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第3章 魔界遊戯編
第21話 真実
しおりを挟む「真実って‥何だよ。俺が知らない何かがあるのかよ。急に現れたり、消えたり」
「その答えを一番知っているのはあなたではないですか?ハルさん。」
「春雨みたいに言うなよ‥」
ケレスの発言に戸惑いが生じた。
ベルのことか?
確かに魔王が最弱のプレイヤーの俺と一緒にいることはおかしい。
それともあかさたのことか?
まさか、カタナ?
考えれば考えるほど頭の中を疑問の波が押し寄せてきた。
「何だよ、ケレス。教えてくれ。こんな感じじゃ夜も寝れねぇよ」
「まずはそれじゃあ‥」
「おい。ハル。いつまでトイレに‥ってケレス。何であんたがいるんだよ」
あまりのトイレの遅さに痺れを切らしたリリスがこちらに向かってきた。
「ケレス。お前は魔王軍を破門されたはず。そんなお前がここにいて言い訳がないだろ」
「リリス。あんたまだ魔王軍なんかにいたのですか。ベル様もいるようだし、武が悪いですね。また会いましょう、ハルさん」
ケレスはそう言い残して姿を消した。
「リリスさん。ケレスって誰なんですか?」
「ケレスは私の妹よ。大罪を起こして魔王軍を破門されたやつよ」
「ふーん」
ベル達も心配してこちらに走ってきた。
「何かあったのか、ハル!」
ベルも心配そうな顔でこちらを見ていた。
「いや、何でもありません。さっさと魔王城にいきましょう」
「そ、そ、そ、そうだよ。何もなかったよ、さぁ、行こうか」
リリスに二の腕を摘まれた。
「痛!」
俺は嘘が下手なようだ。
しかし、ケレスが話した「真実」というのがどうにも頭から離れない。
繁華街を抜け、辺りは開けてきた。
少し歩くと渓谷のような地形が見えた。
「そろそろ着きますよ」
「懐かしいな、俺の家」
家って、ただの城にしか見えないけど‥
城へは橋がかかっていた。
どうやら城に行くためにはこの橋を渡るしかないようだ。
「痛い!」
カタナが悲鳴を上げた。
「どうした!カタナ!魔物に襲われたか!」
「なんか透明な壁がある!ここ」
カタナがパントマイムのように空気中を確かに壁があるかのように拳で叩いていた。
「そうだ、城に入るための結界をとることを忘れてたわ。悪いわね」
「え?でも俺ここだけど?」
皆の視線が一斉にこっちを向いた。
カタナがいて、ベル、リリス、そして俺。
「全く!恐らく結界がしっかりとはれていなかったのだろう。人間族が易々とこの地に足を踏み入れていいわけがない。」
呆れた顔のリリスが結界を解き、いよいよカタナ、ベル、ハルはリリスに連れられるが如く城の門の前に立った。
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