達観した紫の上と、年上旦那様

人肌恋しくなる冬模様

皆で食べるのは美味しいです

　お土産を皆様に渡したら、なんだかすごく呆れられました。
「水族館のお土産に海産物……」
　なんか違う、と花音はぼやいておりますが、水族館まで行きつくことがなかったと伝えれば、珍しく旦那様に同情的に。
「初デートが海産の直売所か。麻帆佳らしいけど」
「どうせだからイカキムチ作りましょう！　麻帆佳ちゃん手伝って！！」
「はいっ」
千夏の言葉もスルーして千夏のお母さんと一緒にイカキムチ作っちゃいます。
「鮃は風吹ちゃんのご飯のお供にしましょ」
「ですね～～」
　淡白ですし、食べやすいかと思われます。

　料理をしない成人男女は既に宴会です。旦那様がカラスミとか色々買ってきましたしね。あ、克人さんは飲んでない。
「風吹姉が悪阻で苦しんでいるのに、飲めない」
　健気ですねぇ。そんな克人さんにお願いして寝ている風吹さんにご飯を持っていってもらうことに。
　母‘ズが色々考えた悪阻用食事です。風吹さんも「これなら食べられる！」と喜んでおります。

「龍雅君、東輝にカラスミ買ってきたの！？」
「海外発送お断りだった」
「ちっ。使えん」
　東輝さんの好物なのかと思ったら、恵美香さんの好物だそうです。海沿いで育ったため、ホヤとかも好きなんだとか。しかも酒豪とのこと。今度お酒でも贈りましょう。
「でも、ここの美味しいわ。場所教えなさい」
　あ、それでお店の名前とか色々調べていたんですね。

　千夏や花音、高部さんのお子さんは別テーブルでバーベキューもどきをやっております。
「こういうのなら、なんとかできるから」
　そうおっしゃっていたのは高部さんの奥様。普段高部さんが料理して、子供も見てくれる分、こういう時は奥様の役割なのだとか。
　素晴らしい分業です。
「私の場合、親にも頼っているんだけどね」
　いいと思いますよ？

　ちなみにそんな高部さん。飲みの席でも海鮮類を焼いているのですが、そちらの番もなさっておいでです。
「こいつらに焼かせて、食い時逃すのが嫌だ」
　さいですか。
　主夫を舐めてはいけないようです。皆様の皿にきちんと取り分けられております。

　さて、料理も終わったので、私もあちらの席に混ざって美味しくいただきます！