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凍てつく聖歌と、三兄の秘密兵器
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ノースガル公国に降り積もる雪が、一夜にしてその色を変えた。
天から舞い落ちるのは、白銀ではなく、光を吸い込むような不吉な漆黒の破片。その雪片が地面に触れるたび、キィィィィンと耳の奥を掻き毟るような金属的な不協和音が鳴り響く。
「……精霊たちの契約が、強制的に剥がされていく……。なんて残酷な音色(しらべ)……」
アデリーンは城のバルコニーで、喉元を押さえて膝を突いた。
『調律師』である彼女の耳には、この黒い雪が領地全域の魔力バランスを無理やり書き換え、人々の心から「希望」という名の音を奪っていくのが、目に見えるように分かった。
『……許さん。この美しいノースガルを、アデリーンと私が過ごす愛の巣を、泥のような騒音で塗り潰すとは。……あの黄金の男、今すぐ声帯を喉ごと引き抜き、絶対零度の氷塊に変えて北極海の底へ叩き落としてやる。……アデリーン、案ずるな。私の腕の中に隠れていろ。お前の鼓膜を震わせていいのは、私の愛の囁きだけでいい……』
ゼノスの無愛想な横顔とは裏腹に、彼の「心の声」はかつてないほどの殺意と、それ以上に深い独占欲を伴った重厚なバラードとなって、アデリーンの脳内に響き渡る。彼はアデリーンの肩を抱き寄せ、冷たい風から守るように自らの漆黒の外套で彼女を包み込んだ。
1. 音の亡霊たちの進軍
公爵城の正門前、雪の中から這い出したのは、ルーカスが操る「音の亡霊(サウンド・ファントム)」の軍勢だった。
半透明の彼らには剣も氷も届かない。それどころか、ゼノスの放つ極大の氷壁がぶつかった衝撃さえも「音」として吸収し、さらに巨大な振動波となって跳ね返してくるのだ。
「公爵、私の氷壁が……音の振動で粉々に!? 物理的な強度が無意味だというのですか!」
「……小癪な。音で世界を定義し直そうというのか」
ゼノスが剣を振るうが、音の亡霊たちは笑うような不協和音を立てて、その一撃を霧散させる。アデリーンが調律で対抗しようとするが、あまりにも広範囲に及ぶ黒い雪の浸食に、彼女の小さな銀の扇子だけでは「出力」が追いつかなかった。
2. 三兄弟の「愛の結晶」が吠える
「やれやれ、これだから北方の田舎者は困る。……アデリーン、僕たちが遅れた理由を、今からその目で確かめてよ」
絶体絶命の窮地に、聞き慣れた不敵な声が響いた。
城の中庭から、ズズズ……と巨大な大地の震えと共に、異形の建造物が浮上してくる。
それは、白金で装飾された巨大なパイプオルガンと、魔導砲が融合したような、目を疑うほど豪華絢爛な巨大移動要塞だった。
「これこそが、我らベルグラード三兄弟が全財産と全知識を注ぎ込み、妹のために極秘裏に開発した対・不協和音用決戦楽器――その名も、**『アデリーン・ガーディアン・マークII』**だ!!」
長男マクシミリアンが仁王立ちで宣言する。
次男シルヴェスターが制御盤を叩き、三男ファビアンが影の魔力で音の弦を張り巡らせる。
「アデリーン! この巨大な鍵盤を叩き、世界の音を塗り替えられるのは、調律師である君しかいない。さあ、あの生意気な奏者に『本物の音楽』を教えてあげよう!」
3. 世界を塗り替える『精霊の合唱』
アデリーンは導かれるままに、巨大な『アデリーン・ガーディアン』の中央に位置する白銀の鍵盤の前に座った。
ゼノスは、その光景に激しい嫉妬を覚えた。兄たちが作った椅子にアデリーンが座り、兄たちの名前を冠した兵器を操る。その事実だけで、彼の背後からは激しいデス・メタル調の独占欲が鳴り響く。
「……チッ。そのガラクタ、うるさい。アデリーン、私が後ろから支えてやる。……私の魔力をすべてお前の指先に通せ。この世界の不純物を、私とお前の色だけで塗り潰すんだ」
