青い鳥と金の瞳の狼

朔月ひろむ

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春嵐 〜Side T〜

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「ただいまー」
アルファとして相手を屈服さして、俺は少し気分がいい。
「おかえり、貴俊!」
蒼司がパタパタと走って、俺を玄関で迎えてくれる。
「早かったんだな」
先に行く蒼司の後を歩くと、やはり先程のアイツのアルファの匂いがする。
リビングに入る前に、蒼司に纏わりついた匂いを消すために抱き寄せる。
もはや帰宅の恒例となってしまっていて、蒼司の反応は薄い。
蒼司はまったく理解していないようだが、アルファのそれも『狼』ともなれば、支配欲が人一倍強い。自分以外のアルファの個体を許容することなどないのだ。

「蒼司はご飯食べたのか?」
腕の力を緩めると、スルリと蒼司が腕の中から出ていく。
「貴俊がいると思って、家から持って来たんだけど……」
リビングに入り、振り返った蒼司が俺の手元を見る。
俺の手にある弁当入りのコンビニ袋。
ダイニングテーブルの方を見れば、ご飯やおかずがつまったプラスチック容器がいくつか置いてあった。
どうしようかと、蒼司が困っている。
「いっぱいあるし、コンビニ弁当と合わせて食べたら、夜ご飯分くらいもあるんじゃね?明日は早くから出発するし、二食テキトーに済まそう」
蒼司の頭をクシャリと撫でる。
「そうだね。僕、旅行の準備全然してないや」
「俺もこれからだから」
冷めたコンビニ弁当やテーブルの上のおかず達を電子レンジで温める。
「いただきます」
ダイニングテーブルで二人向かい合って食事を始めた。

たった一ヶ月。
それなのに、蒼司と共にいるとどうしようもなく落ち着く。
俺達は簡単に旅行の荷物を詰め、明日の行きたいところなんかを話しながら早々に眠るために自室に引っ込んだ。
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