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本編
霙雪-5
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(side:春成)
吉成の魔力が爆ぜる。
24階の窓ガラスが全て吹き飛び、鉄骨が露になる。
対流の中、意識の中で何かが静かに切り替わる。
感情が、音もなく沈む。
戦闘に必要な感覚だけが浮上する。
これは父からでも母からでもなく、宮間本家で育てられた者だけが持つ錯覚。
視界の色が落ち、世界が分解されて情報の網になっていく。
断層魔術が何度もフロアを切り裂く。
「……吉成」
声が自分のものではないように、静かに落ちる。
吉成が眉をひそめた。
「なんだ? 怖気付いたかい、お坊ちゃま」
僕はほんの少しだけ口角を上げる。
視線は刺し射抜くように魔力の迸りを追う。
「お前は僕の、何を調べたって?」
その瞬間、僕の魔力が弾ける。
温度のない、青白い魔力。
吉成の表情が一瞬だけ強張る。
「……春成君。その魔力の出し方は……じいさんが怒った時にそっくりだな」
「誉め言葉として受け取っておく」
僕は1歩踏み出した。
吉成が先に動く。
音がしない。
床が凹むのに、着地音ひとつない。
人間の動きではない。
身体強化と座標移動。
「零位相分裂!」
空間が縦に裂け、分裂した“別位相の刃”が3方向から迫る。
「……遅い」
身体能力は魔術で向上しているようだが、並列操作には慣れていないようだ。
一瞬で返戻構文を構築する。
「止揚構文・6版:分裂位相の逆配列」
吉成の魔術が、僕の魔力に触れた瞬間── 消えた。
吉成の足元に6つになった刃が跳ね返る。
「ひっ! ひいっ!」
刃は吉成の肩口とスラックスを切り裂いて後ろの壁に突き刺さる。
「破路構文:断脈式位相切断術」
隙をついて畳み掛ける。
吉成の肉ごと、魔術回路が弾け飛ぶ。
吉成の位相の刃が風に吹かれたように消える。
「は……? な……何を……ぼくの、強化魔術回路が……」
「お前の断層魔術は、曾祖父の古い術式に基づいている。どんなに身体強化し魔術回路を増設しようとも、全部動きの癖は読める」
「春成君……今の、本気で殺すつもりだっただろ。いいのかい、ぼくを殺したら……」
「心配するな。直ぐに殺してやる。宮間の諜報能力を侮られては困る。どの次元層に移動していようが必ず見つける」
吉成の額に汗が滲む。
「……春成君。君は本当に宮間のお坊ちゃまなのかい? 宮間は、代々暴力での争い事なんてしない一族だろう! そんな……御代家のような……戦闘一族の真似事はやめるんだ!」
「本当に、お前は何を調べていたんだ? ネットニュースか何かか?」
確信する。
こいつは康成以外の宮間を知らない。
僕は歩く。
ゆっくり。
ただ歩くだけなのに、吉成は後ずさる。
「康成は、お前にとっては余程優しい祖父だったようだな」
「優しい? 僕から研究所を奪ったあのクソ爺が? いや待て。春成君、落ち着け。交渉しよう──」
「交渉? お前は僕と交渉の場に立てる立場だと思っているのか」
僕は吉成を見る。
冷たく、ただこれから処理する対象として。
「宮間吉成。お前は宮間に刃向いた。その時点で交渉の余地はない。七方を操り、弟妹達に危害を加えた。そして何よりも──お前は幸の卵子の採取に、関わっているな」
自分でも意外に、感情のない声を出せたほうだと思う。
吉成の喉が上下する。
「ああ……そうだよ……それが今更、何だ。私がエスアイ研究所の所長だった頃、あの魔力なしを手に入れた。簡単だったよ、あいつらは愛情でも、金でもない──居場所というものに飢えているんだ。ただ、“君の居場所がある”と強調してやれば付いてくる。あれは、あの年頃の魔力なしにしては成熟していたからな。初潮が来ていることを褒めそやして、寮の写真を見せてやれば喜んで入社してきた」
「そうか。それはいい事を聞いた。なかなか素直にならない婚約者に手を焼いていた所だ」
「そうだろう! ぼくはただ宮間にとって、本家にとって──」
「だが、幸に手を出した事は別問題だ。お前はここで殺す」
