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第21話『戦いのその後』②
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互いに言うだけ言って睨み合う二人に、私は大きく息を吐いた。
なるべく目立つように。
そのお陰か、ジャックさんとオリヴァー君の視線が私に集まる。
「まず第一に。私は王都に戻るつもりはありません」
「っ」
「理由はいくつかありますが、一番大きな問題は孤児院です。元々ムイゼンに来たのも、孤児院を建てるだけの土地が王都には無かったからです。城壁で囲まれた王都では、広げるのも難しいですからね」
「しかし、時間を掛ければ」
「費用の無駄ですし。今住んでいる人を動かす事が出来ない以上、外側に増設される訳です。そうなると、魔物に襲撃された際、最も危険な場所に子供たちを置くことになってしまうので、私は反対です」
「……シーラ様」
「オリヴァー君。以前、ジェイクさんにも言いましたが、騎士団の存在意義は、民を守る事です。私の様な小さな存在を守る為に存在している訳ではありません」
私はひとしきり話してから、胸をなで下ろしているジャックさんに視線を向けた。
「ただ、このままで良いとも思っていません」
「シーラ様……?」
「このままムイゼンでのんびりスローライフをしているのも良いかと思ったのですが、あれほどまでに悪意を振り撒く魔王が居る以上、私という存在が敵を呼び寄せる可能性はあるわけです」
「それは……そうですね」
「ですので、私としては現状維持は難しいと考えています」
「し、シーラ様、では、他の土地へ……?」
「いえ。結局他の土地へ移っても大きく問題は変わらないでしょう。ですので、変えるのは土地ではなく、ムイゼンの町を変えるべきかと考えております」
「ムイゼンの町を?」
「変える?」
「無論、今住んでいる方の許可は必要ですし、大がかりな工事になる可能性も大きいですが……」
私はジャックさんやオリヴァー君だけでなく、多くの人が注目しているのを感じながら、その提案を口にした。
「私はムイゼンにあらゆる技術、知識を学べる巨大な学園を作ろうかと考えております」
「「学園!?」」
そう。『春風に囁く恋の詩』シリーズに登場する主人公たちが通う学園だ。
詳細な場所は不明だが、三つの国の国境付近にあるという事。
そして、とんでもなく大きな学園である事を考えると、ムイゼンはその舞台として相応しいと思う。
まぁ、違ったらトライウィザード・トーナメントよろしく、ムイゼン学園として主人公の学園に接触すれば良いし。
ここに学園を作る事には特に大きな問題が無いのだ。
住民の気持ちを無視すれば。
という訳での提案である。
なるべく目立つように。
そのお陰か、ジャックさんとオリヴァー君の視線が私に集まる。
「まず第一に。私は王都に戻るつもりはありません」
「っ」
「理由はいくつかありますが、一番大きな問題は孤児院です。元々ムイゼンに来たのも、孤児院を建てるだけの土地が王都には無かったからです。城壁で囲まれた王都では、広げるのも難しいですからね」
「しかし、時間を掛ければ」
「費用の無駄ですし。今住んでいる人を動かす事が出来ない以上、外側に増設される訳です。そうなると、魔物に襲撃された際、最も危険な場所に子供たちを置くことになってしまうので、私は反対です」
「……シーラ様」
「オリヴァー君。以前、ジェイクさんにも言いましたが、騎士団の存在意義は、民を守る事です。私の様な小さな存在を守る為に存在している訳ではありません」
私はひとしきり話してから、胸をなで下ろしているジャックさんに視線を向けた。
「ただ、このままで良いとも思っていません」
「シーラ様……?」
「このままムイゼンでのんびりスローライフをしているのも良いかと思ったのですが、あれほどまでに悪意を振り撒く魔王が居る以上、私という存在が敵を呼び寄せる可能性はあるわけです」
「それは……そうですね」
「ですので、私としては現状維持は難しいと考えています」
「し、シーラ様、では、他の土地へ……?」
「いえ。結局他の土地へ移っても大きく問題は変わらないでしょう。ですので、変えるのは土地ではなく、ムイゼンの町を変えるべきかと考えております」
「ムイゼンの町を?」
「変える?」
「無論、今住んでいる方の許可は必要ですし、大がかりな工事になる可能性も大きいですが……」
私はジャックさんやオリヴァー君だけでなく、多くの人が注目しているのを感じながら、その提案を口にした。
「私はムイゼンにあらゆる技術、知識を学べる巨大な学園を作ろうかと考えております」
「「学園!?」」
そう。『春風に囁く恋の詩』シリーズに登場する主人公たちが通う学園だ。
詳細な場所は不明だが、三つの国の国境付近にあるという事。
そして、とんでもなく大きな学園である事を考えると、ムイゼンはその舞台として相応しいと思う。
まぁ、違ったらトライウィザード・トーナメントよろしく、ムイゼン学園として主人公の学園に接触すれば良いし。
ここに学園を作る事には特に大きな問題が無いのだ。
住民の気持ちを無視すれば。
という訳での提案である。
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