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第二話 最強
しおりを挟む「待ってよ! やっと解放されたのに酷くない? だからその剣をしまってよ! ねっ?」
手を合わせて懇願する妖精。
「で? お前、何なの?」
突然現れた妖精の懇願を無視し、さらに刃を近づけるクロキが問う。
「ちょっとぉ! しまってちょうだいよ! 私これでもレディなんだから!」
「うるせぇな! さっさと答えやがれこのクソツインテが!!」
妖精に痺れを切らしたクロキは、ついに堪忍袋の尾が切れ怒号を妖精に浴びせ剣を構える。
「なによぉ…そんなに怒らなくてもいいじゃないのよぉ……わかったわよぉ…」
クロキの怒号を聞いた妖精は瞳に涙を浮かばせ拗ねながら言う。
「最初からそうしてればいいんだよ。
あー、無駄な労力使ったわ、明日から平和だってのになぁ」
剣を納め頭を掻きながらめんどくさそうに言うクロキ。
「………私はリーリィって言うんだけど見ての通りこの燃えるような赤いツインテールがキュートな妖精で、このダンジョンに攻略者が現れたことで封印が解かれて解放されたんだけど、まさか斬られそうになるとは思いもしなかったわ」
「お前が全て悪いし、別に斬る事を辞めたわけではない」
「えぇっ!?何なのよあなた! とんだ攻略者が現れたものね」
「それで? お前が言う攻略者ってのが俺ってのはわかるが、封印されてたってのはどう言う事だ? どうでもいいけど」
「どうでもいいの!? 自分から聞いといて変な人ね…まぁいいわ、封印されてたって言うのはダンジョンの攻略者を導くためなの。攻略者が現れたら解放されるって言う封印術でね。それで、あなたが攻略したことで私に掛けられてた封印が解かれたってわけ」
「あぁ!次から次へとめんどくせぇなぁ!やっぱ斬っていいよなぁっ?」
理解不能な説明に腹をたてるクロキは再び剣を抜き妖精に刃を向ける。
「待って待って! もっと簡単に言うから! 要するにダンジョンを攻略する人を待っていて現れた攻略者を導くのが私ってこと、それで、あなたが攻略者で私に導かれるってことよ!」
「だから最初からそう言えばいいじゃねぇか、難しいのは嫌いなんだ」
再び剣を納めたクロキ。
「ありがとう、最後に導くってっことなんだけどまた斬られそうだから単刀直入に言うわね。
ダンジョン攻略者クロキ私と契約して
「最強」を目指しましょう」
「………いや、俺もう最強だし」
続く。
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