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人肌恋しくなる冬模様
妊娠、ということ
しおりを挟むクリスマスの後にこちらに来たということもあり、あっという間に新年です。
「次はクリスマス前に来てくれ。リューガは来なくていいが」
なんてお祖父様からご招待を受けました。私何をしましたっけ? 拙い英語で必死にコミュニケーション取ってるだけですよ!?
「私と麻帆佳はセットですが」
なんて言って応酬していたそうですが。その辺りはあとから明日さんに聞きました。
会話だけは少し聞き取れるようになったところで帰国と相成りました。
で、ロードリックさんと恵美香さんは一応アメリカにお帰りになるそうで。
「困ったな」
東輝さん、如何なさいました?
「これじゃせっかく鍛えた麻帆佳の英語力が下がる」
……えーーっと?
何が言いたいのかさっぱり分かりませんがな。
「大丈夫よ。休み明けから麻帆佳ちゃんたちは自由登校だし。知り合いに頼んで鍛えてもらうから」
「ならいいか」
何が!? 明日さんと東輝さんで納得しないでください!
帰国後、私達に英語教師がつくことになりました。
英語教師がついたこと以外、ほとんど変わりません。
私はいつの間にか受験しないことになってました。……まぁ、アメリカに行くのだから当然といえば当然ですが。
アメリカに行った後、あちらで大学受験の勉強になりそうです。
その横で千夏と花音は頑張って受験勉強中です。講師はいちごさんと大志さん。
「厳原の都合でしばらく学校行けなかったんだし、これくらいはね」
とのことです。その辺りはお義兄様とお義姉様からも同じことを聞きました。
ちなみに。
現在厳原家はマスコミに叩かれております。あの老爺を野放しにした時点でそれは仕方のないことなのですが。
「多分しぶとく生きるから問題ないわ」
なんておっしゃったのは明日さん。気づいたら高部さんも厳原を辞めたそうで、気づいたら立ち上げスタッフに名を連ねておりました。
千夏のご両親は別の企業にきっちり再就職を果たし、私達がアメリカに行った後このフロアを管理してくれることになりました。花音宅は、花屋さんを再度営業しております。
克人さんと風吹さんは年明けに結婚し、日本で働く所存のよう。
前にも増して二人でいる時は克人さんがべったりと風吹さんにくっついております。
「鬱陶しいわ!!」
「だって風吹姉、妊娠してるんだから、俺心配なの!!」
という会話がなされており平和です。
……妊娠、ですか。
今のところその兆候は見当たりませんが、少しばかり不安が残ります。
「麻帆佳、どうした?」
「いえ、何でもないです」
こればかりはどうしようもないですね。
「そんな不安げな顔で『何でもない』って言われて信じるほど、私は落ちぶれていないんだけど」
うーーん旦那様に言っていいのかすら、いまいちわからないのですが。
「……いえ、ですね。妊娠していたらどうしようと思っただけです」
「あーー」
意を決して言えば、旦那様も少し困った顔を。
「何だろうね。嬉しいんだけど、その場合はアメリカ行きを遅らせる方がいいな」
「え!?」
妊娠がいや、とかではなくどうやらそちらで困っていたようです。
「アメリカだと全額自費だからね。日本のように補助がない。それに出産後すぐ退院。そこを顧みると、日本で産んだ方がいいと思うんだよね」
なるほど。それで言葉を濁したわけですか。
何年とアメリカに住んでいるのなら、それでもいいそうですが、さすがに行ってすぐはきつかろうとのこと。
そこまで考えてくださってありがとうございます!
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医療関係は、又聞きです。ただ、アメリカはすべて医療関連は自費(公的保険なし)というのは事実のようです。なので民間の医療保険に加入し、それですべてを賄うというのが当たり前のお国柄なんだそうです。
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