the Dool and the Dool

名もなき萌えの探求者

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「ええと、じゃあまずは…、魔力の流れ、みても、大丈夫かな?」

「あ、はい。大丈夫です」

 ユウイチがあまりにすっきりさっぱりと返事をしたからか、エリオットが少し面食らっていた。視線だけで(彼、魔力見るって意味わかっている?)と尋ねてきたので、俺も視線だけでわかっている、と返事を返す。

「よし、じゃあ。いくよ」

 エリオットの杖は彼の魔力を感じるとサイズが変わる。
 普段はネックレスにできる程度の小さなものだが、使用する際はエリオットの身長と変わらない大きさになり、今もそのデカくなった杖の先端でユウイチの足元の床をとん、と叩いた。
 瞬間、ユウイチ目の前に魔術の陣が広がって、ユウイチが目を瞬かせた。

「魔力を見る魔法って、ひとつじゃないんですか?」

 聞かれているのは俺だとわかったので、返事を返す。

「魔法自体は同じだな。ただ、発動の仕方が魔術師によって違うってだけで」

「最初はみんな同じように習うんだけどね!魔法を使うことに慣れてくると、どうしても癖というのが出てくるもんなんだよ。その癖に応じて杖の中の適切な回路も変わるし、発動の際にスキップできる事柄も変わってくるんだー。とくに、ユラはやたらとスキップできる事柄が多いからね。僕の方が実力や魔力は上だし、エリオットのほうが魔力操作は得意なのに、ほんっと、なぞ!」

 俺の言葉を拾って、イーサンが続けた。
 その間にもエリオットはさくさくと魔力を見ていたようで、「いやあ、これは、すごいね」と苦笑した。

「魔力循環覚えたの昨日だっけ?よく暴走せずにいられるね。ユラ、どうやったの?」
「どうもこうも、本人の実力と杖の優秀さだっつーの。それでも完全に循環はできてねぇだろ」

 俺は最初のきっかけを教えただけだ。それ以外はなにもしてねぇよ。

「まあ、そうだね。うん、了解。じゃあ、ユウイチくん、今から、微妙に漏れてる魔力を君の体の中に閉じ込めようと思うんだけど」
「はい」
「漏れ出ている魔力が全て身体に入ってくるから、ちょっと息苦しいとか、そういう感覚があるかもしれない。でもそれは別に異常なことじゃないから、安心して増えたぶんの魔力も、同じように循環に回していくように意識をしてみてくれるかな」

 相手の魔力を相手の体から出さないようにする、というのは、相手の魔法の発動を無効化する時に使う魔法の応用だ。
 エリオットは軽く言っているが、その術式自体簡単なものじゃない。
 俺もできるだろとイーサンに言われたが、エリオットのように百発百中の技術なんぞ持ってねぇ。
 魔力のコントロール、魔法の発動の正確さだけなら、エリオットの方がイーサンよりも上だ。
 まあ、でも。きちんと訓練すれば、ユウイチもエリオットなみのコントロールを覚えるのじゃないかと、俺は思っている。
 ユウイチの才能は、それくらいの化け物だ。
 本人は、まったく自覚はないだろうが。
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