「……何故、君はそこまであれに執着するんだ? 君だけじゃない──クソ爺だって! 遺産を全部、あれに注ぎ込みやがって!! あんなもの──ただ臭い糞尿を垂らすだけの下等生物だろう! 余っ程あれの具合がいいんだろうな。そんな事なら、一度試して見ればよかっ……」
──御代式・血禁構文:逆流血脈崩壊術
「ぐァアァァァァッ!!!」
康成は、その遺産をほぼ全て幸へと遺した。
償いのつもりだったのだろうか。
自分が育てた子供の息子が、傷付けた少女への。
それがこのような醜い諍いの種になると分かっていたとしても。
「そうか。お前には分からないんだな。その紛い物の魔術回路では。幸と3年も一緒にいながら1度も襲わないなんて、僕には想像もできない」
吉成が、床に這いつくばりながらブルブルと震えている。
七方によって増強された魔術回路を絶たれたこいつは、今はただの豚に等しい。
が、手を弱める気はない。
「ウグッ……ゴフッ……まさか……君は……御代の戦闘構文を使えるのか……?」
「いや──残念ながら、少ししか」
僕は首を横に振る。
顔の血管が裂け、赤黒い皮膚と目玉をこちらに向けた吉成が口から血を垂れ流しながら言った。
「ほとんど僕のオリジナルだ。こんな事ならもう少し勉強しておくべきだった」
吉成の瞳孔がぶわっと開く。
その瞬間、構文を展開し階全体を青白い光で満たす。
宮間式・虚式構文──“青淵”。
吉成の魔力を圧し潰す。
空気が震え、床が軋み、金属が悲鳴を上げる。
24階は完全に支配領域になった。
壁に押し付けられた吉成は、顔を引きつらせて呟く。
「……はる……もう……君は、人じゃ……カハッ」
「元々、宮間は人間を作らない家だ。“道具”を作る家に近い。康成に教わらなかったのか?」
吉成が必死に抵抗しようと構文を上げるが──僕はその前に手をかざす。
「お前は、宮間にとってどんな道具なんだ?」
凍りつく吉成に、質問を重ねる。
「それとも、お前が夢見ている“新しい宮間”とやらは、こうやって殺し合いばかりする醜い人間の集まりか?」
僕は歩み寄りながら、手のひらに構文式を展開した。
空間が低く唸る。
──位相破断構文:御代式改・穿。
吉成の鼻骨と頬骨が折れる感触が右手に伝わる。
保管室の壁を突き破り、隣の部屋の壁に飛ばされた吉成の元へゆっくり歩み寄る。
「ま、待て春成君!! 君、正気か……!? ぼくは本当は、宮間のために……!」
「宮間のため? C-13のデータコアを宮間から盗み、宮間の常務取締役を殺人犯に仕立て上げ、信用を失墜させようとした人間が?」
七方の魔術は意外にもしぶとい。
まだ会話ができる余裕がある。
母様が消えなければ、奴も禁忌の道を歩む事なくいい研究者でいたのだろう。
「ち、違う……ぼくは、本当に……!」
「“お前と宮間のせいで、ここで殺した魔力なし達の捜査が始まった。ぼくの研究所は終わりだ。お前を殺して、犯人をあのお坊ちゃんだという事にしよう。そうすれば宮間ももう終わりだ”」
僕は淡々と、七方の残留思念から得た記憶を告げた。
「お前が言った言葉だな」
吉成の顔から血の気が引いた。
構文が完成する。
掌の中心に“虚”が開き、光のない穴が生まれた。
虚式構文:御代式改・壊尽───
「春成くんっ!! やめろッ!! ぼくを殺したら、君は本当に殺人犯になる!! その必要は──」
「必要はある」
僕は1歩、吉成へ踏み込む。
「これは家の“矯正”だ。宮間に腐敗を残すほうが、よほど罪になる。安心しろ、痕跡を消す方法は幾らでもある。こういう事は本家ではよくあるからな」
生命活動を次の一瞬で断つ。
その瞬間、座標固定されているはずの空間が大きく揺れた。
「春成様!! やめて下さい!!」
飛び込んできたのは吉野だった。
その後ろに、息を切らした泰雅もいる。
「ああーっ! ……間に合ったっ! はる兄の座標固定式、硬すぎ!」
「……邪魔をするな、吉野」
「します」
吉野は泣いていた。
けれど恐怖の涙ではない。
「……もう充分です。これ以上、人の罪まで背負わないで……! はる兄!」
「背負う価値がある罪だ。」
僕は即答した。
吉野は唇を噛み、震える手で僕に近づく。
「はる兄……幸様が……悲しみます」
その名前が、心臓の奥底に刺さる。
