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しおりを挟む今私は何処にいると思いますか?
正解は外です。
え?監禁されていたんじゃないかって?あ、はい。されてましたよ。じゃあ、なんで外にいるかって?そんなの逃げ出したにきまってるじゃありませんか~。
はい、というわけで逃げ出しました。どうやって逃げ出したかはちょっと秘密です。長くなっちゃうし、めんどくさいし。でも、別にいいでしょう、どう逃げたかなんて。
だって、私は今自由なんですから!!!
本当に幸せです。ようやく空を見上げるという言葉の意味がわかりました。
でも、空は水色ではありませんでした。
絵本ではあんなにきれいな水色だったのに、見渡す限り灰色の空。それどころじゃありません。色々と壊れてるっていうか、汚いっていうか。それに人があんまりいないのです。話しかけようと思って近づこうとしたんですけど、明らかに気味が悪くて赤い何かをむしゃむしゃ食べていたんです。これって本当に人間なのでしょうか?それとも私が監禁されている間に人間ってあんな風になっちゃったんですか?
…なわけないでしょうが!!!って思って気づかれる前に逃げ出したんです。でも、あれが普通なんだったら、ごめんなさいですけど。でも、私悪くないですよ!監禁されていたんですからね。あの男がみんなみーんな悪いんです!
でも、私、自由を手に入れて初めてあの男ノアが恋しいと思いました。監禁されていた時は嫌いだったし、うざかったし、顔も見たくないと思っていました。
だけど、怖くはなかった。
確かに優しくはなかったし、決して居たいと思える場所ではなかったけど、寂しさみたいなのは感じなかったんです。自由って嬉しいし、わくわくするものだけど、同じくらい、怖いし寂しいって思えるものなんですね。…別に、会いたいと思ってるわけじゃないですけど、お別れ言えるなら言いたかったな。そしたら逃げ出せはしないから、絶対に無理だろうけど。
「グ、ル”ァァ……」
「え?」
あっぶなぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!!いやいやいや、危機一髪すぎでしょ!!!!!!
メーデー、メーデー、メーデー、誰か助けてぇぇぇぇ!!!本当に、今回は、マジで!!!このままじゃ私死んじゃいます!!!ヘルプミーヘルプミーヘルプミー!!!いやぁぁぁぁぁぁぁ!!!
てか、なんなんですか、この人たち!!!顔が怖いとかそういうレベルじゃないですよ!!!く、腐ってる?え、人の顔って腐るんですか?そんなことあるんですかぁ!?他にも謎なんですけど、足はそこまで速くないんですね。絶対私より年上であの男並みに体力がありそうな腐ってる人間にも追われましたけど、足遅くない!?私ずっと監禁されてたんだから、体力なんてほとんどないのに、それ以下って人間はどんだけ退化しちゃったんですか!?
「……はぁ、はぁ。と、とはいえど、私も限界…。いくら足遅くてもどんだけ追ってくるのよ。それに逃げてる途中に他の腐ってる人間にも見つかっちゃって追われまくりだs…。」
…あれ。
どうしよ。また、腐ってる人間に見つかっちゃった。でも、あれって。
…目が離せないのはどうしてでしょうか。答えは知っています。ええ、わかってます。でも、言葉にしちゃったら現実を受け入れちゃうことになりそうですね。
「マ、ママ…?」
顔は腐ってる人間たちとほとんど変わらず、原形なんてよくわかりません。というか、わかったところで私の記憶の中にはお母さんの顔なんて薄いもやがかかっていてわかるはずもありません。
でも、確かに、ママだってわかるんです。あれは、私を生んでくれて、それで短い間だったけど育ててくれて、それで、それで…。
あの手でまた抱きしめてもらえたら叶わないことって思っちゃって。
あー、私終わりました。
終了です。
これツミってやつですよ。
避ければいいとか思っちゃってます?避けたら私は本当に助かるんでしょうか?だって、私があんなに楽しみにしていた世界がこんな世界がゾンビであふれた世界だったなんて希望0じゃないですか。
バン!
爆音。え、な、何が起こったの?
「ソフィー!早く立て!」
え、え、え…。と、とにかく立って走らないと!
頭が全然回らない。どういうこと。何が起こったの。
「こっちだ!ついて来い!」
「う、うん!」
その後のことはよく覚えてない。
あの心の底から嫌っていた男に背負われながら逃げて逃げて。とにかく逃げまくった。走ったのはこの男ノアだけだから私が逃げたっていうのはちょっと変な気もするけど。それで腐った人間たちを巻いて、あの監禁されていた場所に戻る。私ソフィーとこの男ノアの二人だけの帰り道。
さっきまでの怖いとか寂しいとかそういう感情全部なくなっちゃって、今は何とも言えない、満たされた気持ちになってる。お母さんに会えたらそういう気持ちになれると思ってたのに、実際はなれずに、なんでこの男に会えてそんな気持ちになっちゃったんだろう。
…私を守るために監禁したって理由だったんなら、早く言えよ。………パパ。
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