ゼノスはアデリーンを後ろから包み込むように抱き、彼女の両手に自分の手を重ねた。
アデリーンが最初の和音を奏でた瞬間、兵器に組み込まれた数千本のパイプが一斉に咆哮を上げた。
放たれたのは、単なる音波ではない。
アデリーンの「沈黙」の波動が、兵器によって数万倍に増幅され、ノースガル全域に波紋のように広がっていく。
黒い雪が浄化の光に触れた瞬間、パァンと美しい音を立てて弾け、元の純白な雪へと姿を変えていく。音の亡霊たちは、その慈愛に満ちた完璧な和音に耐えきれず、自らの形を維持できなくなって霧散していった。
だが、ここでゼノスの「嫉妬」が暴走した。
「……私の魔力が、この機械の音色に負けているのが気に入らん。……書き換えろ。この世界を、私の独占欲(アイスブルー)で!」
ゼノスがアデリーンの紋章を通じて、公国全土の水分を凍らせるほどの極大魔力を、無理やり兵器へと流し込んだ。
浄化の旋律は一転して、鋭く、凍てつくような「断罪の音色」へと変貌する。
その波動は敵を消し去るだけでなく、領内に潜んでいたルーカスのスパイたちの鼓膜をピンポイントで凍らせ、彼らの通信を物理的に「沈黙」させてしまった。
「ゼノス様! やりすぎですわ、これでは浄化ではなく制圧です!」
「……構わん。お前の音を盗もうとする耳は、すべて私が凍らせて奪う」
4. 終焉への序曲
ノースガルの空に、再び青白い月が顔を出した。
国境の吹雪の向こう側で、ルーカスは自分の指揮棒(タクト)が凍りついて砕けるのを見て、不敵に口角を上げた。
「……フフ、素晴らしい。機械の力、兄たちの愛、そして公爵の狂気。それらすべてを束ねて、君はついに『世界の調律』の真髄に触れ始めたね、アデリーン」
ルーカスは闇の中に消えながら、最後の一節を風に乗せた。
「だが、忘れないで。世界が始まった時に鳴り響いた『原初の一音』……。それを僕が手に入れた時、君の沈黙は完成された僕の楽譜の中に、永遠に閉じ込められることになる……」
戦いが終わり、アデリーンは『アデリーン・ガーディアン』から降りると、安堵のあまりゼノスの胸に顔を埋めた。
だが、彼女の指先はまだ微かに震えていた。
「ゼノス様……。私、聴こえてしまったのです。大地の底、この世界の根幹から……今までとは比べものにならないほど大きく、寂しい、原初の歌が……」
救世主としての使命は、いまや一国を超え、世界の存亡へと繋がり始めていた。
「……案ずるな。何が目覚めようと、私がすべて凍らせて眠らせてやる。……それよりアデリーン、今夜は兄たちの作ったこの兵器ではなく、私の腕の中でおやすみの歌を聴け。……お前の耳を、今すぐ私だけの音で上書きしてやるからな」
ゼノスの独占欲は、ついに「世界の神話」さえもライバル視し始めた。
アデリーンを巡る、過保護と執着の旅路は、いよいよ最終章の核心へと迫っていく。
天から舞い落ちるのは、白銀ではなく、光を吸い込むような不吉な漆黒の破片。その雪片が地面に触れるたび、キィィィィンと耳の奥を掻き毟るような金属的な不協和音が鳴り響く。
「……精霊たちの契約が、強制的に剥がされていく……。なんて残酷な音色(しらべ)……」
アデリーンは城のバルコニーで、喉元を押さえて膝を突いた。
『調律師』である彼女の耳には、この黒い雪が領地全域の魔力バランスを無理やり書き換え、人々の心から「希望」という名の音を奪っていくのが、目に見えるように分かった。
『……許さん。この美しいノースガルを、アデリーンと私が過ごす愛の巣を、泥のような騒音で塗り潰すとは。……あの黄金の男、今すぐ声帯を喉ごと引き抜き、絶対零度の氷塊に変えて北極海の底へ叩き落としてやる。……アデリーン、案ずるな。私の腕の中に隠れていろ。お前の鼓膜を震わせていいのは、私の愛の囁きだけでいい……』
ゼノスの無愛想な横顔とは裏腹に、彼の「心の声」はかつてないほどの殺意と、それ以上に深い独占欲を伴った重厚なバラードとなって、アデリーンの脳内に響き渡る。彼はアデリーンの肩を抱き寄せ、冷たい風から守るように自らの漆黒の外套で彼女を包み込んだ。