ほんの一瞬、構文が揺らいだ。
泰雅が、その隙を逃さなかった。
「はる兄!!」
泰雅は僕の腕を掴み、必死に止める。
「はる兄がこんな奴のために手、汚す必要ないだろ……! 幸ちゃんは絶対そんなの望まない……! はる兄が殺人犯なんて……幸ちゃんが泣くに決まってるだろ……!!」
「泰雅、放せ。来るなと言っただろう」
「いやだ!! 放すかよ!! はる兄を犯罪者にしたくない!! 俺は……はる兄を守りたい……! はる兄が殺るなら、俺が殺る!」
「やめなさい、泰雅まで」
吉野が泰雅の頭をペシンと弾く。
視界がぐらりと揺れた。
吉野と泰雅──
どちらの気配も必死で、真っ直ぐだった。
“兄を失いたくない”。
“兄を守りたい”。
その声は、七方の呪詛よりも、吉成の嘘よりも、僕の精神を深く刺した。
「……はる兄」
吉野が袖を掴む。
震える声で、しかしはっきりと言った。
「もう、充分です。はる兄は、宮間を守りました。母様の願いも……康成さんの想いも……。はる兄は全部叶えてきました」
胸が痛いほど、息が詰まる。
僕は──こんな言葉を、人生で誰にも言われたことがなかった。
虚式の光が、静かに消えていく。
「……そう、か」
僕は小さく呟いて、構文を解いた。
崩れて膝をついたのは、吉成だった。
強化魔術回路は壊れ、身体強化も解かれ、そこにいたのは、膝をがたがたと震わせて失禁しているただの中年男だった。
僕はただ長い息を吐いた。
泰雅たちもそれに続き、肩の力を抜いた。
「お前たちが来なければ、僕は……殺人犯だったな」
「はる兄、マジで殺す気だったろ」
泰雅が言った。
「ああ。当然だ。痕跡も残さずに仕立てあげたい所だったが──当局も動き始めた気配がする。こいつにはまだなにか余罪がありそうだ」
「だろうな。殺してやるにはまだ早い」
泰雅は少し息をついてから、吉成から僕へ視線を向けた。
「はる兄は、情より“正しさ”を選ぶから。だからいつか止めなければと……いつも思っていました」
吉野もそっと僕の背中に手を置く。
「はる兄が壊れるところなんて……見たくありません。壊れるのは、本当の“道具”である私たちだけでいい」
僕は少しだけ目を閉じた。
僕の手を押し留めたのは、僕が守ろうとしていた“宮間”そのものだった。
その手は、こんなにも温かい。
「……違う。お前たちは、道具じゃない。僕の家族だ」
僕は吉野の頭に手を置いた。
「2人とも。ありがとう」
吉成は細胞保管室の中央で震えたままだ。
だが、殺さない。
理由はただ1つ。
──僕が守るべき“家族”が、止めたからだ。
「お前たちは、先に行っていてくれ。回収は僕がやる」
ーーーーー
「おいおい、やり過ぎじゃねーか」
「正当防衛だ」
隣に現れた嶲に肩の傷を叩いて見せる。
吉成を縛り上げ、そのままSI本社ビルを出ようとするとぞろぞろと3台のパトカーが乱暴に玄関口に停まるところだった。
その後に続く黒い覆面から嶲は現れた。
「わざとやられた訳じゃないだろうな」
「……なぜ現場にお前がいる。警視正とやらはそんなに暇なのか」
「そんな訳ないだろ。お前が派手に暴れてるようだから止めに来てやったんだよ」
吉成を突き出してやると、警察官達は面食らったようにたじろいだが令状を取り出して吉成の前で読み上げた。
──七方の殺害、及び魔力なしの監禁、殺害。それを七方と共謀した罪。そして宮間研究所から研究資料を窃盗した罪。
吉成は意識が朦朧となりながらも小さく返事をした。
大人しく手錠をかけられてパトカーに乗せられて行く吉成を、嶲は感情なく隣で見ている。
「せっかく久々に暴れられるヤマだと思ったんだが。お前のせいで読みが外れた。聴取終わったら今晩にでも奢れ」
「嫌だ。僕は忙しい。それに、いち国家公務員が接待はまずいんじゃないか」
「硬いこと言うな。俺とお前の仲だろ。お前こそ何やら教祖ごっこで信者をたらしこんで……あっ──おい!逃げるな!」
「逃げる訳じゃない。やるべき事があるんだ」
───情報層・深層域。
「回収は僕がやる」と言ったのに、僕は情報層の外側で状況を見ているしかなかった。
卵子が飛ばされたのは、人間の情報量を保持できる処理領域ではない情報層深層。
