親友ポジに憧れた俺が、なぜかモテてしまう話。」

はっけよいのこっ太郎

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親友ポジ編

57話「YOU AND ME」

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二次試験を終えたこはると会うべく頑張る男、今井翼いまいつばさ

金曜の放課後、翼から珍しいお誘いがあった。

優希ゆうき、明日って暇か?」

「翼から誘ってくるなんて珍しいな!」

「いやさ、明後日、こはると遂に会うんだ。」

「そっか、じゃあ告白…」

「うん。そのつもりでいる。」

「それでその前にちょっと相談があってさ…」

そんなこんなで今日を迎えた。

「おはよ、優希。」

こいつは相変わらず朝は得意なタイプだ…
俺はクッソ苦手だというのに…

「おはよ~翼…今日の相談ってなんだ~」

「いやさ、優希ってその、オシャレだろ。
だから服とかどうしてるのかなって…」

「あ、それで俺を呼び出したわけね!よし、任せとけ!!
大船に乗ったつもりでな!!!」

「サンキュー…」

やっぱり人は恋をすると優しくなったり、人間変わるよな~
元々あまり自分を出さない翼が俺にこんな事相談してくるなんてな…」

「じゃあ向かうか!」

「なんか優希と2人で遊ぶなんて久々だな。」

「そうかな?」

「そうだよ、ちょうど去年の今頃さ~」

「あ!あれか、ここにキングバーグが出来て食いに行こうって」

「そうそう!あの時結局並びすぎて2人して今日じゃなくていいかとか言ってさ。」

「そうだったな、で結局いつものファミレス言ったよな!」

「俺実は優希に言ってないけどあの頃さ、同級生の子に告白されてたんだよね。」

「え??まじ?」

「うん、でさ本当は付き合ってみても良いかなとか思ってたんだよ。
好きとかよく分からないけど、付き合ってからでも遅くないのかもなって思ってさ、でもその時さ
優希が好きな人と結ばれるエモさみたいなのを熱く語ってさ~」

「そんなことあったっけ?」

「あったよ!結局その好きな人とってのはいつものギャルゲーの話でさ、で俺うっかり人を好きになるってどういう気持ちって
聞いちゃってさ、でも優希は嫌なこともあったし、いまだにみんなに馬鹿にされた事思い出して夢に出てくるんだけどさ、
でも好きになった事も、幸せな瞬間もそれを凌駕するぐらいし良いもんだよってさ、勇気が言ってくれて…」

「俺そんなこと言ったかな~」

「でよ、俺実はさ高1の頃にこはると話したことあってさ、俺その時に一目惚れしたんだよね。
その優希の話を聞いて真っ先に思い浮かんだのがこはるの顔だったから結局告白も断ってさ、今思えば本当良かったよ。」

「そっか俺でもなんか力になれてたんだな…」

「多分、優希が思ってるよりみんなの力になってるよ。俺も何気ない言動に助けてられてるよ。」

そうだったのかこんな俺でも誰かを救うことが出来てるのか
特にこの一年ずっとがむしゃらに生きて来たけどそれも間違いじゃなかったんだな。

「そ、そろそろ着くぞ」

そう言って向かったのはThundeevoltである。
この店も久々に来たな。

「ヒロシさん久しぶりです!」

「おお!優ちゃん~最近来ないからどうしたのかと思ったよ!」

「ちょっと色々ありまして…」

「あれ、友達?」

「あの今井翼です。」

「ああ!優ちゃんがよく話してくれる友達ね!よろしくね。」

「はい!」

「今日はお買い物?」

「まあ俺じゃなくて翼が服欲しいっていうもんで!
いやぁ俺嬉しいっすよ、遂に友達も古着とかに興味もってくれて…」

「優ちゃんと違って甘い顔してて対比が出来ていいじゃん?」

「確かにこいつくっそイケメンなんで困りますよ!」

「沢山おすすめあるけど…」

「とりあえず俺が何着かピックします!」

「なんかこういう優希は意外だな」

「確かに普段見せる顔じゃないよな!」

とりあえずミリタリーとかストリートとか本当は着せたいけどデートだしな…

「これとかどうよ?」

「俺あんま服とか分からないんだけど?」

「俺だってよくわかってないよ!でもフィーリング的な感かな?」

そうして俺によるファッションショーが始まった。
悩む事数着…

「俺、これ好きかも。」

「お目が高いね、翼君。」

「そうですかね?」

「いいね、確かにこの顔はアイビールックとシティーボーイの組み合わせありかも!」

「翼、お前ファッションセンスしかないぞ…」

「いやこれは優希とヒロシさんのおかげで…」

翼の意外と楽しそうにしている顔を見て俺も嬉しくなった。

「じゃあこれ買います!」

「ありがとー」

「いやぁ~人の買い物ってなんかワクワクするわ~
ヒロシさんありがとうございました。」

「そういえば萌ちゃん最近頑張ってるわね!」

「え?」

「何、優ちゃん知らないの?
あの後もよく桃花ちゃんって子とお店きてくれるんだけどさ、
お兄さんのhssのライブ出てから音源とか出してすごい今人気なんだよ?」

「まじか…知らなかったっす…」

「まあ2人とも優ちゃんに振られた組で仲が良いって言ってたからね~」

「それも知ってましたか…」

「あんまり女泣かせるなよ~」

「も、もちろんです、」

「まあ優ちゃんが元気になったなら良かったよ!
じゃあまた、いつでも待ってるから!」

「はい!」

「あの、ありがとうございました。」

「翼君もまた来てね~」

そうして俺達は店を後にした。

俺がおすすめした服に俺がおすすめしたプラネタリウムを見に行くらしい。
俺が思い描いてた親友ポジションってまさにこれなんじゃ…

「優希、今日はありがとな。」

「なんだよ急に!」

「いや、マジでありがとう。
明日頑張ってくるわ。」

「翼、最後は好きって気持ちと勇気だぞ!!!」

「優希が勇気って、ダジャレかよ~」

そう言って大笑いする翼。

「いや、俺本気で…」

「わかってるよ。マジでサンキューな、じゃ頑張ってくるわ。」

「おう。」

そうしてついに明日を迎えることになった。

頑張れ翼…

ー続くー
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