煩悩僧侶、ナースに恋する

神月 一乃

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問題発生!?

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 時折尋花に状況を説明しに行く。尋花の居場所をあえて紅林に教えるためという目的もある。
 そんなことを繰り返しているうちに、禅雁に異変が起きた。
「……兄さん、大変です」
「どうした?」
「EDになったようで……」
「朝飯の時から猥談すんじゃねぇ!」
「いや、本当に深刻ですよ!? 何せ昨日五本ほどAV観ましたが……」
「黙れ! 欲がおさまってよかったと思え!」
「これがですねぇ、欲はある……」
「黙れって言ってるよな?」
 そう兄が言った瞬間、頭上から兄嫁の心温まるハリセンが飛んできた。
「まったく。いくらうちの子が成人したからと言っても、問題はありますよ。あなたもこの人のレベルに合わせないでください。私の作った朝食がまずくなります」
「……すまん」
「どなたかに落ち着けなさいという御仏の思し召しではないんですか? 遅すぎますけど」
「義姉さんは相も変わらず冷たいです」
「いい方がいらっしゃるなら連れてきてくださいな。どんな方が禅雁さんの生贄になるのかこの目で確かめますから」
 兄すらも尻に敷く兄嫁に、禅雁が勝てるはずもない。

 大人しく朝食を食べながら、一人女性を思い浮かべていた。


「中々進まないんですね」
「そりゃぁ、相手が相手ですからねぇ。今は証拠隠滅に頑張っているでしょう。こちらもそれ以上の証拠をお持ちしますよ」
 そこで禅雁は話を切った。
「ところで、尋花さん。お兄さんはかなり不利な状況です」
「……理由を」
「簡単です。以前濡れ衣なのかどうか分かりませんが、公金の横領をされていたみたいですね。それを庇ったのが県議なんですよ」
 尋花の様子を見る限り、知らなかったと見えた。
「おそらく、仕組まれていたのかも知れません。ただ、こちらに関してはお兄さんがやられたという証拠は何一つ見つからない。それを理由に自供させているのでしょうね」
「どこまで馬鹿なんですか! いっつもそう! お父さんたちが死んだのだってっ!!」
 尋花の顔が悔しそうに歪む。
「悔しくても、一度泣いた方がいいですよ。すっきりしますから」
 ぽんぽんと優しく尋花の頭を撫でた。
 そのまま泣きじゃくる尋花を、禅雁が抱きしめる形になった。

 この時、禅雁の頭の中は己の下半身事情と、ここまで阿呆なことをした尋花の兄に対してどうするか、そしてどう報復するかだけが支配していた。
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