吉成は、ここに棄てるつもりで卵子を飛ばしたのだろう。
泰雅、瑠香、京也、純也の4人が突入した。
彼らの魔術光が情報層の暗色空間を照らす。
緻密に折り畳まれたデータ群の中央で、C-13がデータコアと共に固く封印されていた。
『はる兄、見えるか?』
泰雅の声が、端末越しに落ちてくる。
「……あぁ」
封印の術式を見ただけで分かった。
七方の式だ。
しかも吉成が上書きし、母様の魔術式を骨格にしている。
汚い混ざり方だ。
がっちりと冷凍魔石容器の座標は固定され、情報層の中に溶け込もうとしている。
「解除、いけるっ?」
京也が歯を食いしばる。
C-13の封印はエラー表示のまま。
「……いけると思ってたんだけどな」
純也が肩を落とした。
4人が近づいた瞬間、術式が自律的に反応し、迷宮のように空間そのものが折り返った。
「うわっ、閉じてくる! 離れて!」
瑠香の悲鳴。
情報層そのものが彼らを飲み込むように、幾何学模様の渦へと変質していく。
───しまった。
4人に触れた瞬間、術式が“宮間の血”を認識して暴走した。
大きく息を吐く。
僕は決断した。
「退け」
静かに、冷静を務めて言う。
「はる兄? でも!」
「退け。僕がやる」
「え!? 何言ってんの!?」
時間がない。
「蝶型式を使わずに実体のまま情報層に入る」
やってはいけない。
本来なら肉体が崩壊する。
だが──
「この術式の骨格は母様のものだ。ならば母様と演算層で同期している僕になら、解錠できる」
「はる兄、駄目だ! こっちに来たら……!」
「せめて蝶になって……」
「それでは魔術式を全構成できない」
4人が手を広げ、僕を物理層へ返そうとする。
その後ろへと降り立つ。
意識が歪む。
肉体が情報層の層構造に千切られそうになる。
それでも踏み込む。
深層域の中心、巨大な術式鎖が渦巻く核の前に立つ。
熱い。
骨が軋む。
心臓が情報化され、波形に変換されていく。
零位相侵蝕式・星環逆写。
──基底位相、落下開始。
──間に合え……!
──符号列、逆転。
──構造観測、遡行。
──C-13、鍵領域の消失を確認。
僕は術式に手をかけ、力ずくで引き剥がした。
弾かれるような甲高い音がした。
雷のような痛み。
視界が赤く染まる。
それでも、データコアに包まれた容器は僕の手に落ちた。
それを泰雅に受け渡す。
情報層に入ってから46.3秒。
体は限界を超えて、動かなくなっていた。
「……はる兄!」
「戻って! はる兄!」
瑠香の泣き声が曇って聞こえる。
脳が崩れていく感覚がした。
情報層は、人間の魂すら分解するというのか。
京也と純也が僕を抱えて移動しようとする。
「ここまでか……」
意識が暗転し始めたその時。
光が降りてきた。
温かくて、柔らかくて、僕が知る限り、誰よりも美しい香り。
「旦那様」
振り返る。
“彼女”がいた。
幸の思念体。
まるで淡い光の粒子でできたような姿で、僕の手を取る。
白い翼が、幸と僕の体を包み込む。
「……これは……夢か……」
「夢じゃない! 夢じゃないから目閉じないで! はる兄!」
僕の崩れかけた身体を抱きかかえるように、幸は自分の光を流し込んでくる。
「旦那様、戻りましょう」
その声音が、深層域に響いた。
情報層の構造が揺れ、幸の光が出口を指さす。
「一緒に、戻りましょう」
僕は声を出そうとしたが、もう無理だった。
ただ──
──幸、愛している。
そう思った瞬間、意識は完全に途切れた。
ーーーーー
僕は白い天井を見ていた。
中心静脈に繋がれた点滴。
魔力補助管。
呼吸補正具。
隣で、誰かが泣きながら笑っていた。
「……はる兄! やっと起きた!!」
泰雅の声だ。
瑠香も京也も純也もいる。
「半年だよ。半年。死ぬかと思ったんだから……! うわぁぁぁん!!」
瑠香が泣き叫び、双子もそれにつられて涙を流している。
僕は口を開こうとして、喉が震えた。
「半、年……?」
「そうだよ!はる兄、6ヶ月意識なかったんだよ!」
「……卵子は……C-13は」
「無事ですよ」
吉野が静かに答えた。
「はる兄と回収してから、第1研究所の保管庫に厳重に置いています」
そして、もうひとつの声。
弱いけれど、優しい声。