1. 音の亡霊たちの進軍
公爵城の正門前、雪の中から這い出したのは、ルーカスが操る「音の亡霊(サウンド・ファントム)」の軍勢だった。
半透明の彼らには剣も氷も届かない。それどころか、ゼノスの放つ極大の氷壁がぶつかった衝撃さえも「音」として吸収し、さらに巨大な振動波となって跳ね返してくるのだ。
「公爵、私の氷壁が……音の振動で粉々に!? 物理的な強度が無意味だというのですか!」
「……小癪な。音で世界を定義し直そうというのか」
ゼノスが剣を振るうが、音の亡霊たちは笑うような不協和音を立てて、その一撃を霧散させる。アデリーンが調律で対抗しようとするが、あまりにも広範囲に及ぶ黒い雪の浸食に、彼女の小さな銀の扇子だけでは「出力」が追いつかなかった。
2. 三兄弟の「愛の結晶」が吠える
「やれやれ、これだから北方の田舎者は困る。……アデリーン、僕たちが遅れた理由を、今からその目で確かめてよ」
絶体絶命の窮地に、聞き慣れた不敵な声が響いた。
城の中庭から、ズズズ……と巨大な大地の震えと共に、異形の建造物が浮上してくる。
それは、白金で装飾された巨大なパイプオルガンと、魔導砲が融合したような、目を疑うほど豪華絢爛な巨大移動要塞だった。
「これこそが、我らベルグラード三兄弟が全財産と全知識を注ぎ込み、妹のために極秘裏に開発した対・不協和音用決戦楽器――その名も、**『アデリーン・ガーディアン・マークII』**だ!!」
長男マクシミリアンが仁王立ちで宣言する。
次男シルヴェスターが制御盤を叩き、三男ファビアンが影の魔力で音の弦を張り巡らせる。
「アデリーン! この巨大な鍵盤を叩き、世界の音を塗り替えられるのは、調律師である君しかいない。さあ、あの生意気な奏者に『本物の音楽』を教えてあげよう!」
3. 世界を塗り替える『精霊の合唱』
アデリーンは導かれるままに、巨大な『アデリーン・ガーディアン』の中央に位置する白銀の鍵盤の前に座った。
ゼノスは、その光景に激しい嫉妬を覚えた。兄たちが作った椅子にアデリーンが座り、兄たちの名前を冠した兵器を操る。その事実だけで、彼の背後からは激しいデス・メタル調の独占欲が鳴り響く。
「……チッ。そのガラクタ、うるさい。アデリーン、私が後ろから支えてやる。……私の魔力をすべてお前の指先に通せ。この世界の不純物を、私とお前の色だけで塗り潰すんだ」
ゼノスはアデリーンを後ろから包み込むように抱き、彼女の両手に自分の手を重ねた。
アデリーンが最初の和音を奏でた瞬間、兵器に組み込まれた数千本のパイプが一斉に咆哮を上げた。
放たれたのは、単なる音波ではない。
アデリーンの「沈黙」の波動が、兵器によって数万倍に増幅され、ノースガル全域に波紋のように広がっていく。
黒い雪が浄化の光に触れた瞬間、パァンと美しい音を立てて弾け、元の純白な雪へと姿を変えていく。音の亡霊たちは、その慈愛に満ちた完璧な和音に耐えきれず、自らの形を維持できなくなって霧散していった。
だが、ここでゼノスの「嫉妬」が暴走した。
「……私の魔力が、この機械の音色に負けているのが気に入らん。……書き換えろ。この世界を、私の独占欲(アイスブルー)で!」
ゼノスがアデリーンの紋章を通じて、公国全土の水分を凍らせるほどの極大魔力を、無理やり兵器へと流し込んだ。
浄化の旋律は一転して、鋭く、凍てつくような「断罪の音色」へと変貌する。
その波動は敵を消し去るだけでなく、領内に潜んでいたルーカスのスパイたちの鼓膜をピンポイントで凍らせ、彼らの通信を物理的に「沈黙」させてしまった。
「ゼノス様! やりすぎですわ、これでは浄化ではなく制圧です!」
「……構わん。お前の音を盗もうとする耳は、すべて私が凍らせて奪う」
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