達観した紫の上と、年上旦那様

距離の近づく猛暑日和

旦那様流お仕置きについて

　だ……旦那様！？　明日私登校日ですよ！！　お願いですから勘弁してください。ただでさえ初めての旅行で疲れてるんです！
「麻帆佳、大丈夫。明日は学校まで送っていくよ。何なら迎えも」
「何ふざけたこと言ってるんですか！！　旦那様も明日お仕事……」
「私の名前は『旦那様』じゃないって何度言えばわかるのかな」
「ひゃぁん！！」
　いきなり乳首抓まないでください！　変な声が出ちゃうじゃないですか。
「麻帆佳、こんなところでそんなに大きな声を出したら、外に聞こえるよ」
「じゃ……やめっ……あっ」
　胸を揉んでいなかった方の手をショーツの中に入れてきましたよ！　このヒト。
「ここでそんな大きな声出したい？」
　旦那様がやめてくれれば、もんだいないでしょーー！？
「旦那様、やめっ……ひゃぁん！」
「触っているだけなのに、クリトリスが大きくなってきたよ」
　なんつうことを玄関先で言うんですかーー！
「まだだいぶ余裕あるみたいだね。どうする？」
「やめてって……旦那さ……あぁぁっ」
「私の名前をきちんと・・・・呼ばないと、ここでいかせちゃうよ」
「だ……だめっ！」
　本気で止める気がないようです。耳朶をわざと音をたてて舐めるし、指も挿れてきます。
「あっ……だめぇぇ」
　……え？　頭が真っ白になりそうなところで、急に指の動きを止めたのです。
「配慮はするけど、遠慮はしない。名前で呼んでくれるまで、ここで弄るし、麻帆佳の望み通りになんてしない」
　そう言うなり、また弄り始めました。

　その指の動きが、もどかしくて、思わず旦那様の肩をつかみました。
「あっ……あぁっ……おねがっ」
「麻帆佳はいきたいの？　止めて欲しいの？」
　耳朶を舐めながら、旦那様が囁きました。……いく、というのがどんなものかまだよく分かりませんが、このままでは駄目なことだけは分かります。

　ここでいくのも勘弁ですが、この状態も勘弁です！　そう言えればいいのですが、旦那様の指の動きはそれを許してくれません。
　どうしたらいいかわからないでいるうちに、旦那様が囁きました。名前を呼んで、と。
「り……龍雅さんっ！」
　何も考えられなくて、思わず旦那様の名前を叫んでいました。
「よくできました」
「あぁぁぁぁっ！」
　指に力を入れられ、すぐに頭が真っ白になりました。


　それが「いく」という感覚だと旦那様に教えられ、そのまま旦那様の寝室へ連行されました。
「次に私のことを『旦那様』って呼んだら、どこでだろうが今以上のお仕置きをするからね。覚えていて」
　ギラギラした旦那様の目を見て、私は頷くことしか出来ませんでした。