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本編
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「ん……」
あまりの寝心地の良さに微睡んでいた。
ポカポカと暖かな陽だまり。
ゆらり、ゆらら。
ゆりかごにいるような心地よい揺れ。
花の蜜のような香りや、瑞々しい果実のような香りが鼻をくすぐる。
サワサワと葉の擦れ合う音や、小鳥の鳴き声が聞こえ、時折、頬を撫でる柔らかな感触もする。
ずっと眠っていたい。
ころり。
寝返りを打って、またうとうととする。
慈しむような撫で方がくすぐったい。繊細で柔らかなふわふわの毛で触れられているよう。
とても優しい。
小さい頃、まだ、鍛錬が始まる前の、母代わりのシスターのような優しさだった。
………。
起きたくない。
起きたくないけれど、何度も寝たせいでもう眠れそうになかった。
恐らく長時間寝ているのに、不思議とお腹は満たされたまま。排泄の必要も感じない。
いよいよ観念して、僕は恐る恐る目を開けた。
少し見上げた頭上にいたのは、空を埋め尽くす程大きく葉を広げた巨樹。
その枝の中の一本が、まるで手の様に優しく頭を撫でていた。
葉には色々な種類があるらしく、僕を撫でていたのは中でも一番ふさふさした滑らかな毛皮のような葉だった。
がばっと身を起こすと、手伝うように何本も枝が伸びてくる。どうやら、僕の体より何倍も大きな一枚の葉の上で寝かされていたようだった。
葉には産毛のような毛が生えており、これが極上の寝心地の理由みたい。
その葉は器の様に窪んでいるため、下がどうなっているのか分からない。
相当高い所にいる気がして、登って見るのは諦めた。
『起きたのね』
「!!」
『安心して、かわいい子。もう身体は平気かしら?』
頭の中に届くような、優しい声がする。
見渡しても何も見えないが、ピンッ!と姿勢を正しくした。
何となくそうしなければならないと、本能が告げている。
すべての教会は、国内外関わらず、リュミクス神、女神を信仰している。
そのすべての教会に建造された、女神像を彷彿とさせる穏やかな声だった。
「シュリエルと申します。何だかとても……満ち足りていて、ありがとうございます……その、」
『わたしのことは、あなたなら好きに呼んでいいわ、シュリエル』
「えっ……と、であれば。そのお優しいお声から、リュミクス神様とお呼びして宜しいでしょうか……?」
『ええ、結構よ。それより、わたし、とても驚いたの。かわいい子が、こんなに傷付いてしまっていて……』
「傷付く……?怪我は、しておりません」
『違うわ。心が、傷だらけで欠けてしまっている。栄養不足の体は癒せたけれど、心はどうにも出来ないの……なにがあったの?』
女神の様に優しい声は、包み込むようだった。いつの間にか、僕の周りにはスイちゃんたちやハク、ウォルが寄り添って、精霊たちも徐々に徐々に増えていた。
光の海の中で揺蕩うようで、心地よくて。
自然と心を開いていく。
ぽつり、ぽつりと、僕のことを話す。
目の前に誰かいる訳ではないそれは、拙い、独白に近かった。
聖女のこと。
聖属性の力のこと。
婚約者を、とられてしまったこと。
それは、塞がってもない傷を再度抉るような痛みを伴った。心が、彼女の言う通り疲弊し摩耗していることを自覚した。
静かに話を聞き終わったリュミクス神様は、ほう、と息を吐き出す。
『ごめんなさいね。本当は、寝ている貴方の記憶を読ませてもらって、知っているの……人間は、あれを聖属性と名付けているのね……』
「リュミクス神様は、他に何と呼んでいらっしゃるのですか?」
『わたしや精霊たちはこう呼ぶの。【夢見の力】と』
「ゆめみ……?」
『あれは、この世界でごく稀に現れる【バグ】なの。そうね……魂の浄化をミスした際に、偶然的に持ってしまった力、かしら』
「???」
よく分からなかった。
首を傾げる僕に、リュミクス神は御伽話を聞かせる様に教えてくれた。
人の魂というのは、死ぬたびに浄化し、またやり直す。同じ世界に何度も生まれ変わることもあれば、他の世界を点々とすることもある。
それは神様間でやりとりするのだという。
引き受けた魂を、自分の世界で誕生させるのだが……前の神の浄化が不十分な場合、このような【バグ】が起こる。
プリシラ嬢は、そのバグによって【夢見の力】を手に入れた。【夢見の力】は夢を見させる力であり、厳密に言えば癒しの力ではない。
