「ギャルゲーの親友ポジに憧れた俺が、なぜかモテてしまう話。」

はっけよいのこっ太郎

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親友ポジ編

59話「MY FIRST KISS」

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ー眠れない夜君のせいだよ。

意外なこととは‥
こはるが手を繋いできたのであった。
どういう意味なんだろうか‥
そこからはプラネタリウムの記憶が少し曖昧である。

「以上で終了になります。
足元にお気をつけてください!」

「良かったわね。」

「は、はい‥」

「行こっか!」

「‥‥」

この後告白するんだよな俺‥
ダメだこんなんで俺‥
 
「あの、この後少し時間ありますか?」

大丈夫だ。

「うん、あるよ?」

大丈夫だろ俺。

「あの良かったら話したい事があって」

優希ゆうきから貰った勇気か‥
今思えば今年は濃い一年だった。
大丈夫だ。
落ち着いてきた。

そうして俺たちはプラネタリウムを出た後少し歩いた。

「寒いですね。」

「そうだね。」

「あの!」

「あのさ‥」

やばい‥2人して声が被ってしまった。

「先良いですよ!」

「いや、つばさ君先いいよ?」

「本当に後で大丈夫です!」

「そっか‥じゃあ私の言いたい事から‥
私さ、好きな人いるんだよね。」

え?マジか‥
もしかして俺ずっと浮かれてただけなのか‥

「その人は私が高2の頃に初めて出会ったんだけど、その時は一度話しただけで終わっちゃったんだけどさ、私の話をすごく楽しそうに聞いてくれたんだ。」

「そ、そうなんですね‥」

俺はその時知った。
嫉妬なんて弱い人間が持ってるものだと思ってた。
でも俺はこの話を聞きながらあり得ない程の嫉妬をしていた。

「でさ、私は名前も分からないし結局見つけることが出来なかったの。
でもね、その後塾で同じクラスの人とか同級生とか色んな人に告白されたりしたんだけどさ、本当の私なんか知らないからちょっとでもUMAの話とかしたらさ、”らしくない”ってよく言われるのよ。
私らしさってあなたに合わせる事じゃないって思っちゃうタイプだからさ、やっぱそういう人とは合わないなって思ったの。
だからこそ、部活に来て私の話を真剣に聞いてくれた後輩の事が好きになったの。」

「え、それって‥」

「でもね、高三になって風夏ふうかが仲良くなった後輩がさ、私の好きな人と友達で、私さ、こんな事ってあるんだって思ったのよ。
でも、その人はわざとなのか私の事覚えてないって感じでさ‥正直少し寂しかったのよね。
でも、再会して気がついたの。
私は、あなた。そう、”今井翼”の事が好きだってさ。」

嘘だろ‥
本当なのか‥
こはるも覚えててくれたのか。
気がついたら俺は涙が止まらなくなっていた。

「話すたびに翼君と似てるところが沢山あってさ、翼君が好きなものとかも一緒で凄く嬉しかったな~
でも受験終わるまでは忙しいからってずっと誤魔化してたんだけど、やっと言えた。
私、翼君のこと大好き。こんな私で良かったら
付き合ってください。」

「ちょ、ちょっと待ってください!!!」

「え?」

「あ、あの俺も初めて会った時から凄く素敵な人だと思ってたし、あの優希のおかげで再会できたの凄く嬉しかったんですよ。
てか、その‥あれ?なんだっけ、ちょっとテンパってて‥」

「フフッ、ゆっくりで良いわよ。」


「俺も初めて天文学部に言って話した時からずっとずっとずっとこはるの事が好きでした。
俺なんかで良かったら付き合ってください!」




「君が良いから、付き合いたいのよ。」




そうして俺たちは付き合う事になった。
その後はドキドキして何も考えられなかった。
自然と口数も減っていた。

「翼君?」

「は、はい!」

「手、繋ぐ?」

「は、はい‥」

情けないな‥
人と付き合う事なんて意味がないと思っていた。
こんな気持ち嬉しくて幸せに決まってる。
そのまま俺達は大した会話もせずに帰る事になった。

「今日はありがとね、翼君。」

「俺こそ、ありがとうございました。
あの良かったら合格発表一緒に見にいって良いですか?」

「いいわよ。
受かってると良いな~」

「てか、受かっててくださいよ!
俺も来年そこ受験するんで。」

「分かった。
翼君のためにも受からなきゃね。」

「はい。だから‥」








その時、初めての接吻をした。
唇と唇が合わさった瞬間、世界が止まった気がした。

「大好きよ、翼‥じゃ、またね。」

「は、はい‥」

そうして俺たちの初デート?は幕を閉じた。


ー眠れない夜
 君のせいだよ。
 さっき別れたばかりなのに。

.

.

.

次の日

「おはよう~優ちゃん、翼~」

「おはよう栞菜!」

「おはよ‥」

「っっって!おい、翼どうした?」

「どうしたって?」

「お前、目のクマ酷いぞ‥」

「翼~なんか嫌な事あったの?」

「いや‥その逆で‥」

「ま、ま、まじか!!やったのか???!!」

「う、うん!」

「どういう事~?」

「翼、日向ひなた先輩と」

「あの、付き合う事になった。」

「やったな!翼!」

「ありがとう優希。」

「そうなんだ、翼、おめでと~」

俺は2人に報告する事ができた。
どこか他人事に思ってた恋だけど、今ならわかる。
人を愛する事の幸せを。

.

.

.

まいちゃん聞いてる?」

「‥‥」

「舞ちゃ~ん?」

「え、あぁ!はい!聞いてる聞いてるいやむしろ効いてる‥」

「そうだよね‥まさかこの一年で優ちゃんも翼も彼女が出来るなんて‥」

「翼様‥」

「大丈夫?」

「いや、その寂しさみたいなのはあるんですよ、でもね、なんだか不思議な事に嬉しさみたいなのもあるんですよね~」

「え?」

「いや、だってさ、翼様ってなんかこう兄貴と違って冷めてるっていうか周りになんか一枚壁があるっていうか踏み込めない感じあるじゃないですか?でもそれがなくなるぐらいのものを見つけれたんだなって‥」

「舞ちゃん大人だね‥」

「ま、まあ辛いですけど私たちまだまだ高校生なんですから!!」

「そ、そうだよね~うん!頑張ろう!お互い。」



そしてついに、合格発表当日を迎えるのであった。

ー続くー
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