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吟遊詩人、旅する
欲望の果て2
しおりを挟む部屋に戻ろうとする吟遊詩人に、村長が「ぜひ曲を」と頼んできた。
「報酬は?」
「よ……用意させます」
「それを信じろと?」
山賊討伐の報酬すら渡さない村が。
「今回は遠慮しよう。私も山賊討伐で疲れたので」
「そんなっ!」
なおもすがろうとする村長を尻目に、吟遊詩人は部屋に戻った。
頼んだ湯と共に、頼んでいないものが来た。女たちだ。
「せめてもの報酬ですわ」
女が報酬とは。そこまで吟遊詩人を下種にしたいらしい。
「あいにく私は疲れたと、村長に伝えたはずですが。お湯だけおいてお引き取りを」
「ならば、お疲れが取れるようにマッサージを……」
「この宿は、そういう宿なのですか? 店主」
親父は頭を振った。
「村長がせめて花を、と」
「あいにく、毒花は都で見慣れているので要りません。お引き取りを」
この女たちは代官や徴税官にも「サービス」をしているのだろう。身体から自信というものが溢れていた。
「吟遊詩人様、申し訳ない。湯を使う時だけでも使ってもらえないだろうか」
親父が頭を下げた。ここで吟遊詩人が女たちを追い出せば、村長は宿屋の親父を責めるだろう。
知ったことではない。二度とこの集落に立ち寄る気はないのだから。
だが、親父はそうもいかない。この集落でこの先も過ごすために。
「分かりました。今回は店主の顔をたてましょう。湯を使う時に背中だけ綺麗にしていただければ大丈夫です。
服を脱ぐ必要はありません。脱いだ者は裸のまま、追い出しますので」
脱ごうとしていた女たちが一斉に手を止め、悔しそうな顔をした。
背中だけ、そう言ったにもかかわらず、女たちは吟遊詩人の服に手をかけた。
「すべて綺麗に致しますので」
慣れた手つきで女たちが身体を拭いていく。
吟遊詩人の肉棒にも触れ、丁寧にこすり始めた。
そこまで来て、お湯と共に吟遊人の服は下げられ、女二人と裸の吟遊詩人が残された。
「要らない、と言ったはずですが」
「ふふふ。それでもこちらは正直ですわ」
肉棒を嬉しそうに触れる。気持ち悪い。
「さっさとお帰りを。私は疲れているので」
「ですから、その疲れを。昂る感情もご一緒に」
「……そういうことですか」
血を見たあとというのは、昂りやすい。そんな状態だと思われたのだ。
「必要ありません。昂りは一切ありませんので」
それだけ言って吟遊詩人は女たちを追い出した。あとで服を親父に頼んで持ってきてもらおう。
吟遊詩人はベッドに横になった。
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