私、監禁されちゃってるんです!I'm being held captive!

迦楼メド様

文字の大きさ
3 / 4

*3*

しおりを挟む

今私は何処にいると思いますか?

正解は外です。
え?監禁されていたんじゃないかって?あ、はい。されてましたよ。じゃあ、なんで外にいるかって?そんなの逃げ出したにきまってるじゃありませんか~。

はい、というわけで逃げ出しました。どうやって逃げ出したかはちょっと秘密です。長くなっちゃうし、めんどくさいし。でも、別にいいでしょう、どう逃げたかなんて。

だって、私は今自由なんですから!!!
本当に幸せです。ようやく空を見上げるという言葉の意味がわかりました。

でも、空は水色ではありませんでした。
絵本ではあんなにきれいな水色だったのに、見渡す限り灰色の空。それどころじゃありません。色々と壊れてるっていうか、汚いっていうか。それに人があんまりいないのです。話しかけようと思って近づこうとしたんですけど、明らかに気味が悪くて赤い何かをむしゃむしゃ食べていたんです。これって本当に人間なのでしょうか?それとも私が監禁されている間に人間ってあんな風になっちゃったんですか?

…なわけないでしょうが!!!って思って気づかれる前に逃げ出したんです。でも、あれが普通なんだったら、ごめんなさいですけど。でも、私悪くないですよ!監禁されていたんですからね。あの男がみんなみーんな悪いんです!
でも、私、自由を手に入れて初めてあの男ノアが恋しいと思いました。監禁されていた時は嫌いだったし、うざかったし、顔も見たくないと思っていました。

だけど、怖くはなかった。

確かに優しくはなかったし、決して居たいと思える場所ではなかったけど、寂しさみたいなのは感じなかったんです。自由って嬉しいし、わくわくするものだけど、同じくらい、怖いし寂しいって思えるものなんですね。…別に、会いたいと思ってるわけじゃないですけど、お別れ言えるなら言いたかったな。そしたら逃げ出せはしないから、絶対に無理だろうけど。

「グ、ル”ァァ……」
「え?」

あっぶなぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!いやいやいや、危機一髪すぎでしょ!!!!!!
メーデー、メーデー、メーデー、誰か助けてぇぇぇぇ!!!本当に、今回は、マジで!!!このままじゃ私死んじゃいます!!!ヘルプミーヘルプミーヘルプミー!!!いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!
てか、なんなんですか、この人たち!!!顔が怖いとかそういうレベルじゃないですよ!!!く、腐ってる?え、人の顔って腐るんですか?そんなことあるんですかぁ!?他にも謎なんですけど、足はそこまで速くないんですね。絶対私より年上であの男並みに体力がありそうな腐ってる人間にも追われましたけど、足遅くない!?私ずっと監禁されてたんだから、体力なんてほとんどないのに、それ以下って人間はどんだけ退化しちゃったんですか!?

「……はぁ、はぁ。と、とはいえど、私も限界…。いくら足遅くてもどんだけ追ってくるのよ。それに逃げてる途中に他の腐ってる人間にも見つかっちゃって追われまくりだs…。」

…あれ。
どうしよ。また、腐ってる人間に見つかっちゃった。でも、あれって。
…目が離せないのはどうしてでしょうか。答えは知っています。ええ、わかってます。でも、言葉にしちゃったら現実を受け入れちゃうことになりそうですね。

「マ、ママ…?」

顔は腐ってる人間たちとほとんど変わらず、原形なんてよくわかりません。というか、わかったところで私の記憶の中にはお母さんの顔なんて薄いもやがかかっていてわかるはずもありません。
でも、確かに、ママだってわかるんです。あれは、私を生んでくれて、それで短い間だったけど育ててくれて、それで、それで…。

あの手でまた抱きしめてもらえたら叶わないことって思っちゃって。

あー、私終わりました。
終了です。
これツミってやつですよ。
避ければいいとか思っちゃってます?避けたら私は本当に助かるんでしょうか?だって、私があんなに楽しみにしていた世界がこんな世界がゾンビであふれた世界だったなんて希望0じゃないですか。


バン!


爆音。え、な、何が起こったの?

「ソフィー!早く立て!」

え、え、え…。と、とにかく立って走らないと!
頭が全然回らない。どういうこと。何が起こったの。

「こっちだ!ついて来い!」
「う、うん!」

その後のことはよく覚えてない。
あの心の底から嫌っていた男に背負われながら逃げて逃げて。とにかく逃げまくった。走ったのはこの男ノアだけだから私が逃げたっていうのはちょっと変な気もするけど。それで腐った人間たちを巻いて、あの監禁されていた場所に戻る。私ソフィーとこの男ノアの二人だけの帰り道。

さっきまでの怖いとか寂しいとかそういう感情全部なくなっちゃって、今は何とも言えない、満たされた気持ちになってる。お母さんに会えたらそういう気持ちになれると思ってたのに、実際はなれずに、なんでこの男に会えてそんな気持ちになっちゃったんだろう。

…私を守るために監禁したって理由だったんなら、早く言えよ。………パパ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

借金した女(SМ小説です)

浅野浩二
現代文学
ヤミ金融に借金した女のSМ小説です。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

乳首当てゲーム

はこスミレ
恋愛
会社の同僚に、思わず口に出た「乳首当てゲームしたい」という独り言を聞かれた話。

処理中です...