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第21話『戦いのその後』③
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「とにかく大きな学園を作ります。そして大きな学園を作る以上、学園を囲う壁を作る事も可能ですし。中に入る人間を確認する事も可能です。また魔王や魔族、魔物に対する防衛魔法を展開すれば、容易く侵入する事は出来ないでしょう。維持費とか、ムイゼンの人たちの事とか、色々と考えなければいけない事は多いんですが、完成すればあらゆる国の人間を受け入れ、最新技術を研究開発出来る場所になります。国境を超え、人類が知恵と技術を一つに……と、話し過ぎましたね。この様な案は如何でしょうか?」
ジャックさんもオリヴァー君もポカーンと口を開いていた。
あまりにもアホ提案過ぎて呆れているのだろうか。
くっ、しかし私の知能ではこの辺りが限界なのだ。許してほしい。
「……シーラ様。いくつか確認をしても良いでしょうか」
「はい。いくらでもどうぞ」
「では、まず確認したいのが、完成した場合、シーラ様も何かしら関わる可能性があるのでしょうか」
「そうですねぇ。最初は教師も少ないでしょうし。大した事は教えられませんが、魔法でも教えようかと考えています」
「っ!?」
一気に周囲がざわつく。
あぁ、私エルフだし。魔法は凄いからね。知りたいって思うのは当然か。
ふむふむ。そう考えると、これは便利かもしれないなぁ。
「あの、確認なのですが。私が魔法を教えるというのは需要があるのでしょうか? 教えて欲しい方が居る?」
「それはもう世界中に居ますよ! 私だって知りたいくらいです」
ジャックさんの後ろで静かに聞いていた女の人が、元気よく前に顔を突き出しながらアピールしてきた、
熱量高すぎてちょっと引くけど、まぁ、分かった。
それならお金になりそうだね。
「では、多少はお金も貰えそうですね。では、授業一回で1000ウィルベンでどうでしょうか。ちょっと豪華なお夕飯一回分くらいのお値段ですよね」
「「「1000ウィルベン!!?」」」
私の提案に声を揃えて叫ぶ一同。
安くて文句を言う人は世の中に存在しないので、つまりは高いという事だ。
前世で大学とか凄い高かった気がするけど……でも、冷静に考えると授業一回分の値段じゃないもんね。
調子に乗り過ぎたか。
いやー。でも孤児院にいる子供だって、頑張れば半日くらいで稼げるお金だよ?
いや、そう考えると高いわ。冷静に考えると高い。あり得ない値段してるわ。
私がアホ面してペラペラ喋るだけで、あの子たちが一生懸命働いた半日が同じとか、アホ丸出しですね。
シーラ反省。
「シーラ様、大変失礼を承知でお聞きしますが、本気で言ってるんですか!?」
「いや、私もちょっとおかしいなと思ってました」
「そ、そうですよね。いや、本当にビックリしました」
「100ウィルベンくらいですね」
瞬間、皆が壊れた。
いったい何が悪かったのか。私には皆目見当もつかないのであった。
ジャックさんもオリヴァー君もポカーンと口を開いていた。
あまりにもアホ提案過ぎて呆れているのだろうか。
くっ、しかし私の知能ではこの辺りが限界なのだ。許してほしい。
「……シーラ様。いくつか確認をしても良いでしょうか」
「はい。いくらでもどうぞ」
「では、まず確認したいのが、完成した場合、シーラ様も何かしら関わる可能性があるのでしょうか」
「そうですねぇ。最初は教師も少ないでしょうし。大した事は教えられませんが、魔法でも教えようかと考えています」
「っ!?」
一気に周囲がざわつく。
あぁ、私エルフだし。魔法は凄いからね。知りたいって思うのは当然か。
ふむふむ。そう考えると、これは便利かもしれないなぁ。
「あの、確認なのですが。私が魔法を教えるというのは需要があるのでしょうか? 教えて欲しい方が居る?」
「それはもう世界中に居ますよ! 私だって知りたいくらいです」
ジャックさんの後ろで静かに聞いていた女の人が、元気よく前に顔を突き出しながらアピールしてきた、
熱量高すぎてちょっと引くけど、まぁ、分かった。
それならお金になりそうだね。
「では、多少はお金も貰えそうですね。では、授業一回で1000ウィルベンでどうでしょうか。ちょっと豪華なお夕飯一回分くらいのお値段ですよね」
「「「1000ウィルベン!!?」」」
私の提案に声を揃えて叫ぶ一同。
安くて文句を言う人は世の中に存在しないので、つまりは高いという事だ。
前世で大学とか凄い高かった気がするけど……でも、冷静に考えると授業一回分の値段じゃないもんね。
調子に乗り過ぎたか。
いやー。でも孤児院にいる子供だって、頑張れば半日くらいで稼げるお金だよ?
いや、そう考えると高いわ。冷静に考えると高い。あり得ない値段してるわ。
私がアホ面してペラペラ喋るだけで、あの子たちが一生懸命働いた半日が同じとか、アホ丸出しですね。
シーラ反省。
「シーラ様、大変失礼を承知でお聞きしますが、本気で言ってるんですか!?」
「いや、私もちょっとおかしいなと思ってました」
「そ、そうですよね。いや、本当にビックリしました」
「100ウィルベンくらいですね」
瞬間、皆が壊れた。
いったい何が悪かったのか。私には皆目見当もつかないのであった。
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