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第68話『私が今ここに居る理由』①
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一言で言うなら、どうしてこうなった、だ。
キッフレイ聖国へ行った時、レナちゃんが聖女だとバレて、私が責められて……正直ちょっと興奮してた。
いや、別に罵られるのが好きな訳じゃないよ?
ただね。そう。私なんかが聖女であるレナちゃんを独占している事が許せない人たちが居るって事が嬉しかったんだ。
ほら、これまでの日々は何かおかしかったからさ。
みんなシーラ様、シーラ様って私を持ち上げて。なんか正直怖かった。
けど、違う。
これからは違う。
ちゃんと聖女であるレナちゃんがみんなから慕われて、好きになって貰って、それで世界の中心になっていくんだって思ってた。
ナルシス君たちだって……って、まぁ、ナルシス君はもう知ってたんだけど。
トリスタン君やルイ君だって、レナちゃんの事が好きだったのに、聖女様だって知ったらもっと好きになるって思った。
守ってあげなきゃって思うって。
そう思っていたのに。なんか少しずつ世界がズレて行って、気が付いたら取り返しのつかない事になっていた。
「学園を防衛拠点とするッ! 敵の規模は分からない。けれど、私たちのシーラちゃんへの愛があれば、例え世界が敵だとしても負けは無いッ!」
「うぉぉおおお!!」
「いいぞー! 戦乙女!!」
「レナ! レナ!!」
違う! こんなの私が好きだった『春風に囁く恋の詩』の世界じゃない! 間違ってる!!
……でも、そうやって私が叫ぶ事もおかしいんだよね。
だって、今の状態はこの世界の人がそうなって欲しいと考えて、変わっていった結果なんだから。
みんながこう変わる事を願って、世界は少しずつ変わってしまった。
なら、私はどうなんだろう?
私はどうなるべきなんだろう。
この世界に本来存在しない人間で、でもこの世界を大きく変えてしまった私は……どうあるべきなんだろう。
世界を正しい姿へ戻すべきなのか。これもこの世界に生きる人が選んだ答えだからと全てを受け入れるのか。
その答えが……分からない。
いっそレナちゃんが聖女だと知られ、全てが正しい在り方に戻ってくれれば良かったんだろうけど。
それももう叶わない夢だ。
このまま争いが始まれば、どうなっても世界は原作の世界から大きく外れてしまうだろう。
なら、私は……。
「シーラちゃん」
「……レナちゃん」
「駄目だよ。こんな所で一人で居ちゃ。危ないよ」
キッフレイ聖国へ行った時、レナちゃんが聖女だとバレて、私が責められて……正直ちょっと興奮してた。
いや、別に罵られるのが好きな訳じゃないよ?
ただね。そう。私なんかが聖女であるレナちゃんを独占している事が許せない人たちが居るって事が嬉しかったんだ。
ほら、これまでの日々は何かおかしかったからさ。
みんなシーラ様、シーラ様って私を持ち上げて。なんか正直怖かった。
けど、違う。
これからは違う。
ちゃんと聖女であるレナちゃんがみんなから慕われて、好きになって貰って、それで世界の中心になっていくんだって思ってた。
ナルシス君たちだって……って、まぁ、ナルシス君はもう知ってたんだけど。
トリスタン君やルイ君だって、レナちゃんの事が好きだったのに、聖女様だって知ったらもっと好きになるって思った。
守ってあげなきゃって思うって。
そう思っていたのに。なんか少しずつ世界がズレて行って、気が付いたら取り返しのつかない事になっていた。
「学園を防衛拠点とするッ! 敵の規模は分からない。けれど、私たちのシーラちゃんへの愛があれば、例え世界が敵だとしても負けは無いッ!」
「うぉぉおおお!!」
「いいぞー! 戦乙女!!」
「レナ! レナ!!」
違う! こんなの私が好きだった『春風に囁く恋の詩』の世界じゃない! 間違ってる!!
……でも、そうやって私が叫ぶ事もおかしいんだよね。
だって、今の状態はこの世界の人がそうなって欲しいと考えて、変わっていった結果なんだから。
みんながこう変わる事を願って、世界は少しずつ変わってしまった。
なら、私はどうなんだろう?
私はどうなるべきなんだろう。
この世界に本来存在しない人間で、でもこの世界を大きく変えてしまった私は……どうあるべきなんだろう。
世界を正しい姿へ戻すべきなのか。これもこの世界に生きる人が選んだ答えだからと全てを受け入れるのか。
その答えが……分からない。
いっそレナちゃんが聖女だと知られ、全てが正しい在り方に戻ってくれれば良かったんだろうけど。
それももう叶わない夢だ。
このまま争いが始まれば、どうなっても世界は原作の世界から大きく外れてしまうだろう。
なら、私は……。
「シーラちゃん」
「……レナちゃん」
「駄目だよ。こんな所で一人で居ちゃ。危ないよ」
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