目を開く前から、ずっと手に感じる温もり。
「旦那様……!」
「……ゆ、き……」
吉成の魔力が爆ぜる。
24階の窓ガラスが全て吹き飛び、鉄骨が露になる。
対流の中、意識の中で何かが静かに切り替わる。
感情が、音もなく沈む。
戦闘に必要な感覚だけが浮上する。
これは父からでも母からでもなく、宮間本家で育てられた者だけが持つ錯覚。
視界の色が落ち、世界が分解されて情報の網になっていく。
断層魔術が何度もフロアを切り裂く。
「……吉成」
声が自分のものではないように、静かに落ちる。
吉成が眉をひそめた。
「なんだ? 怖気付いたかい、お坊ちゃま」
僕はほんの少しだけ口角を上げる。
視線は刺し射抜くように魔力の迸りを追う。
「お前は僕の、何を調べたって?」
その瞬間、僕の魔力が弾ける。
温度のない、青白い魔力。
吉成の表情が一瞬だけ強張る。
「……春成君。その魔力の出し方は……じいさんが怒った時にそっくりだな」
「誉め言葉として受け取っておく」
僕は1歩踏み出した。
吉成が先に動く。
音がしない。
床が凹むのに、着地音ひとつない。
人間の動きではない。
身体強化と座標移動。
「零位相分裂!」
空間が縦に裂け、分裂した“別位相の刃”が3方向から迫る。
「……遅い」
身体能力は魔術で向上しているようだが、並列操作には慣れていないようだ。
一瞬で返戻構文を構築する。
「止揚構文・6版:分裂位相の逆配列」
吉成の魔術が、僕の魔力に触れた瞬間── 消えた。
吉成の足元に6つになった刃が跳ね返る。
「ひっ! ひいっ!」
刃は吉成の肩口とスラックスを切り裂いて後ろの壁に突き刺さる。
「破路構文:断脈式位相切断術」
隙をついて畳み掛ける。
吉成の肉ごと、魔術回路が弾け飛ぶ。
吉成の位相の刃が風に吹かれたように消える。
「は……? な……何を……ぼくの、強化魔術回路が……」
「お前の断層魔術は、曾祖父の古い術式に基づいている。どんなに身体強化し魔術回路を増設しようとも、全部動きの癖は読める」
「春成君……今の、本気で殺すつもりだっただろ。いいのかい、ぼくを殺したら……」
「心配するな。直ぐに殺してやる。宮間の諜報能力を侮られては困る。どの次元層に移動していようが必ず見つける」
吉成の額に汗が滲む。
「……春成君。君は本当に宮間のお坊ちゃまなのかい? 宮間は、代々暴力での争い事なんてしない一族だろう! そんな……御代家のような……戦闘一族の真似事はやめるんだ!」
「本当に、お前は何を調べていたんだ? ネットニュースか何かか?」
確信する。
こいつは康成以外の宮間を知らない。
僕は歩く。
ゆっくり。
ただ歩くだけなのに、吉成は後ずさる。
「康成は、お前にとっては余程優しい祖父だったようだな」
「優しい? 僕から研究所を奪ったあのクソ爺が? いや待て。春成君、落ち着け。交渉しよう──」
「交渉? お前は僕と交渉の場に立てる立場だと思っているのか」
僕は吉成を見る。
冷たく、ただこれから処理する対象として。
「宮間吉成。お前は宮間に刃向いた。その時点で交渉の余地はない。七方を操り、弟妹達に危害を加えた。そして何よりも──お前は幸の卵子の採取に、関わっているな」
自分でも意外に、感情のない声を出せたほうだと思う。
吉成の喉が上下する。
「ああ……そうだよ……それが今更、何だ。私がエスアイ研究所の所長だった頃、あの魔力なしを手に入れた。簡単だったよ、あいつらは愛情でも、金でもない──居場所というものに飢えているんだ。ただ、“君の居場所がある”と強調してやれば付いてくる。あれは、あの年頃の魔力なしにしては成熟していたからな。初潮が来ていることを褒めそやして、寮の写真を見せてやれば喜んで入社してきた」
「そうか。それはいい事を聞いた。なかなか素直にならない婚約者に手を焼いていた所だ」
「そうだろう! ぼくはただ宮間にとって、本家にとって──」
「だが、幸に手を出した事は別問題だ。お前はここで殺す」
「……何故、君はそこまであれに執着するんだ? 君だけじゃない──クソ爺だって! 遺産を全部、あれに注ぎ込みやがって!! あんなもの──ただ臭い糞尿を垂らすだけの下等生物だろう! 余っ程あれの具合がいいんだろうな。そんな事なら、一度試して見ればよかっ……」
