シャーロック伯爵令嬢は虐げられてもめげませんっ!!だって中身は氷河期アラフィフ負け組女ですからっ!!

ゆきりん(安室 雪)

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「う、ううんっ!!セイラの番だ。行って来なさい」

 父の咳払いと言葉にセイラは慌てて祭壇の所まで行き、大きな水晶に手を翳す。すると、水晶はぱあっと7色に光輝き、女神像からは花びらがフワリと舞い降りて来た。

 その事態に教会の神父は大慌てになる。

「な、何と!!治癒魔法と叡智スキルがっ!?後は、見た事が無い文字で読めないぞっ!?とりあえず、書きとるのだっ!!筆記官っ!!消える前に急げっ!!セイラ嬢はその場を動かないでっ!!筆記官、急げっ!!急げっ!!」

 父達の元へ戻ろうと足を一本踏み出そうとしていたセイラは、その足を元に戻し、神父と筆記官の様子を伺っていたが、

「ああっ、消えてしまった。まだ何か他にも書いてあったのに・・・」

 シンプル達の絶望した声が聞こえてくる。

「あ、あの~。戻ってもよろしいでしょうか?」





 その後、シャーロック伯爵家の面々は王宮に呼ばれ国王から正式にマリウス王子との婚約発表したと国内では今現在2人目となる治癒魔法の使い手が現れた事を発表すると伝えられた。

 この日から、セイラは更に多忙な日々を送る事となる。

 王宮では、王妃教育よりも治癒魔法に重きを置き、習得させるべきだとの意見があり、重鎮達の意見の板挟みになったセイラは両方を同時進行で学ぶ事になったのだ。



 忙しさに拍車をかけたセイラは毎日王妃教育と治癒魔法の勉強に追われ、休みの日には課題をこなし、年相応の遊びも出来ず、友達と呼べる者も出来ず、家と王宮を往復する日々が続いた。



 貴族令息・令嬢は幼少期から各家で基本的な学問やマナーを学び10歳から12歳を学院(下)で平等に学ぶ。そして、13歳から15歳で専門的な事を学院(上)で学ぶ。専門的な事とは、騎士科、文官科、魔法特科、淑女科であり、女性の殆どが淑女科に進み、社交について学んでいく。

 しかし、セイラは学院で平等に学ぶ機会が与えられず、13歳になって初めて学院に通う事が出来る様になったのだ。しかし、そこでは数人しか居ない魔法特科になった。女性はもちろんセイラだけで、同級生は他に2人だった。3人だけのクラスメイトはライバル意識よりも周りからのプレッシャーを一緒に乗り切る同士の様な絆が生まれたのだった。

 同級生の1人は13歳の割には背が高くガッチリした体躯だ。銀髪で優しい眼差しをしている。何となく、兄の様な雰囲気だ。

 もう1人は、歳相応のやんちゃな感じで、大きな目をクリクリと動かし、リスににている。髪が茶色いからかな?

 3人は常に同じ授業を受け、行動を共にする。

 教室も他の科と別棟である。

 だから、他の科が何をしているのか、同じ学年に誰がいるのかもさっぱりわからなかった。

 



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