VRMMOで最弱の俺は魔王を仲間にした。

松村レイ

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第3章 魔界遊戯編

第20話 魔界に来てみた!

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「テレポート・極」

ベルが呪文を唱えたその次の瞬間、目の前には街が広がっていた。

「こ、ここが魔界?」

まるで、繁華街都市「シャウラ」のような賑わい。

そこら中から立ち込める食べ物の香り。

見るものを飽きさせないような屋台の数々。

唯一、いやわかっていたことだが、どこをみてもモンスター、モンスター。

「魔界ってこんな賑わっているのか?」

「魔界をなんだと思っていたんだ?まさかマグマ煮えたぎるような熱い場所?とかに思っていたならそれは今訂正しておいてくれ。実際のところの魔界は俺の父サタンによって開拓されているんだ」

「魔界って名前は物騒だけど、結構マシなところなのねー」

カタナがいらない一言を言う。

屋台を覗いてみると、結構な高級食材があったり、「スタートタウン」では見たことのないものが多々見えた。

改めて自分はあの街に固執していたことに少し嫌気が差した。

「あんた達、あまり離れると誘拐されて、木っ端微塵にされて、鍋で煮込まれるわよ」

見た目に似合わず恐ろしいことを真顔で平然と言ってのける少女の姿がそこにあった。

リリスは無邪気な子供を見るかのような目でこちらを覗いていた。

「悪い悪い。スタートタウン以外の場所に行ったことがなかったもので‥。で、これからどこに行くんだ?」

「これから向かうのは。お前らの最終目的場所だ」

ーーーーーー魔王城早速行っちゃうの?いや、分かっていたけど今となると少し緊張してきた。てか、あまりのことの展開の速さにセーブ忘れてたわ。

隣のカタナは街の賑わいに飲まれていた。

「あの、ちょっとトイレ行っていいですか?」

このままじゃ漏らすのも時間の問題だった。

「ふん。城で漏らされたらたまったもんじゃないわよ。そこの角を右に行って直進した先に公衆トイレがあるわ」

「あ、ありがと」

その場を逃げるようにして去ってリリスに言われるがままにまっすぐトイレに向かった。

「お久しぶりです」

どこからか聞き覚えのある声がした。

「下です下!」

「下?」

頭は下に90度曲げるとそこには角の生えた女の子が立っていた。

しかし角の生えたということについてはここでは何の不自然さもない。

「私のこと覚えてます?」

頭の中を即回転させて、記憶という記憶を次々に掘り起こしていく。

「遅い。どうやら覚えていないようですね。あなたが修行をしていると‥」

「そうだ、思い出した。俺がの修行を一人でしていると時にすぐ消えちゃった子だ!」

「ほぼ私が答え言ってるけど‥。まぁ、そうです。そうだ!自己紹介が遅れていました。私の名はケレスと申します。」

「俺の名はハルだ」

「ハルさん。」

「春雨みたいに言うな。で、俺に何か用があるように見えるが?」

「はい。少しばかりこの世界のとハルさんのコトについてお話ししておこうかと」
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