──御代式・血禁構文:逆流血脈崩壊術
「ぐァアァァァァッ!!!」
康成は、その遺産をほぼ全て幸へと遺した。
償いのつもりだったのだろうか。
自分が育てた子供の息子が、傷付けた少女への。
それがこのような醜い諍いの種になると分かっていたとしても。
「そうか。お前には分からないんだな。その紛い物の魔術回路では。幸と3年も一緒にいながら1度も襲わないなんて、僕には想像もできない」
吉成が、床に這いつくばりながらブルブルと震えている。
七方によって増強された魔術回路を絶たれたこいつは、今はただの豚に等しい。
が、手を弱める気はない。
「ウグッ……ゴフッ……まさか……君は……御代の戦闘構文を使えるのか……?」
「いや──残念ながら、少ししか」
僕は首を横に振る。
顔の血管が裂け、赤黒い皮膚と目玉をこちらに向けた吉成が口から血を垂れ流しながら言った。
「ほとんど僕のオリジナルだ。こんな事ならもう少し勉強しておくべきだった」
吉成の瞳孔がぶわっと開く。
その瞬間、構文を展開し階全体を青白い光で満たす。
宮間式・虚式構文──“青淵”。
吉成の魔力を圧し潰す。
空気が震え、床が軋み、金属が悲鳴を上げる。
24階は完全に支配領域になった。
壁に押し付けられた吉成は、顔を引きつらせて呟く。
「……はる……もう……君は、人じゃ……カハッ」
「元々、宮間は人間を作らない家だ。“道具”を作る家に近い。康成に教わらなかったのか?」
吉成が必死に抵抗しようと構文を上げるが──僕はその前に手をかざす。
「お前は、宮間にとってどんな道具なんだ?」
凍りつく吉成に、質問を重ねる。
「それとも、お前が夢見ている“新しい宮間”とやらは、こうやって殺し合いばかりする醜い人間の集まりか?」
僕は歩み寄りながら、手のひらに構文式を展開した。
空間が低く唸る。
──位相破断構文:御代式改・穿。
吉成の鼻骨と頬骨が折れる感触が右手に伝わる。
保管室の壁を突き破り、隣の部屋の壁に飛ばされた吉成の元へゆっくり歩み寄る。
「ま、待て春成君!! 君、正気か……!? ぼくは本当は、宮間のために……!」
「宮間のため? C-13のデータコアを宮間から盗み、宮間の常務取締役を殺人犯に仕立て上げ、信用を失墜させようとした人間が?」
七方の魔術は意外にもしぶとい。
まだ会話ができる余裕がある。
母様が消えなければ、奴も禁忌の道を歩む事なくいい研究者でいたのだろう。
「ち、違う……ぼくは、本当に……!」
「“お前と宮間のせいで、ここで殺した魔力なし達の捜査が始まった。ぼくの研究所は終わりだ。お前を殺して、犯人をあのお坊ちゃんだという事にしよう。そうすれば宮間ももう終わりだ”」
僕は淡々と、七方の残留思念から得た記憶を告げた。
「お前が言った言葉だな」
吉成の顔から血の気が引いた。
構文が完成する。
掌の中心に“虚”が開き、光のない穴が生まれた。
虚式構文:御代式改・壊尽───
「春成くんっ!! やめろッ!! ぼくを殺したら、君は本当に殺人犯になる!! その必要は──」
「必要はある」
僕は1歩、吉成へ踏み込む。
「これは家の“矯正”だ。宮間に腐敗を残すほうが、よほど罪になる。安心しろ、痕跡を消す方法は幾らでもある。こういう事は本家ではよくあるからな」
生命活動を次の一瞬で断つ。
その瞬間、座標固定されているはずの空間が大きく揺れた。
「春成様!! やめて下さい!!」
飛び込んできたのは吉野だった。
その後ろに、息を切らした泰雅もいる。
「ああーっ! ……間に合ったっ! はる兄の座標固定式、硬すぎ!」
「……邪魔をするな、吉野」
「します」
吉野は泣いていた。
けれど恐怖の涙ではない。
「……もう充分です。これ以上、人の罪まで背負わないで……! はる兄!」
「背負う価値がある罪だ。」
僕は即答した。
吉野は唇を噛み、震える手で僕に近づく。
「はる兄……幸様が……悲しみます」
その名前が、心臓の奥底に刺さる。
ほんの一瞬、構文が揺らいだ。
泰雅が、その隙を逃さなかった。
「はる兄!!」
泰雅は僕の腕を掴み、必死に止める。
