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閉じこもる
しおりを挟む技術の進歩が進み、あらゆる建築を作れるようになった時代の世界。
あるサービスがあった。
それは、自分だけの世界。引きこもり専用の建物だ。
元は宇宙船での生活に関する技術を地球上でも応用してサービスを出そうとしたのがきっかけだった。
その建物の中は、外部から最低限の食料や水、ネット回線以外は誰も侵入できないのである。
それは徹底的であり、人や動物はもちろん、病原菌や虫ですら侵入することができないのだ。
さらに内部は完全に清潔な状態がナノマシンやロボによって保たれている。
ラインニングマシンなどが完備したものは運動不足に悩む必要もないため、快適に引きこもることができたのだ。
家賃も安かったので人気があった。
個人用、家族用、あるいは集団用など。他人を排斥する時代だった故に、その人気も高かった。特にリストラされたサラリーマンや老後の夫婦などがお金のために引きこもることが多かった。
そして、、ついには多くの住人をその巨大な町一つ入る程度の建物に入れることになってしまった。
理由は当時世界に蔓延する病原菌によるものだった。
空気感染ゆえに、多くの者をその脅威から守らなくてはならないゆえに、世界中で引きこもりの町が生まれたのだ。
それによって、一つのコロニーと呼ぶものが大量に表れるようになっていった。生まれてから一度もその外に出たこともないものも多かった。
外に出る専門の職業などもいたが、外の世界は人の手が入らなくなっていき、次第に猛獣や得体のしれない生物も増えていった。木々も大量にありまさに未開の地といったところだった。
いつしか外の世界はあまり意識されないようになり、人々はその建物の内側だけで満足していた。
そして、ある時病原菌がまたその建物の中に発生したのだ。
故に、人々はまたさらにその内側にまた建物を作り、隔離することになった。その建物は広大ゆえに、隔離して手放す地区があったとしてもまだまだ十分な広さがあったのだ。
そうやって、いくつも入れ子上に建物を作り、また外側に向けて増築を繰り返していった結果、世界には建物が際限なく増えていき、森と建物が支配する世界になっていったのだ。
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