愛され転生エルフの救済日記

とーふ(代理カナタ)

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第27話『シーラ様の恋愛教室』①

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オリヴァー君とエミリーちゃんが回復したのを確認してから、私は二人とパーティーを組み、冒険者として活動を始めた。

以前にも冒険者はやっていたが、ろくな依頼を貰えず、子供たちと植物を採取するくらいしか出来なかった。

しかーし。オリヴァー君、エミリーちゃんとパーティーを組んでからは、何も問題なく討伐の任務が出来るのだった。

という訳で、今日も今日とて討伐任務。

それも、ムイゼン近くの街道に現れるという凶暴な魔狼の討伐である。

狼のお肉は焼くと美味しいし、適度に持ち運びやすい。

しかも討伐すれば依頼の達成料が貰えるのだ。

一石二鳥どころか一石三鳥である。

という訳で、私は拾った木の枝を持ち、左右に振りながら街道を歩いていた。

私は先頭で、後ろにはエミリーちゃんとオリヴァー君が並んで歩いている。

そう。並んで歩いているのだ。

……やはり、既にそういう関係だったのか。

私が気づいていなかっただけで!!

そう。前世で友達が言っていたが、男女で横に並んで歩くときというのは、恋人同士だけなのだという。

恋人同士で無い場合は並んで歩いてはいけないのだ。

つまり、二人はもう恋人同士という訳だ。

ただ、私には言ってないだけで……って、ちょっと思ったけど、別に私に言う必要ないよね。

私はエミリーちゃんの住んでいる孤児院の管理者ってだけだ。

だから、別に二人がそういう関係になったと言っても、いちいち言う必要はない。

まぁ、ちょっと寂しいけど。

「……はぁ」

何か気分が落ちてため息が出てしまった。

良くない。良くないなぁ。

こういう時は明るい事を考えよう。

そう! これから、パーティーを組み、三人で活動をしていくのだ。

それなら二人に接点がもっと増える事に……!

って、冷静に考えたら私邪魔じゃない? 本当は二人きりの方が良いんじゃないかな?

いや、当たり前だよね。だって愛し合う二人と、変な幼女エルフ一人って、変な幼女エルフ要らないじゃんね。

「パーティーを組んだのは失敗だったかもしれないですねぇ」

「し、シーラ様!」

「はい? 何でしょうか」

何だかアンニュイな気持ちで歩いていた私は、後ろからエミリーちゃんに呼びかけられて、振り向いた。
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