「はる兄がこんな奴のために手、汚す必要ないだろ……! 幸ちゃんは絶対そんなの望まない……! はる兄が殺人犯なんて……幸ちゃんが泣くに決まってるだろ……!!」
「泰雅、放せ。来るなと言っただろう」
「いやだ!! 放すかよ!! はる兄を犯罪者にしたくない!! 俺は……はる兄を守りたい……! はる兄が殺るなら、俺が殺る!」
「やめなさい、泰雅まで」
吉野が泰雅の頭をペシンと弾く。
視界がぐらりと揺れた。
吉野と泰雅──
どちらの気配も必死で、真っ直ぐだった。
“兄を失いたくない”。
“兄を守りたい”。
その声は、七方の呪詛よりも、吉成の嘘よりも、僕の精神を深く刺した。
「……はる兄」
吉野が袖を掴む。
震える声で、しかしはっきりと言った。
「もう、充分です。はる兄は、宮間を守りました。母様の願いも……康成さんの想いも……。はる兄は全部叶えてきました」
胸が痛いほど、息が詰まる。
僕は──こんな言葉を、人生で誰にも言われたことがなかった。
虚式の光が、静かに消えていく。
「……そう、か」
僕は小さく呟いて、構文を解いた。
崩れて膝をついたのは、吉成だった。
強化魔術回路は壊れ、身体強化も解かれ、そこにいたのは、膝をがたがたと震わせて失禁しているただの中年男だった。
僕はただ長い息を吐いた。
泰雅たちもそれに続き、肩の力を抜いた。
「お前たちが来なければ、僕は……殺人犯だったな」
「はる兄、マジで殺す気だったろ」
泰雅が言った。
「ああ。当然だ。痕跡も残さずに仕立てあげたい所だったが──当局も動き始めた気配がする。こいつにはまだなにか余罪がありそうだ」
「だろうな。殺してやるにはまだ早い」
泰雅は少し息をついてから、吉成から僕へ視線を向けた。
「はる兄は、情より“正しさ”を選ぶから。だからいつか止めなければと……いつも思っていました」
吉野もそっと僕の背中に手を置く。
「はる兄が壊れるところなんて……見たくありません。壊れるのは、本当の“道具”である私たちだけでいい」
僕は少しだけ目を閉じた。
僕の手を押し留めたのは、僕が守ろうとしていた“宮間”そのものだった。
その手は、こんなにも温かい。
「……違う。お前たちは、道具じゃない。僕の家族だ」
僕は吉野の頭に手を置いた。
「2人とも。ありがとう」
吉成は細胞保管室の中央で震えたままだ。
だが、殺さない。
理由はただ1つ。
──僕が守るべき“家族”が、止めたからだ。
「お前たちは、先に行っていてくれ。回収は僕がやる」
ーーーーー
「おいおい、やり過ぎじゃねーか」
「正当防衛だ」
隣に現れた嶲に肩の傷を叩いて見せる。
吉成を縛り上げ、そのままSI本社ビルを出ようとするとぞろぞろと3台のパトカーが乱暴に玄関口に停まるところだった。
その後に続く黒い覆面から嶲は現れた。
「わざとやられた訳じゃないだろうな」
「……なぜ現場にお前がいる。警視正とやらはそんなに暇なのか」
「そんな訳ないだろ。お前が派手に暴れてるようだから止めに来てやったんだよ」
吉成を突き出してやると、警察官達は面食らったようにたじろいだが令状を取り出して吉成の前で読み上げた。
──七方の殺害、及び魔力なしの監禁、殺害。それを七方と共謀した罪。そして宮間研究所から研究資料を窃盗した罪。
吉成は意識が朦朧となりながらも小さく返事をした。
大人しく手錠をかけられてパトカーに乗せられて行く吉成を、嶲は感情なく隣で見ている。
「せっかく久々に暴れられるヤマだと思ったんだが。お前のせいで読みが外れた。聴取終わったら今晩にでも奢れ」
「嫌だ。僕は忙しい。それに、いち国家公務員が接待はまずいんじゃないか」
「硬いこと言うな。俺とお前の仲だろ。お前こそ何やら教祖ごっこで信者をたらしこんで……あっ──おい!逃げるな!」
「逃げる訳じゃない。やるべき事があるんだ」
───情報層・深層域。
「回収は僕がやる」と言ったのに、僕は情報層の外側で状況を見ているしかなかった。
卵子が飛ばされたのは、人間の情報量を保持できる処理領域ではない情報層深層。
吉成は、ここに棄てるつもりで卵子を飛ばしたのだろう。
泰雅、瑠香、京也、純也の4人が突入した。
彼らの魔術光が情報層の暗色空間を照らす。
