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レモンティー
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レモンティーで、お願いします。
私はカフェのオーナーにレモンティーを頼んだ。
砂糖は三分の一を自分で入れる。
このカフェは見つけようと思っても見つけることができないカフェだ。
ふっと目の前に現れる、幻のカフェ。
有名だが、本当に名の通り幻なのでお店に入った人の話はまだ少ない。
インターネットではこのお店に入るのにいろんな情報が出回ってるがどれもこれも信憑性がない。
本当に入ったという人は自慢げにどんなお店だったかを話すが、そんなところじゃないよという新しい声も出てきて結局は分からなくなる。
……だが!
そんなお店に私は入ることができた。
なんで入ることができたのかは本当に謎で、気がつくと店の前にいた。
最初は戸惑ったが色々あり精神的にきてたのでゆっくりしようと思って入ってみた。
なぜこのカフェが幻のカフェだってわかったかだって?
それは、幻のカフェの噂には1つだけブレない情報がある。
それは
このカフェのオーナーが言う最初のセリフだ。
「今日のお客様はあなたでございますね」
このセリフだけは絶対に言われると言う。
私はそれを聞き逃さなかった。
レモンティーの中に入っている氷をストローでクルクルと回す。
オーナーはニコニコしながら私が話すのを待っている。
私は話し始めた。
「あの、オーナーさんもどうぞ座ってください。」
「…おや、いいのですか?
ありがとうございます。
では、座らせていただきますね。
……お客様も、お飲み物をどうぞおのみになってください。
レモンティーのレモンの香りと甘酸っぱい味をどうぞ楽しんでくださいね。」
そう言われ、このレモンティーを飲みたくなり一口飲んで見る。
「わぁ、美味しいですね!
他のと少し違う気がします…。」
「ふふ、ありがとうございます。
秘密の隠し味を入れていますからね。
ところで、話したいこととは…?」
「あぁ…。
私は昨日振られてしまいまして…。
3年も一緒に付き合ってたのに…。
急に…。
相手は会社の先輩で、入社してきて何もかも初めてで不安でしょうがなかったときに声をかけてもらってたんです。
色々なことを真剣に教えてくれて、分からないといえばわかるまで何度もなんども教えてくれて、失敗しても次があるからと言ってくれる優しい人でした。
会社に慣れてきたら彼とも話す機会はへったんですけど、それでもたまに最近どう?って聞いてきてくれたりして…。
そんなある日、彼にご飯に誘われたんです。初めはなんで私?って戸惑ったんですけど、いつもみたいに仕事話でもするのかなと思っていたら食事が終わった後に告白されて…。
私は正直気持ちがなかったから断ったんですが…。それでも彼は諦めずに何度も何度も告白してきてくれました。
告白されて彼のことが気になり始めた私は、告白されるたびに彼のことを好きになっていきました。
そして、何回目かの告白で私はOKを出しました。
彼はすごく喜んでくれて、私を抱きしめてありがとう、と叫ぶように言いました。
それから、本当に楽しかったんです。辛いことや喧嘩したこともありました。ですが、お互いが話し合いさらに仲良くなって日々を過ごしてきました。
付き合って一年と半年くらいが過ぎたあたりから、彼は少し変わりました。
…えぇ?あぁ、いい方に、です。
どんな風にかと言うと、私はドライブが好きなんです。それを知っていた彼は休みや連休で外に連れ出してくれるようになりました。
それまでいかなかった旅行にも連れて行ってもらえるように…。
旅行にはたくさんの場所に連れて行ってもらいました。
綺麗な景色が見れるところ、2人で遊べるところ、ゆっくりできるところなど…
仕事で疲れてる、と伝えれば少し残念そうでしたが優しく頭を撫でてくれて、じゃぁ次にしようって言ってくれて。
…、そういえば、1つだけしなくなったことがあります。
写真を撮らなくなりました。
それまでは2人でよく写真を撮っていたのですが、彼は変わってから写真を撮ろうとしてもうまく言い訳して逃げるようになったんです。
でも、それだけだったし別にいいかと思っていました。
さらに半年たち彼はよく咳をするようになりました。
流石にやばいと思った私は彼に病院に行くように言いました。
