7 / 120
晩御飯と、突然の帰宅
しおりを挟む
さてさて、今日のメニューはグラタン、ミネストローネ(花音リクエスト)に筑前煮と豚肉の生姜焼き(美夏リクエスト)です。
グラタン皿がなかったので慌てて買い足そうとしたら、園田さんに止められました。そのあとの買い物はずっと園田さんと一緒でしたとも。……お帰り願いたかったのですが「ならば本日お支払いはカードになさいますか?」ってにこやかにおっしゃるんですもん。……財布忘れた自分が恨めしいです。
お弁当用に冷凍しておくのもいいので、余った分はアルミカップに入れてます。
筑前煮と豚肉は明日のお弁当に入れてしまいましょう。
それにしても、キッチンが広いっていいですね。
下ごしらえがある程度同時進行で進められます。
まずはペンネを茹でるためのお湯を沸かして、干し椎茸もお湯で戻します。その間に豚肉を生姜ダレに漬け込みます。
これが終わったら、野菜を切っていきます。まずは、筑前煮から。野菜は一口大の乱切りに。筍は時間がなかったので水煮を購入してきました。灰汁抜きからしたかったんですが、仕方ないです。筑前煮に使う一部野菜も灰汁抜き必要ですから、水につけておきます。
水につけている間にミネストローネ用の野菜も細かく切って、終わったら筑前煮を作ります。次にミネストローネ。それが終わったらホワイトソースですね。
「相変わらず手際いいな」
美夏が感心していますが、私に手際よく作るコツを教えてくれたのは、あなたと花音のお母さんですよ? 今までこうやって女子会するときはどちらかのお家でやってましたし。お手伝いしながらコツを色々教えてもらいました。
最後にお肉を焼いて、盛り付けです。
「いただきま……」
三人で口をそろえて挨拶しようとしたら、扉がいきなり開きましたよ! びっくりです。
……って、帰ったはずの園田さんと、それから旦那様じゃないですか!!
「……お帰りなさい」
「ただいま戻りました」
どうやら旦那様、ご飯は召し上がってきたようです。園田さんにはだから言ったでしょうと視線を送っておきます。この方、私に関心ないんですから!!
「観賞用の顔だね」
「ってか、本当に関心なし? ツンデレとか、クーデレの可能性もあるんじゃない?」
そういうのが好きな花音が嬉しそうに言います。でもね、私はこんな風に思っちゃうわけですよ。
「花音さんや、そんなうすら面倒くさい属性要らん。三日で美形は飽きるって言うんだし、どうせなら一緒に稼ぎつつ穏やかに暮らせる人が一緒の方がいい」
これが私の考えです。
「さすが麻帆佳。枯れてやがる」
少し呆れて千夏が言います。
「叔父夫婦のような生活はごめんだし」
身の丈に合った生活が一番だと思うわけですよ。
「そりゃそうだ。ってかさ、うちのお母んが『いつでも家出してきなさいって伝えといて』ってメールを」
「それ、うちも」
千夏と花音がそんなことを言ってくれます。
二人のお母さんにはホント、足を向けて寝れません。そのご厚意ありがたくいただきます。使わないに越したことはないですが。
「お母んもおとんもさ、『兄貴と一緒になれば嫁姑なんて関係ないね』って言ってたのにね」
千夏のお母さんはそんなことを考えてくれていたのですか。
「千夏のお兄さんのお嫁さんは難易度が高すぎる」
「それ、私も思うわ。千夏のお母さんは料理上手すぎ。うちのお母さん、千夏のお母さんに料理のコツ教えてもらってるし」
私がそういう意味での拒否を示すと、花音が頷きます。ですがね花音さん、それ初耳ですよ。ってか、道理で似たレシピが多いと思っていたんですよ。
ブイヨンや天然酵母も手作りする、兼業主婦さんですからね。一体どこにそんな時間があるのかと、毎回思っていたりします。
千夏に言わせると、「休みの日に作り置き」だそうですが。素晴らしいです。
それはそうと、旦那様の態度です。千夏と花音も物申すって感じになってます。
「ツンデレ、クーデレがいいと思うのは、物語の中だけか」
花音の言葉に二人そろって頷きました。
グラタン皿がなかったので慌てて買い足そうとしたら、園田さんに止められました。そのあとの買い物はずっと園田さんと一緒でしたとも。……お帰り願いたかったのですが「ならば本日お支払いはカードになさいますか?」ってにこやかにおっしゃるんですもん。……財布忘れた自分が恨めしいです。