緻密に折り畳まれたデータ群の中央で、C-13がデータコアと共に固く封印されていた。
『はる兄、見えるか?』
泰雅の声が、端末越しに落ちてくる。
「……あぁ」
封印の術式を見ただけで分かった。
七方の式だ。
しかも吉成が上書きし、母様の魔術式を骨格にしている。
汚い混ざり方だ。
がっちりと冷凍魔石容器の座標は固定され、情報層の中に溶け込もうとしている。
「解除、いけるっ?」
京也が歯を食いしばる。
C-13の封印はエラー表示のまま。
「……いけると思ってたんだけどな」
純也が肩を落とした。
4人が近づいた瞬間、術式が自律的に反応し、迷宮のように空間そのものが折り返った。
「うわっ、閉じてくる! 離れて!」
瑠香の悲鳴。
情報層そのものが彼らを飲み込むように、幾何学模様の渦へと変質していく。
───しまった。
4人に触れた瞬間、術式が“宮間の血”を認識して暴走した。
大きく息を吐く。
僕は決断した。
「退け」
静かに、冷静を務めて言う。
「はる兄? でも!」
「退け。僕がやる」
「え!? 何言ってんの!?」
時間がない。
「蝶型式を使わずに実体のまま情報層に入る」
やってはいけない。
本来なら肉体が崩壊する。
だが──
「この術式の骨格は母様のものだ。ならば母様と演算層で同期している僕になら、解錠できる」
「はる兄、駄目だ! こっちに来たら……!」
「せめて蝶になって……」
「それでは魔術式を全構成できない」
4人が手を広げ、僕を物理層へ返そうとする。
その後ろへと降り立つ。
意識が歪む。
肉体が情報層の層構造に千切られそうになる。
それでも踏み込む。
深層域の中心、巨大な術式鎖が渦巻く核の前に立つ。
熱い。
骨が軋む。
心臓が情報化され、波形に変換されていく。
零位相侵蝕式・星環逆写。
──基底位相、落下開始。
──間に合え……!
──符号列、逆転。
──構造観測、遡行。
──C-13、鍵領域の消失を確認。
僕は術式に手をかけ、力ずくで引き剥がした。
弾かれるような甲高い音がした。
雷のような痛み。
視界が赤く染まる。
それでも、データコアに包まれた容器は僕の手に落ちた。
それを泰雅に受け渡す。
情報層に入ってから46.3秒。
体は限界を超えて、動かなくなっていた。
「……はる兄!」
「戻って! はる兄!」
瑠香の泣き声が曇って聞こえる。
脳が崩れていく感覚がした。
情報層は、人間の魂すら分解するというのか。
京也と純也が僕を抱えて移動しようとする。
「ここまでか……」
意識が暗転し始めたその時。
光が降りてきた。
温かくて、柔らかくて、僕が知る限り、誰よりも美しい香り。
「旦那様」
振り返る。
“彼女”がいた。
幸の思念体。
まるで淡い光の粒子でできたような姿で、僕の手を取る。
白い翼が、幸と僕の体を包み込む。
「……これは……夢か……」
「夢じゃない! 夢じゃないから目閉じないで! はる兄!」
僕の崩れかけた身体を抱きかかえるように、幸は自分の光を流し込んでくる。
「旦那様、戻りましょう」
その声音が、深層域に響いた。
情報層の構造が揺れ、幸の光が出口を指さす。
「一緒に、戻りましょう」
僕は声を出そうとしたが、もう無理だった。
ただ──
──幸、愛している。
そう思った瞬間、意識は完全に途切れた。
ーーーーー
僕は白い天井を見ていた。
中心静脈に繋がれた点滴。
魔力補助管。
呼吸補正具。
隣で、誰かが泣きながら笑っていた。
「……はる兄! やっと起きた!!」
泰雅の声だ。
瑠香も京也も純也もいる。
「半年だよ。半年。死ぬかと思ったんだから……! うわぁぁぁん!!」
瑠香が泣き叫び、双子もそれにつられて涙を流している。
僕は口を開こうとして、喉が震えた。
「半、年……?」
「そうだよ!はる兄、6ヶ月意識なかったんだよ!」
「……卵子は……C-13は」
「無事ですよ」
吉野が静かに答えた。
「はる兄と回収してから、第1研究所の保管庫に厳重に置いています」
そして、もうひとつの声。
弱いけれど、優しい声。
目を開く前から、ずっと手に感じる温もり。
「旦那様……!」
「……ゆ、き……」
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