彼は、せっかく2人一緒に休みなのに、今度1人で休みになった時に行くよと言い、一緒にはいかせてもらえませんでした。
後日彼は私にちょっと喉の様子が変だったみたい、と言ってきましたが、薬を飲めば治る程度だと聞いたのでそこまで心配はしませんでした。
その後から彼は咳をするのは減ったんですが、今度は旅行にあんまり連れて行ってくれなくなりました。
ちょうどその頃彼は忙しく、新しく入ってきた子に教えなければならないことが沢山あり、よく残業をしていたのでしょうがないと思います。すごく彼は大変そうでした…
人のものも手伝い、人に教え、自分のこともする。
彼の周りには沢山の人がいたので…。もちろん私も彼の手伝いはしましたが、簡単な仕事しか任せてもらえませんでした。
それが終わったら帰っていいよって言って優しく微笑んでくれたり…。
そんな忙しい日々から気がつけばまた半年ほど過ぎていました。
そんな時期になるとどんどん落ち着いて彼にも余裕が出てきました。
仕事も教えることも少なくなりまた2人で遊びに行くことが増えました。でも、宿泊先でも遊びに行った先でも彼は写真を撮ることはありませんでした。
楽しい思い出が増え、私たちは本当に幸せだったと思います。
私が彼に色んなところに連れて行ってもらってるお礼に色んなことを彼にしました。
サプライズプレゼントをしたら泣くほど喜んでくれて、私が疲れてる彼にマッサージしてあげたり、彼が見たがっていた映画をこっそり予約したり…。
でも、なぜか彼はどんどん私に背中を向けるようになりました。
遊ぼうって誘っても、ごめん今日は…というのが増えたんです。
最初は疲れてるからしょうがない、また今度!って思ってたんですが、あまりにも彼は誘いに乗ってきてくれません。
元気を出してもらおうと彼に色々なことをしたんですがそれもダメで…。
そして昨日、、ついに別れてしまって…。
彼は今日、仕事場にも来なくなっていました。」
気がつくと私は泣いていました。いつ飲んだのか、レモンティーももう残り少なくなっていました。
オーナーは静かに話を聞いてくれて、とてもすっきりしました。
「そんなことがありましたか…。」
「私が何か悪いことをしてしまったのかもしれませんが…、別れる時、私の話を聞いてくれなかったんです…。彼が一方的に話して、最後にごめんって…。」
「…そうですか…。
………私の話を、少しだけ聞いてくれはしませんか…?
いや、私の話と言っても私も人から聞いた話なんですが…。」
「…?
はい、大丈夫です。
聞いてくださったお礼に…」
「では、この話は、ある男性のお話です。
彼は三ヶ月ほど前にここに訪れ、私に話を聞いてくれるように頼みました。
彼はーーーーー。」
nextオーナーの話
私はカフェのオーナーにレモンティーを頼んだ。
砂糖は三分の一を自分で入れる。
このカフェは見つけようと思っても見つけることができないカフェだ。
ふっと目の前に現れる、幻のカフェ。
有名だが、本当に名の通り幻なのでお店に入った人の話はまだ少ない。
インターネットではこのお店に入るのにいろんな情報が出回ってるがどれもこれも信憑性がない。
本当に入ったという人は自慢げにどんなお店だったかを話すが、そんなところじゃないよという新しい声も出てきて結局は分からなくなる。
……だが!
そんなお店に私は入ることができた。
なんで入ることができたのかは本当に謎で、気がつくと店の前にいた。
最初は戸惑ったが色々あり精神的にきてたのでゆっくりしようと思って入ってみた。
なぜこのカフェが幻のカフェだってわかったかだって?
それは、幻のカフェの噂には1つだけブレない情報がある。
それは
このカフェのオーナーが言う最初のセリフだ。
「今日のお客様はあなたでございますね」
このセリフだけは絶対に言われると言う。
私はそれを聞き逃さなかった。
レモンティーの中に入っている氷をストローでクルクルと回す。
オーナーはニコニコしながら私が話すのを待っている。
私は話し始めた。
「あの、オーナーさんもどうぞ座ってください。」
「…おや、いいのですか?
ありがとうございます。
では、座らせていただきますね。
……お客様も、お飲み物をどうぞおのみになってください。
レモンティーのレモンの香りと甘酸っぱい味をどうぞ楽しんでくださいね。」
そう言われ、このレモンティーを飲みたくなり一口飲んで見る。
「わぁ、美味しいですね!