事実、怪我を治せるのは痛みの代償の代わりに、寿命、すなわち生命力を消費しているから。
周囲にまで癒しを振りまけるのは、『幻覚』である。
「寿命を消費……!?そんな恐ろしい魔術があるのですか!?」
『彼女が夢見の力を使う時は、魔力を消費するけれど、それだけでは夢から覚めてしまうでしょう?だからその夢を現実にさせるために、生命力を使わせるの。それも夢見の力独特の対価ね。ただし、その生命力と関係しない、身体以外の願望はどうにも出来ないわ。』
「それでは、呪いの解呪は……」
『呪いは生命力を使って常時打ち消しているだけで、生命力を使い切ればまた呪いが復活するでしょう。もっとも、その時には生きていないのだけど』
「そんな……むしろ、悪化させているような……」
『そうね。でも、夢見の力を使うには、魔力をもっていることと、夢を見ていさえすればいい。魔物だって、魔法を使うものがいるでしょう?言い方は悪いけれど、原理は同じ。だから、彼女は学ぶこともなく、本能的に使えてしまう。彼女自身夢見がちなのも作用して、常に微量、香水が漏れているようなものかしら』
つまりは、プリシラ嬢の魔力では幻影だけ。しかしその幻影にあわせて身体を作り替えるのは、当人の寿命を使う、ということ。
だからか。
モノは夢を見ないし生命力もないから、彼女の力が及ばなかった。
「無自覚、なのですね。聖女様は」
『そうとも言い切れないわね。自分は周りに癒しを与えている、と強く信じていること。それが原因。そして貴方を敵視し、癒しは与えたくないと思っているから、貴方には感じ取れなかったのではないかしら』
「それで……!納得です」
『本来なら少しいい気分になれたり、夢で会いたい人に会えるという、なんて事のない力なの。前にその力が現れた子は、もともと水の巫子に憧れていた子だった。そして人をたくさん癒せる力だと思い込み……その結果、多くの人の寿命を縮めてしまった』
「あ……」
聖女の治療を受けた人と、受けていない人の寿命なんて、誰が調べるだろう。それも遠い昔、他国のこと。それは……分からなかったと思う。
「このことは、広めても良い情報なのでしょうか?」
『…………そうね。でも、貴方はあの世界に、また戻るの?そんなに傷つけられて、ぼろぼろになってまで、あの世界に戻る必要はあるのかしら?』
心から心配する声。なのに、ぐさりと突き刺さるような言葉。
今まで見たくなかった現実を突きつけられた瞬間だった。
あまりの寝心地の良さに微睡んでいた。
ポカポカと暖かな陽だまり。
ゆらり、ゆらら。
ゆりかごにいるような心地よい揺れ。
花の蜜のような香りや、瑞々しい果実のような香りが鼻をくすぐる。
サワサワと葉の擦れ合う音や、小鳥の鳴き声が聞こえ、時折、頬を撫でる柔らかな感触もする。
ずっと眠っていたい。
ころり。
寝返りを打って、またうとうととする。
慈しむような撫で方がくすぐったい。繊細で柔らかなふわふわの毛で触れられているよう。
とても優しい。
小さい頃、まだ、鍛錬が始まる前の、母代わりのシスターのような優しさだった。
………。
起きたくない。
起きたくないけれど、何度も寝たせいでもう眠れそうになかった。
恐らく長時間寝ているのに、不思議とお腹は満たされたまま。排泄の必要も感じない。
いよいよ観念して、僕は恐る恐る目を開けた。
少し見上げた頭上にいたのは、空を埋め尽くす程大きく葉を広げた巨樹。
その枝の中の一本が、まるで手の様に優しく頭を撫でていた。
葉には色々な種類があるらしく、僕を撫でていたのは中でも一番ふさふさした滑らかな毛皮のような葉だった。
がばっと身を起こすと、手伝うように何本も枝が伸びてくる。どうやら、僕の体より何倍も大きな一枚の葉の上で寝かされていたようだった。
葉には産毛のような毛が生えており、これが極上の寝心地の理由みたい。
その葉は器の様に窪んでいるため、下がどうなっているのか分からない。
相当高い所にいる気がして、登って見るのは諦めた。
『起きたのね』
「!!」
『安心して、かわいい子。もう身体は平気かしら?』
頭の中に届くような、優しい声がする。
見渡しても何も見えないが、ピンッ!と姿勢を正しくした。
何となくそうしなければならないと、本能が告げている。
すべての教会は、国内外関わらず、リュミクス神、女神を信仰している。
そのすべての教会に建造された、女神像を彷彿とさせる穏やかな声だった。
「シュリエルと申します。何だかとても……満ち足りていて、ありがとうございます……その、」
『わたしのことは、あなたなら好きに呼んでいいわ、シュリエル』
