婚約者は愛を見つけたらしいので、不要になった僕は君にあげる

カシナシ

文字の大きさ
11 / 19
本編

10

しおりを挟む
それから僕とルイはノーランド辺境伯領で静養する設定のため、移動を開始した。

王都から聞こえてくる噂では、キール殿下の婚約者がすげ替えられてから、殿下の評判は転がり落ちているらしい。

なんでも、ココルがあまりに可愛いからと、次々と買い与え、散財しているとか。
ココルを王子妃にするために家庭教師をつけたが、初歩的な所でつまずきっ放しだとか。
陛下はもう、キール殿下ではなくその弟、第二王子殿下を王太子にするべく動いているとか。

そんな事が耳に入ってくると、殿下がまたこちらに接触してきそうだから、僕たちは急いだ。

なるべく真っ直ぐに向かう為、野営もしているのだけど――。


「はぁっ、はぁっ……」

「る、ルイ、同時は、だっ……!ア"ァ――っ」


狭い馬車の中で、我慢できなくなったルイに後ろから貫かれていた。
中途半端に脱がされたシャツの隙間から、乳首を指先で弄られる。すっかり快感を教え込まれた僕の身体は、容易にナカで達してしまった。


「ひ……――――――ッ」


ぶるぶると震えて、絶頂する。足が浮くけど、ルイの逞しい腕に抱かれて落ちることはない。
ぱた、ぱたと、座席の皮に汗か涎か、ナニかが飛ぶ。肉壺の中にもたっぷりと出されて、どろどろしたものが太ももを伝って落ちていた。


「はぁっ、あー、ああ――っ、だめ、もう、らめ……っ」

「もう一度だけ」

「くふ、ううっ、あ~ッ!」


ルイもイッたはずなのに、回復力が凄まじい!
恐怖を覚えるほどに瞬時に蘇った陰茎に、何度となく貫かれて、僕はまた意識を失った。


野営するということは、周りには護衛騎士がぞろぞろとついている訳でして。
闇魔法:消音をかけてはいても、馬車が揺れることは誤魔化せなかった。揺れて見えないように闇魔法:幻影を使うことも出来るけど、そうすると今度は消音出来ないから音が丸聞こえになってしまう。

それよりはマシでもね、無音で激しく揺れる馬車を、誰もが目撃している訳だ。暗いから誤魔化せ……たと願いたい。


翌朝も当然、移動をする。サッと視線を配ると、なんとなく騎士さんたちのお顔が赤い気がする。……ごめんなさい。ルイが童貞卒業したばっかりに。僕も男のコなものだから気持ちよさに抗えず、申し訳ない。









ようやっと辺境伯領に着いたら、美しい自然や開発しがいのある街に、僕は完全に元気を取り戻した。僕の13年の頑張りを、今度はこの領地のために使えるんだ!

僕たちの到着と同時に、陛下から『完全降伏』を彷彿ほうふつとさせるようなお手紙と贈り物が届いていた。多額の慰謝料と、伝説級の魔道具や宝剣まで。
要約すると、『愚息には必ず報いを受けさせるので、どうか王家を見限らないでくれ』と。どうやら僕を再利用しようとしたこともバレていて、謝罪の文から陛下の丸くなった肩が見えたような気がした。


実のところ、僕には闇魔法:使い魔という、諜報に大変便利な魔法がある。使い手の十分の一程度の知性を上限として、小さな蜘蛛を量産したり、鴉を忍ばせて証拠を取ってこさせたり。気付かれる確率はほぼゼロで、万が一捕まったり殺されても、僕の身体に魔力や記憶として還ってくるだけだ。

それを使えることは秘密。だって後ろ暗い事をしている人達から命を狙われてしまうからね。殿下の公務をお手伝いするのに少しばかり使ったのを、陛下が察しているとしたら、このやたら下手に出ている文言も納得だ。


「頭を下げに来いと言いたい所だが、アシリスと会わせたくない。謝罪をするから王城に来いと言われても腹が立つから、この謝罪を受け入れるしかないな……」

「うん、いいじゃないか。面倒くさくない、いい謝罪だと思う。僕ももう殿下には会いたくないし、今頃陛下にたっぷり叱られていると思うし」

「そう願おう」


ふふ、陛下がそう言うのなら、安心だ。
僕は陛下のことも好きだったし、これからも貴族でいるのなら良好な関係でい続ける必要があるものね。







結婚式まであと少し。けれど事実上の夫婦とばかりに、僕とルイは愛と肉欲と欲望の毎日を送っていた。……ん?つまり、セックスしかしていない?

いやいや、そんなことはない。ルイは約束通り、僕の好きなようにさせてくれた。薬師との共同開発だって進み、この領地でしか取れない魔物の素材を使った商会を立ち上げたりだとかね。

運動がてら、領地の魔物を討伐しに行くこともあった。僕は剣術は得意でないので、闇魔法で。ルイは長剣で。これがまた、格好いいんだ。


ただし夜は、毎晩のように愛し合う。僕はすっかりルイの虜になり、ルイも今まで以上に僕を大切に愛でてくれるようになった。もちろんお尻だけじゃなく、ね。
もう、童貞だと罵ることも出来ないくらい、僕を快感の渦に叩き落としてくれる。


「ありがとう、ルイ。……幸せだよ、僕」

「そうなら嬉しい。俺もこれ以上なく幸せ者だ。アシリスを貰えたのだから」


こうして、事後、しっとり抱き合っていちゃいちゃする時間が……とっても幸せ。

ルイによって愛されて自信のついた僕は、辺境伯領を大いに富ませ、ルイと共に、優秀で仲睦まじい番夫婦として名を馳せたのだった。










End





番外編(別視点)に続く

しおりを挟む
感想 37

あなたにおすすめの小説

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

婚約破棄で追放された悪役令息の俺、実はオメガだと隠していたら辺境で出会った無骨な傭兵が隣国の皇太子で運命の番でした

水凪しおん
BL
「今この時をもって、貴様との婚約を破棄する!」 公爵令息レオンは、王子アルベルトとその寵愛する聖女リリアによって、身に覚えのない罪で断罪され、全てを奪われた。 婚約、地位、家族からの愛――そして、痩せ衰えた最果ての辺境地へと追放される。 しかし、それは新たな人生の始まりだった。 前世の知識というチート能力を秘めたレオンは、絶望の地を希望の楽園へと変えていく。 そんな彼の前に現れたのは、ミステリアスな傭兵カイ。 共に困難を乗り越えるうち、二人の間には強い絆が芽生え始める。 だがレオンには、誰にも言えない秘密があった。 彼は、この世界で蔑まれる存在――「オメガ」なのだ。 一方、レオンを追放した王国は、彼の不在によって崩壊の一途を辿っていた。 これは、どん底から這い上がる悪役令息が、運命の番と出会い、真実の愛と幸福を手に入れるまでの物語。 痛快な逆転劇と、とろけるほど甘い溺愛が織りなす、異世界やり直しロマンス!

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

処理中です...