『ハイコウミッション月遊録』「SF落語」ライプレ劇場編①

蟻井草也

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起の章

募集お題「鉄柱」「宇宙人」「ダンボ」

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「もしもし~! パイセン~? パイセンですか~?」
「なんや? 久しぶりに連絡してきたかと思えば、そんな呼び方して? お前がそんな呼び方する時は何か良からぬ頼み事がある時やから、切るで!」
「そ、そ、そんな~。切ったらあか~ん~♪ 切ったらあか~ん~♪ お願い!」
「しゃあないなぁ~。なんや? 言うてみてみ?」
「さすがパイセン! よっ! 宇宙一!」
「ベンチャラはええから、用件を言わんかいな?」
「あっ、そうそう! 月旅行へ一緒に行ってほしいんです~。宇宙港の針千本広場で待ち合わせて、理由はその時に話しますんで!」
「どうせロクな理由やないんやろけども、お前は迷惑な奴やけど旅のお供には面白い奴やからな~? よっしゃ、ええで~! ふたりで月旅行しよやないか?」
「ありがとうございます~。パイセン~、大好き♡」
「気持ち悪いやっちゃな~」

「ここや、ここや! あいつが立体画像電話で言うてた針千本広場いうのは。しかし、針千本って何の事やと思てたけども、たくさんの大きな鉄柱が突き刺さってる巨大モニュメントの事やったんやな~? で、あいつは来てるかなっと?」
「パイセン! パイセン! こっち、こっち! こっちに来ないと、パイセンって呼び名は先輩をひっくり返しただけと違ってオッパイ専門のエロい奴って意味だって事実を大声で叫びますよ~!」
「こら、こら! 何を言うてんねん。しかも、そんな針千本鉄柱の奥に身をひそめてからに。どうしたんや?」
「パイセン、こっちへ! さもないと…」
「わかった、わかった! よっしゃ来たでハイコウ!」
「ハイコウって何ですか?」
「いやな! お前がパイセンって呼ぶから俺も後輩をひっくり返してハイコウって呼ぶ事にしたんや」
「でも、パイセンの意味は、オッパイが…」
「いや、いや! それはもうええから。それより、こんな所でコソコソしてるのはなんでやねん? 言うてみてみ?」
「まずは、これを見て下さいよ」と言いながらハイコウがカバンから取り出したのは両手の平大の黒い石。
「なんや? この黒い石は?」
「宇宙人の落し物だと僕は思ってます」
「宇宙人の落し物? なんで、そう思うんや?」
「とにかく、さわってみて下さいよ」
「さわんのかいな? なんか怖いな?」と言いながら恐る恐る黒い石に触れるパイセン。
ダン…ダン…ダン…ダンボ! ダン…ダン…ダンボッ! ダン…ダン…ダンボッ!………
「うわっ! な、な、なんやこれ? ダンダンいうてるで~? しかもボッってなった時に熱くなったで~? どないしてん? こんなもん!」
そのパイセンの狼狽ぶりにニンマリしながらハイコウがいきさつを語り始めます。
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