241 / 246
第79話『一つの結末』(レナ視点)①
しおりを挟む
(レナ視点)
今、私の前には人生における最大の危機が存在していた。
壁。そうそれは大きな壁である。
シーラちゃんの胸ほど可愛くも無いし、小さくも、柔らかくもない壁だ。
「それは……でも、レナちゃん、この前、止めて下さいって言ったのに」
「わかった! 今度からは絶対に無理言わないから! お願い~!」
シーラちゃんにしがみつきながら、絶対に離さないぞとばかりに喰らいつく。
ここで離せば二度と戻らないかもしれないのだ。それはもう必死になるというものだ。
「はぁ……もう、しょうがない子ですね。レナちゃんは」
「シーラちゃん?」
「分かりました。レナちゃんの事を信じます。もう意地悪しないで下さいね?」
小さなシーラちゃんが首を傾げながら言った言葉に、私の理性は一瞬で吹き飛んだが、何とか踏みとどまる。
踏み出してはいけない。ここから先へ向かえば、待っているのは、またシーラちゃんの居ない生活だ。
「と、当然だよ」
「もう限界みたいだけど」
「黙っててよ! ヤスミン!!」
「はいはい」
「本当に大丈夫ですか? レナちゃん」
「あ、あぁあぁ当たり前じゃん!!」
「そうですか。なら良いのですが」
「くぁ!!」
シーラちゃんが私を誘っている!!!
気のせいかもしれないけど! 気のせいじゃないよ!!
だって、ちょっと疑う様な顔しながら横目で私を見てさ!!
エッチすぎる!
「シーラちゃん」
「はい?」
「今私はね。凄いよ。本当に、もう凄い状態」
「我慢、出来ませんか?」
「……シーラちゃんが意地悪しなきゃ大丈夫だよ。意地悪しなきゃね」
「ふふ。分かりました」
いたずらっ子みたいに笑いながら私から離れるシーラちゃんから目を逸らし、大きく呼吸を繰り返して心を落ち着かせる。
とにかくもう二度と同じ失敗をする訳にはいかないのだ。
「ほら! 大丈夫だよ。ね? どっからどう見ても、そうでしょ? だから結婚しよう。早く!」
私はとにかく事実が欲しいとシーラちゃんの手を握りながら、そう訴えるのだった。
今、私の前には人生における最大の危機が存在していた。
壁。そうそれは大きな壁である。
シーラちゃんの胸ほど可愛くも無いし、小さくも、柔らかくもない壁だ。
「それは……でも、レナちゃん、この前、止めて下さいって言ったのに」
「わかった! 今度からは絶対に無理言わないから! お願い~!」
シーラちゃんにしがみつきながら、絶対に離さないぞとばかりに喰らいつく。
ここで離せば二度と戻らないかもしれないのだ。それはもう必死になるというものだ。
「はぁ……もう、しょうがない子ですね。レナちゃんは」
「シーラちゃん?」
「分かりました。レナちゃんの事を信じます。もう意地悪しないで下さいね?」
小さなシーラちゃんが首を傾げながら言った言葉に、私の理性は一瞬で吹き飛んだが、何とか踏みとどまる。
踏み出してはいけない。ここから先へ向かえば、待っているのは、またシーラちゃんの居ない生活だ。
「と、当然だよ」
「もう限界みたいだけど」
「黙っててよ! ヤスミン!!」
「はいはい」
「本当に大丈夫ですか? レナちゃん」
「あ、あぁあぁ当たり前じゃん!!」
「そうですか。なら良いのですが」
「くぁ!!」
シーラちゃんが私を誘っている!!!
気のせいかもしれないけど! 気のせいじゃないよ!!
だって、ちょっと疑う様な顔しながら横目で私を見てさ!!
エッチすぎる!
「シーラちゃん」
「はい?」
「今私はね。凄いよ。本当に、もう凄い状態」
「我慢、出来ませんか?」
「……シーラちゃんが意地悪しなきゃ大丈夫だよ。意地悪しなきゃね」
「ふふ。分かりました」
いたずらっ子みたいに笑いながら私から離れるシーラちゃんから目を逸らし、大きく呼吸を繰り返して心を落ち着かせる。
とにかくもう二度と同じ失敗をする訳にはいかないのだ。
「ほら! 大丈夫だよ。ね? どっからどう見ても、そうでしょ? だから結婚しよう。早く!」
私はとにかく事実が欲しいとシーラちゃんの手を握りながら、そう訴えるのだった。
1
あなたにおすすめの小説
お兄様、冷血貴公子じゃなかったんですか?~7歳から始める第二の聖女人生~
みつまめ つぼみ
ファンタジー
17歳で偽りの聖女として処刑された記憶を持つ7歳の女の子が、今度こそ世界を救うためにエルメーテ公爵家に引き取られて人生をやり直します。
記憶では冷血貴公子と呼ばれていた公爵令息は、義妹である主人公一筋。
そんな義兄に戸惑いながらも甘える日々。
「お兄様? シスコンもほどほどにしてくださいね?」
恋愛ポンコツと冷血貴公子の、コミカルでシリアスな救世物語開幕!
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
冷徹宰相様の嫁探し
菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。
その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。
マレーヌは思う。
いやいやいやっ。
私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!?
実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。
(「小説家になろう」でも公開しています)
社畜OLが学園系乙女ゲームの世界に転生したらモブでした。
星名柚花
恋愛
野々原悠理は高校進学に伴って一人暮らしを始めた。
引越し先のアパートで出会ったのは、見覚えのある男子高校生。
見覚えがあるといっても、それは液晶画面越しの話。
つまり彼は二次元の世界の住人であるはずだった。
ここが前世で遊んでいた学園系乙女ゲームの世界だと知り、愕然とする悠理。
しかし、ヒロインが転入してくるまであと一年ある。
その間、悠理はヒロインの代理を務めようと奮闘するけれど、乙女ゲームの世界はなかなかモブに厳しいようで…?
果たして悠理は無事攻略キャラたちと仲良くなれるのか!?
※たまにシリアスですが、基本は明るいラブコメです。
転生したみたいなので異世界生活を楽しみます
さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。
内容がどんどんかけ離れていくので…
沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。
誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。
感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
ありきたりな転生ものの予定です。
主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。
一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。
まっ、なんとかなるっしょ。
溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
悪役令嬢に転生したので地味令嬢に変装したら、婚約者が離れてくれないのですが。
槙村まき
恋愛
スマホ向け乙女ゲーム『時戻りの少女~ささやかな日々をあなたと共に~』の悪役令嬢、リシェリア・オゼリエに転生した主人公は、処刑される未来を変えるために地味に地味で地味な令嬢に変装して生きていくことを決意した。
それなのに学園に入学しても婚約者である王太子ルーカスは付きまとってくるし、ゲームのヒロインからはなぜか「私の代わりにヒロインになって!」とお願いされるし……。
挙句の果てには、ある日隠れていた図書室で、ルーカスに唇を奪われてしまう。
そんな感じで悪役令嬢がヤンデレ気味な王子から逃げようとしながらも、ヒロインと共に攻略対象者たちを助ける? 話になるはず……!
第二章以降は、11時と23時に更新予定です。
他サイトにも掲載しています。
よろしくお願いします。
25.4.25 HOTランキング(女性向け)四位、ありがとうございます!
転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。
琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。
ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!!
スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。
ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!?
氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。
このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる