聖女の証

とーふ(代理カナタ)

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第12話『私にいい考えがあります!』③

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お姉さんは床に立つと、そのまま右足で床を強く蹴った。

そして、お姉さんを中心にして水がどこからか生まれ、巻き上がる。

「……! 水の魔術!」

「そうさ。物知りだね。お嬢ちゃん。それだけじゃないよ!」

「これは……火の魔術ですか!」

「そう。さ。二つの属性を持つ相手と戦った事はあるかい?」

「……いや、戦った事は無いな」

「そうだろう。これが魔術師だ! 覚えておきな。今日だけは手加減してやるからさっ!」

そしてお姉さんは両手を振り上げながら二つの魔術を操り、フィンさんへぶつけようとした。

しかし、フィンさんは右手に刻まれた証の力を使うと、カウンターを蹴って、空へ跳ぶ。

「甘いよ!!」

お姉さんもまた、火を巧みに操ってフィンさんへ蛇の様に迫るが、フィンさんは天井を蹴って床へと轟音と共に着地すると、そのまま剣をお姉さんに突きつけた。

そして、お姉さんもまた左手に作っていた水の魔術で剣を作り出し、フィンさんの首に突き付ける。

「やるね」

「お前もな」

互いにニヤリと笑っているが、私はそんな事よりももっと大事な事があった。

そう。お姉さんの右手!

さっきからずっと光っているのだ。

フィンさんはまーったく気づいてないけど!

「ちょ、ちょっと待ってください!」

「アメリア?」

「お嬢ちゃん。元気なのは良いけれど、危ないわよ。近づいちゃあ。あ。それともお姉さんの事が気になっちゃったのかな」

「はい!」

「え」

「ちょっと失礼しますね!」

私はお姉さんの手を取って、手袋を外した。

そして、自分の手袋も外して照らし合わせる。

当然ではあるが、まったく同じ物だった。

「見つけました! フィンさん! 探していた人です!」

「なに……? まさかコイツが最後の聖人?」

「最後のって、まさかアンタも」

「あぁ」

フィンさんは右手の手袋を外して、お姉さんに見せる。

それを見て、お姉さんは何故か深く、深く溜息を吐くのだった。

とりあえず私は争いも終わったという事で、床に倒れている人たちを癒し、巻き込まれた人を癒し、カウンターの傍で隠れていたオジサンも癒す。

満足満足!

「では、改めて自己紹介をさせて下さい。お姉さん。私はアメリアっていいます!」

「俺はフィンだ」

お姉さんは私たちを見て、酷く嫌そうな顔をしながら、「キャロンだよ」と小さな声で呟くのだった。
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