聖女の証

とーふ(代理カナタ)

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第16話『どんな事も必要なのは経験と知識ですよ』①

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魔物が多く溢れるこの世界において、魔物は、地上に空に山に川に。あらゆる場所に存在している。

しかし、全ての魔物が肉食という訳ではなく、草食の魔物も存在しているし。

何なら何を食べているのか分からない魔物も存在する。

そんな中、力なき人が捕りやすく、調理も簡単なのが魚である。

何せ巨大な肉食の魔物とは違い、彼らは川に生息する大人しい魔物であるし、捕る事もそれほど難しくないからだ。

後は肉食の魔物にさえ気を付ければ誰でも手に入る。とても良い食材なのだが……。

「チッ。おい。まだか」

ここまで魚釣りが向いていない人も居たのだなと、私は驚きを感じていた。

川へ向けた釣り竿から降りている糸の先はリアムさんのイライラに合わせてゆらゆらと揺れている。

確か……糸を揺らす事で魚が釣れやすくなるという効果があるとお婆ちゃんが言っていたし。良い効果なのかもしれない。

まぁ、既にリアムさんは限界が近いみたいだけれど。

「リアムさん。落ち着いてください。これは狩りとは違います。緩やかに空気の流れを感じて、心を落ち着けて」

「イライライライラ」

「……駄目そうですね」

「アハハ。リアムってばアホっぽーい。んぃー」

「お前はこんな時まで酒を飲んでいるのか。キャロン」

「良いじゃん。釣りってのはのんびりやるもんだよ」

「チッ。お前の様な怠け者にはちょうど良いみたいだな」

文句を言いつつも、一応釣り竿は持ち続けているリアムさんに少しだけ笑いながら、私は釣り竿を上に上げて針に引っ掛かった魚を手に取って、ご飯の為の処理をする。

「お、お前。もう釣ったのか……?」

「はい。まぁ、私は慣れてますから」

「俺がアメリア以下……? アメリアより狩りで劣っている?」

「いや、どんな事も必要なのは経験と知識ですよ。リアムさん」

そう言いながら私は再び針に餌を付け、川に投げるのだった。

そして、次に釣り上げたのは、やはり経験者であるカー君であった。

「うっ、おっ! 来た! 来たぜ! 大物!!」

「おー。パチパチパチ。凄いですね。カー君。とても大きいですよ」

「へっへーん。これくらい当然だよ。あれれー? おかしいなー。さっきから、いつも偉そうにしてるオジサン達の釣り竿が動いてないぞー?」

「「っ、このクソガキ」」

「ワハハ。言われてやんの」

「お前だってまるで釣れてないだろうが!! 偉そうにするな! キャロン!!」

「ぷっ、ふふふ、キャハハハハハ」
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