達観した紫の上と、年上旦那様

実家訪問は楽しいです

　前回お会いした時は、行きつけの料亭でした。そんなわけで、初！　です。旦那様の実家訪問。
　……侮ってました。でか過ぎです。今私たちの住んでいるお部屋が何個入るんでしょ？　って感じですよ。
「マンションよりも多少広い程度です。そんなに固まらなくて大丈夫ですよ」
　これで多少・・ですか。そうですか。んなわきゃあるか！！　と一人心の中で突っ込みを入れてました。

　余談ですが、旦那様は四人兄弟で、上のお兄様方は三つ子だそうです。お義母様は娘が欲しくて再度妊娠頑張ったそうですが、産まれたのは旦那様。泣く泣く諦め、お嫁さんと仲良くするのが夢だったそうです。
「とは言っても、難しいのよねぇ。二人は海外勤務だし」
　お義母様は頬に手を当て困ったように言います。
　おや、お家を継がれたお兄様のお嫁様とはうまく行っていないのかと思ったら、構い倒し過ぎてうざいのだとか。お義母様の隣にいたお兄様のお嫁様、つまりはお義姉様ですが、お義母様の言葉に頷いております。
　……お義姉様！　笑顔が黒いです！　私生贄ですか！？
「うふふふ。十八歳なら、龍雅さんのお嫁さんじゃなく、うちのドラ息子のお嫁さんにしたかったわ」
　お義姉様、何故そんなことを言うんですか！　謹んでご遠慮申し上げますーー。肉食系女性とはかかわりあいたくないです。
「明日の日中は二人で出かけますので。それから、麻帆佳さんはアルバイトをしているのでほとんど家にいないかと」
「何ですってぇぇぇ！？」
　お義母様とお義姉様の声が見事にはもりました。

　いや、旦那様を責めないでくださいな。私がしたくてバイトはしているんですから！　旦那様は甲斐性なしではないです！　断じてそれだけは訂正いたします！
　凄い勢いで旦那様に説教しだしたお義母様とお義姉様にそれだけは伝えました。……伝わっているか甚だ疑問ですが。

　そんな洗礼を受けたり、お酒を勧められたり（旦那様がすぐさま断ってくれました）しながらの食事は、私が忘れていた団欒というものを思い出させるものでした。

　こんな私でも受け入ててくれる方がいるというのは、嬉しいものです。

　そんなわけで、旦那様放置の上、お義母様とお義姉様と女子トークをしながら夜、一緒の部屋で寝ることにしました。

　若干、旦那様が不機嫌そうでしたが気のせいですね。お兄様やお義父様、甥御様と一緒に何やらなさっていたようですし。

　お義母様とお義姉様と一緒に買い物行く約束が出来ました！　すっごく嬉しいです！