「えっ……と、であれば。そのお優しいお声から、リュミクス神様とお呼びして宜しいでしょうか……?」
『ええ、結構よ。それより、わたし、とても驚いたの。かわいい子が、こんなに傷付いてしまっていて……』
「傷付く……?怪我は、しておりません」
『違うわ。心が、傷だらけで欠けてしまっている。栄養不足の体は癒せたけれど、心はどうにも出来ないの……なにがあったの?』
女神の様に優しい声は、包み込むようだった。いつの間にか、僕の周りにはスイちゃんたちやハク、ウォルが寄り添って、精霊たちも徐々に徐々に増えていた。
光の海の中で揺蕩うようで、心地よくて。
自然と心を開いていく。
ぽつり、ぽつりと、僕のことを話す。
目の前に誰かいる訳ではないそれは、拙い、独白に近かった。
聖女のこと。
聖属性の力のこと。
婚約者を、とられてしまったこと。
それは、塞がってもない傷を再度抉るような痛みを伴った。心が、彼女の言う通り疲弊し摩耗していることを自覚した。
静かに話を聞き終わったリュミクス神様は、ほう、と息を吐き出す。
『ごめんなさいね。本当は、寝ている貴方の記憶を読ませてもらって、知っているの……人間は、あれを聖属性と名付けているのね……』
「リュミクス神様は、他に何と呼んでいらっしゃるのですか?」
『わたしや精霊たちはこう呼ぶの。【夢見の力】と』
「ゆめみ……?」
『あれは、この世界でごく稀に現れる【バグ】なの。そうね……魂の浄化をミスした際に、偶然的に持ってしまった力、かしら』
「???」
よく分からなかった。
首を傾げる僕に、リュミクス神は御伽話を聞かせる様に教えてくれた。
人の魂というのは、死ぬたびに浄化し、またやり直す。同じ世界に何度も生まれ変わることもあれば、他の世界を点々とすることもある。
それは神様間でやりとりするのだという。
引き受けた魂を、自分の世界で誕生させるのだが……前の神の浄化が不十分な場合、このような【バグ】が起こる。
プリシラ嬢は、そのバグによって【夢見の力】を手に入れた。【夢見の力】は夢を見させる力であり、厳密に言えば癒しの力ではない。
事実、怪我を治せるのは痛みの代償の代わりに、寿命、すなわち生命力を消費しているから。
周囲にまで癒しを振りまけるのは、『幻覚』である。
「寿命を消費……!?そんな恐ろしい魔術があるのですか!?」
『彼女が夢見の力を使う時は、魔力を消費するけれど、それだけでは夢から覚めてしまうでしょう?だからその夢を現実にさせるために、生命力を使わせるの。それも夢見の力独特の対価ね。ただし、その生命力と関係しない、身体以外の願望はどうにも出来ないわ。』
「それでは、呪いの解呪は……」
『呪いは生命力を使って常時打ち消しているだけで、生命力を使い切ればまた呪いが復活するでしょう。もっとも、その時には生きていないのだけど』
「そんな……むしろ、悪化させているような……」
『そうね。でも、夢見の力を使うには、魔力をもっていることと、夢を見ていさえすればいい。魔物だって、魔法を使うものがいるでしょう?言い方は悪いけれど、原理は同じ。だから、彼女は学ぶこともなく、本能的に使えてしまう。彼女自身夢見がちなのも作用して、常に微量、香水が漏れているようなものかしら』
つまりは、プリシラ嬢の魔力では幻影だけ。しかしその幻影にあわせて身体を作り替えるのは、当人の寿命を使う、ということ。
だからか。
モノは夢を見ないし生命力もないから、彼女の力が及ばなかった。
「無自覚、なのですね。聖女様は」
『そうとも言い切れないわね。自分は周りに癒しを与えている、と強く信じていること。それが原因。そして貴方を敵視し、癒しは与えたくないと思っているから、貴方には感じ取れなかったのではないかしら』
「それで……!納得です」
『本来なら少しいい気分になれたり、夢で会いたい人に会えるという、なんて事のない力なの。前にその力が現れた子は、もともと水の巫子に憧れていた子だった。そして人をたくさん癒せる力だと思い込み……その結果、多くの人の寿命を縮めてしまった』
「あ……」
聖女の治療を受けた人と、受けていない人の寿命なんて、誰が調べるだろう。それも遠い昔、他国のこと。それは……分からなかったと思う。
「このことは、広めても良い情報なのでしょうか?」
『…………そうね。でも、貴方はあの世界に、また戻るの?そんなに傷つけられて、ぼろぼろになってまで、あの世界に戻る必要はあるのかしら?』
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