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第5話『お前、子供は好きか?』(天霧瞬視点) 2/3
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「ほぉー。凄いな。よく考えるものだ。凄いぞ」
「てへへ。ま、まぁ? この辺りはまだ仮説なので、いずれ獣人さんの国へ行った時に、歴史書とかを見ながら調べてみようかなと思う訳ですが」
「そうか。まぁ、もし行きたくなったら言え。連れて行ってやろう」
「本当ですか!? ありがとうございます!!」
本当に、心から楽しそうに話すミラを見ていると、故郷にいる御方の事を思い出す。
まだ幼い身でありながら、巫女として立ち、国を護ろうと無理をしている御方の事を。
『瞬。本当に行くのか……?』
『はい』
『いつ帰ってくる? 明日か? 明後日か?』
『巫女様』
『っ! わ、わかっておる。国の為、世界の情勢を見て回るんじゃろ。なら、すぐに帰ってくる訳がないと、わかっておるわ』
『申し訳ございません』
『……っ、もう良い! 行け!』
『承知いたしました。ではまた』
『っ!! 瞬!』
『はい? 何でしょうか』
『あのな。この間、綺麗な花畑を見つけたんじゃ。だから、今度帰ってきた時には……』
「ふぁああー」
記憶の世界で巫女様の事を思い出していた俺は、大きな声で欠伸をする少女の声に、意識を現実へ帰還させた。
世界の情勢を探るという目的で、特に必要では無かったが……必死に自分を抑えながら涙を流す姿が巫女様に重なり、こうして共に旅をする事になった少女を、俺は見つめる。
「もう遅い。寝た方が良いだろう」
「えっ、でも、まだ……はなしたい、ことが」
「旅はまだ始まったばかりだ。焦らずとも、また明日聞かせてくれれば良いさ。さ、今日はもう寝よう」
「……わか、りまし……た。あ、でも……まだ、まものについての、こうさつ」
何かを話していたが、火が消えていく様にミラは静かになり、オーロに寄りかかったまま目を閉じていた。
そしてオーロはミラを布の上に寝かせ、その上にまた厚い布をかける。
「夜は冷えるからな。お嬢様には厳しいだろう」
「そうだな」
大きな本を抱きしめながら眠る少女はどこにでも居る普通の子供にも見える。
しかし、思っていたよりも……。
「なぁ、シュン」
「なんだ。オーロ」
「一応聞いておくが、先ほどの続きをするつもりはあるか?」
先ほどと言われ、俺は少し考えてから「いや」と返した。
そんな俺にオーロは「そうか」と小さく頷くと、懐から小さな御守りを取り出した。
「国に戻ったら、あの幼い少女にコレを渡してくれ」
「これは……?」
「てへへ。ま、まぁ? この辺りはまだ仮説なので、いずれ獣人さんの国へ行った時に、歴史書とかを見ながら調べてみようかなと思う訳ですが」
「そうか。まぁ、もし行きたくなったら言え。連れて行ってやろう」
「本当ですか!? ありがとうございます!!」
本当に、心から楽しそうに話すミラを見ていると、故郷にいる御方の事を思い出す。
まだ幼い身でありながら、巫女として立ち、国を護ろうと無理をしている御方の事を。
『瞬。本当に行くのか……?』
『はい』
『いつ帰ってくる? 明日か? 明後日か?』
『巫女様』
『っ! わ、わかっておる。国の為、世界の情勢を見て回るんじゃろ。なら、すぐに帰ってくる訳がないと、わかっておるわ』
『申し訳ございません』
『……っ、もう良い! 行け!』
『承知いたしました。ではまた』
『っ!! 瞬!』
『はい? 何でしょうか』
『あのな。この間、綺麗な花畑を見つけたんじゃ。だから、今度帰ってきた時には……』
「ふぁああー」
記憶の世界で巫女様の事を思い出していた俺は、大きな声で欠伸をする少女の声に、意識を現実へ帰還させた。
世界の情勢を探るという目的で、特に必要では無かったが……必死に自分を抑えながら涙を流す姿が巫女様に重なり、こうして共に旅をする事になった少女を、俺は見つめる。
「もう遅い。寝た方が良いだろう」
「えっ、でも、まだ……はなしたい、ことが」
「旅はまだ始まったばかりだ。焦らずとも、また明日聞かせてくれれば良いさ。さ、今日はもう寝よう」
「……わか、りまし……た。あ、でも……まだ、まものについての、こうさつ」
何かを話していたが、火が消えていく様にミラは静かになり、オーロに寄りかかったまま目を閉じていた。
そしてオーロはミラを布の上に寝かせ、その上にまた厚い布をかける。
「夜は冷えるからな。お嬢様には厳しいだろう」
「そうだな」
大きな本を抱きしめながら眠る少女はどこにでも居る普通の子供にも見える。
しかし、思っていたよりも……。
「なぁ、シュン」
「なんだ。オーロ」
「一応聞いておくが、先ほどの続きをするつもりはあるか?」
先ほどと言われ、俺は少し考えてから「いや」と返した。
そんな俺にオーロは「そうか」と小さく頷くと、懐から小さな御守りを取り出した。
「国に戻ったら、あの幼い少女にコレを渡してくれ」
「これは……?」
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