みんな大好き、中華料理

佐山ぴよ吉

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「先輩……俺、明日も来ていいですか?」

 裸のまま高蔵君が私をがっちりと抱き締めながら聞いてきた。結局5回もしてしまった。もう佳奈の顎が外れるまでフェラさせるつもりなのかもしれない。

「うん……いいよ」
「明日こそは、先輩をイかせますんで。あと先輩の事、琴子って呼んでもいいですか?」
「うん……?だめ」
「えっ」
「えっ?だめだよ?」
「なんでですか?俺たち付き合ってるんですよね」

 高蔵君的には周りを巻き込んでまで私にそう思い込ませたいようだけれども、出来れば話が大きくなることだけは避けたい。特に学校では。
 高蔵君の腕の力が強くなった。苦しくて息がしづらくなる。このままでは寝技をかけられて殺されてしまうかもしれない。空手って寝技とかあるんだっけ。

「ふっ、2人の時だけなら、いいよ」

 息も絶え絶えにそう言うと、少しだけ力が弱まった。

「琴子、琴子ちゃん。こと。えへへ。こと、がいいかな。こと。でもやっぱり琴子かな」

 高蔵君は楽しそうに私の名前を口の中で転がしている。

「琴子。俺の事は綾斗あやとって呼んで」

 私は高蔵君の事をしばらくの間その名前で呼ぶことは無かった。

 ーーーーー

それから1週間ぐらい経った次の日。

「こと。衛検のレポートの締切いつだっけ」

 研究室に行く道すがら、同級生の春田に話しかけられた。春田は食肉系の加工品会社に就職が決まっている。ぽよんぽよんのお腹がチャームポイントのぽっちゃり系男子で、佳奈のタイプでは無いので私が気を許して話が出来る数少ない男子の1人だった。
 逆に、高蔵君は佳奈のタイプ過ぎて佳奈がこっちにけしかけてくることは無いと思ってたのにな。

「水曜の17時だよ」
「サンキュー。ことはそういうの忘れないから助かる。あ、ねえ、ことは卒業旅行どこ行くの?」
「私はあんまりお金無いから、近場で済まそうかなって思ってて」
「えー、もっと楽しみなよ。せっかく最後なんだし」
「春田は?」
「僕はヨーロッパ1周してくる。研究室の奴らと夢の国行ったり」
「いいなあ、楽しそう!春田の所って、」
「琴子っ!!」

 後ろから鋭い声で呼び止められた。
 高蔵君が仁王立ちしてこちらを睨みつけていた。
 背が高いのでそれだけで迫力が物凄い。

「春田、ごめん、また明日」
「おー、噂通りラブラブな後輩君だね。じゃね」

 一体どんな噂が出回っているのか春田を問い詰めたかったが今はそれどころではない。
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