他のと少し違う気がします…。」
「ふふ、ありがとうございます。
秘密の隠し味を入れていますからね。
ところで、話したいこととは…?」
「あぁ…。
私は昨日振られてしまいまして…。
3年も一緒に付き合ってたのに…。
急に…。
相手は会社の先輩で、入社してきて何もかも初めてで不安でしょうがなかったときに声をかけてもらってたんです。
色々なことを真剣に教えてくれて、分からないといえばわかるまで何度もなんども教えてくれて、失敗しても次があるからと言ってくれる優しい人でした。
会社に慣れてきたら彼とも話す機会はへったんですけど、それでもたまに最近どう?って聞いてきてくれたりして…。
そんなある日、彼にご飯に誘われたんです。初めはなんで私?って戸惑ったんですけど、いつもみたいに仕事話でもするのかなと思っていたら食事が終わった後に告白されて…。
私は正直気持ちがなかったから断ったんですが…。それでも彼は諦めずに何度も何度も告白してきてくれました。
告白されて彼のことが気になり始めた私は、告白されるたびに彼のことを好きになっていきました。
そして、何回目かの告白で私はOKを出しました。
彼はすごく喜んでくれて、私を抱きしめてありがとう、と叫ぶように言いました。
それから、本当に楽しかったんです。辛いことや喧嘩したこともありました。ですが、お互いが話し合いさらに仲良くなって日々を過ごしてきました。
付き合って一年と半年くらいが過ぎたあたりから、彼は少し変わりました。
…えぇ?あぁ、いい方に、です。
どんな風にかと言うと、私はドライブが好きなんです。それを知っていた彼は休みや連休で外に連れ出してくれるようになりました。
それまでいかなかった旅行にも連れて行ってもらえるように…。
旅行にはたくさんの場所に連れて行ってもらいました。
綺麗な景色が見れるところ、2人で遊べるところ、ゆっくりできるところなど…
仕事で疲れてる、と伝えれば少し残念そうでしたが優しく頭を撫でてくれて、じゃぁ次にしようって言ってくれて。
…、そういえば、1つだけしなくなったことがあります。
写真を撮らなくなりました。
それまでは2人でよく写真を撮っていたのですが、彼は変わってから写真を撮ろうとしてもうまく言い訳して逃げるようになったんです。
でも、それだけだったし別にいいかと思っていました。
さらに半年たち彼はよく咳をするようになりました。
流石にやばいと思った私は彼に病院に行くように言いました。
彼は、せっかく2人一緒に休みなのに、今度1人で休みになった時に行くよと言い、一緒にはいかせてもらえませんでした。
後日彼は私にちょっと喉の様子が変だったみたい、と言ってきましたが、薬を飲めば治る程度だと聞いたのでそこまで心配はしませんでした。
その後から彼は咳をするのは減ったんですが、今度は旅行にあんまり連れて行ってくれなくなりました。
ちょうどその頃彼は忙しく、新しく入ってきた子に教えなければならないことが沢山あり、よく残業をしていたのでしょうがないと思います。すごく彼は大変そうでした…
人のものも手伝い、人に教え、自分のこともする。
彼の周りには沢山の人がいたので…。もちろん私も彼の手伝いはしましたが、簡単な仕事しか任せてもらえませんでした。
それが終わったら帰っていいよって言って優しく微笑んでくれたり…。
そんな忙しい日々から気がつけばまた半年ほど過ぎていました。
そんな時期になるとどんどん落ち着いて彼にも余裕が出てきました。
仕事も教えることも少なくなりまた2人で遊びに行くことが増えました。でも、宿泊先でも遊びに行った先でも彼は写真を撮ることはありませんでした。
楽しい思い出が増え、私たちは本当に幸せだったと思います。
私が彼に色んなところに連れて行ってもらってるお礼に色んなことを彼にしました。
サプライズプレゼントをしたら泣くほど喜んでくれて、私が疲れてる彼にマッサージしてあげたり、彼が見たがっていた映画をこっそり予約したり…。
でも、なぜか彼はどんどん私に背中を向けるようになりました。
遊ぼうって誘っても、ごめん今日は…というのが増えたんです。
最初は疲れてるからしょうがない、また今度!って思ってたんですが、あまりにも彼は誘いに乗ってきてくれません。
元気を出してもらおうと彼に色々なことをしたんですがそれもダメで…。
そして昨日、、ついに別れてしまって…。
彼は今日、仕事場にも来なくなっていました。」
気がつくと私は泣いていました。いつ飲んだのか、レモンティーももう残り少なくなっていました。
オーナーは静かに話を聞いてくれて、とてもすっきりしました。
「そんなことがありましたか…。」
「私が何か悪いことをしてしまったのかもしれませんが…、別れる時、私の話を聞いてくれなかったんです…。彼が一方的に話して、最後にごめんって…。」
「…そうですか…。
………私の話を、少しだけ聞いてくれはしませんか…?
いや、私の話と言っても私も人から聞いた話なんですが…。」
「…?
はい、大丈夫です。
聞いてくださったお礼に…」
「では、この話は、ある男性のお話です。
彼は三ヶ月ほど前にここに訪れ、私に話を聞いてくれるように頼みました。
彼はーーーーー。」
nextオーナーの話
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