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第一話 最強ブレイドマスターと一匹の妖精さん
しおりを挟む俺は最強のブレイドマスターのクロキ。
もう一度言おう俺は、最強のブレイドマスターだ。
俺は今、この世に存在するダンジョン第百階層のボスに一人で挑んでいる。
俺の周りには死体だらけだ。モンスターのもあれば人間のもある。
まぁ、そんなことはどうでもいいんだ。
みんな先走って死んでいった。要するに弱かったと言うことだ。
じゃあ、そろそろ片付けるとするか。そして帰って寝て明日から平和の始まりだ。
「そんなに声を上げるなよ醜いぞ?」
この自称最強のブレイドマスターの男が問いかけるその先。
「もう斬っているぞ? 遅いんだよなお前」
でかいモンスターの死体が転がっていた。
「ふぅ...。明日から平和だな。ん?」
クロキの勝利を祝福するようにダンジョンが輝きだす。
「あ? なんだぁ?」
そして光の中から。
「パンパカパ~ン!!」
という祝福の適当な聖歌を口ずさみ両手をいっぱいに広げ元気よく出てきたのは1匹の小さな妖精だった。
「どう?可愛いでしょ?この赤く輝くツインテールがキュートでしょ?」
妖精は出てきて早々自分のツインテールをクロキに自慢する。
「......」
「え? 無視? 無視してるの? それとも驚いて言葉も出ないとか?」
無言のクロキの周りを覗き込むようにして飛び回りながらその小さな妖精は言った。
「なぁ」
「あ! 喋った! なに? 私が可愛すぎて告白でもするの? 一目惚れってやつ? きゃ~恥ずかしい!!」
妖精は、真っ赤になった顔を両手で隠しながら言う。
「お前、斬っていいか?」
クロキは、腰に掛けられている愛剣に手を伸ばしながら妖精に言った。
「え!?」
クロキのその動作と言葉に思わず固まってしまう妖精。
そして、この妖精と最強のブレイドマスタークロキの更なる最強伝説がゆるく始まるのだった。
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