お弁当用に冷凍しておくのもいいので、余った分はアルミカップに入れてます。
筑前煮と豚肉は明日のお弁当に入れてしまいましょう。
それにしても、キッチンが広いっていいですね。
下ごしらえがある程度同時進行で進められます。
まずはペンネを茹でるためのお湯を沸かして、干し椎茸もお湯で戻します。その間に豚肉を生姜ダレに漬け込みます。
これが終わったら、野菜を切っていきます。まずは、筑前煮から。野菜は一口大の乱切りに。筍は時間がなかったので水煮を購入してきました。灰汁抜きからしたかったんですが、仕方ないです。筑前煮に使う一部野菜も灰汁抜き必要ですから、水につけておきます。
水につけている間にミネストローネ用の野菜も細かく切って、終わったら筑前煮を作ります。次にミネストローネ。それが終わったらホワイトソースですね。
「相変わらず手際いいな」
美夏が感心していますが、私に手際よく作るコツを教えてくれたのは、あなたと花音のお母さんですよ? 今までこうやって女子会するときはどちらかのお家でやってましたし。お手伝いしながらコツを色々教えてもらいました。
最後にお肉を焼いて、盛り付けです。
「いただきま……」
三人で口をそろえて挨拶しようとしたら、扉がいきなり開きましたよ! びっくりです。
……って、帰ったはずの園田さんと、それから旦那様じゃないですか!!
「……お帰りなさい」
「ただいま戻りました」
どうやら旦那様、ご飯は召し上がってきたようです。園田さんにはだから言ったでしょうと視線を送っておきます。この方、私に関心ないんですから!!
「観賞用の顔だね」
「ってか、本当に関心なし? ツンデレとか、クーデレの可能性もあるんじゃない?」
そういうのが好きな花音が嬉しそうに言います。でもね、私はこんな風に思っちゃうわけですよ。
「花音さんや、そんなうすら面倒くさい属性要らん。三日で美形は飽きるって言うんだし、どうせなら一緒に稼ぎつつ穏やかに暮らせる人が一緒の方がいい」
これが私の考えです。
「さすが麻帆佳。枯れてやがる」
少し呆れて千夏が言います。
「叔父夫婦のような生活はごめんだし」
身の丈に合った生活が一番だと思うわけですよ。
「そりゃそうだ。ってかさ、うちのお母んが『いつでも家出してきなさいって伝えといて』ってメールを」
「それ、うちも」
千夏と花音がそんなことを言ってくれます。
二人のお母さんにはホント、足を向けて寝れません。そのご厚意ありがたくいただきます。使わないに越したことはないですが。
「お母んもおとんもさ、『兄貴と一緒になれば嫁姑なんて関係ないね』って言ってたのにね」
千夏のお母さんはそんなことを考えてくれていたのですか。
「千夏のお兄さんのお嫁さんは難易度が高すぎる」
「それ、私も思うわ。千夏のお母さんは料理上手すぎ。うちのお母さん、千夏のお母さんに料理のコツ教えてもらってるし」
私がそういう意味での拒否を示すと、花音が頷きます。ですがね花音さん、それ初耳ですよ。ってか、道理で似たレシピが多いと思っていたんですよ。
ブイヨンや天然酵母も手作りする、兼業主婦さんですからね。一体どこにそんな時間があるのかと、毎回思っていたりします。
千夏に言わせると、「休みの日に作り置き」だそうですが。素晴らしいです。
それはそうと、旦那様の態度です。千夏と花音も物申すって感じになってます。
「ツンデレ、クーデレがいいと思うのは、物語の中だけか」
花音の言葉に二人そろって頷きました。
10
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
診察室の午後<菜の花の丘編>その1
スピカナ
恋愛
神的イケメン医師・北原春樹と、病弱で天才的なアーティストである妻・莉子。
そして二人を愛してしまったイケメン御曹司・浅田夏輝。
「菜の花クリニック」と「サテライトセンター」を舞台に、三人の愛と日常が描かれます。
時に泣けて、時に笑える――溺愛とBL要素を含む、ほのぼの愛の物語。
多くのスタッフの人生がここで楽しく花開いていきます。
この小説は「医師の兄が溺愛する病弱な義妹を毎日診察する甘~い愛の物語」の1000話以降の続編です。
※医学描写はすべて架空です。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる