3 / 21
三
しおりを挟む「んっ、んぐ…」
初めてする行為に辛くて涙が溢れては零れていく。
それでも必死に舐める。
そんな俺を成海は優しい手つきで頭を撫でてきた。
何でそんなことすんだよ…。
優しくしてんじゃねぇよ…くそ。
そのとき、前触れもなく先から精液がドバっと口に溢れた。
「んぶぁ…ゲホゲホ…!うっ…ぇ」
「ちっ…出すなよ…」
と言いながらも頭を撫でる手は優しいままで。
なんなのこいつ…。
精液で汚れた口を拭ってくれた。
「出ろ」
トイレから出て解放されたことに安堵する。
「お前、ケータイ貸せ…」
無言で貸し出せば、勝手に操作され、アドレスを登録された。
「明日…それで呼び出すから…来いよ」
「嫌だ」
「来い」
「…分かったよ」
俺はコンビニに行くのも失せ、すぐ家に帰った。
枕に顔を埋めれば、堪えてた涙が出てきて気が済むまで泣き続けた。
※ ※ ※
「カズ。大丈夫か?」
「ん、大丈夫」
「そんな感じしねぇけど」
「大丈夫だから」
泣き疲れて目が腫れた。
俺はケータイが鳴るのが怖かった。
女の子たちといることにも気が引けて今日はずっとシオといる。
そんな俺が珍しかったんだろう。
シオを安心させるため笑った。
そんなときにケータイは鳴る。
肩が震えた。
「俺、ちょっと行ってくるわ」
準備教室ばかりで人が来ない校舎のトイレに行くと、ケータイをいじる成海がいた。
「なに、泣いたの」
俺の顔を見ていったんだろう。
俺はわかってるくせにと顔を逸らす。
「ふーん…じゃ、今日は手でいいよ」
個室で手を捕まれ性器に持っていかれた。
思わず、それを触ってしまう。
びっくりして手を離す。
「いいからやれ」
そのまま、握って上下に動かす。
俺が下手なのか、こいつが遅いのか、果てるのに時間をすごく使い、俺の手は痺れてしまった。
「なさけねぇ」
言われたその言葉は聞こえず、また泣いてしまう。
「ひっく…うぅ」
「…泣き虫かよ。悪かった。明日はお前も気持ちよくしてやる」
「い、いらないっ…」
「ちっ…」
それ以上、成海は何も言って来なかった。
逆に目に溜まった涙を吸った。
目元に、額に、キスを落す。
0
あなたにおすすめの小説
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式の話
八億児
BL
架空の国と儀式の、真面目騎士×どスケベビッチ王。
古代アイルランドには臣下が王の乳首を吸って服従の意を示す儀式があったそうで、それはよいものだと思いましたので古代アイルランドとは特に関係なく王の乳首を吸ってもらいました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる