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「議長、よろしいでしょうか?」
「ギャラレイ殿下、どうぞ」
「クロス公爵子息は少しポッチャリした昔のロクサーヌ嬢をブタ呼ばわりしており、我が妹であるジュリエッタにもブタ呼ばわりをした。王女や令嬢達に対する侮辱罪に当たり、貴族の資質を問う言動に値すると思う。昨日、我が母もクロス公爵はブタ男爵に降格すれば良いと発言しました。ブタ男爵もしくは爵位剥奪が妥当かと考えます」
「クロス公爵、ないか意見はあるか?」
「議長っ!!息子は悪意を込めて呼んだ訳ではなくっ、そうっ、愛称ですっ、ソレで呼んでいたのですっ!!」
「無理があるな。では、ブタっ!!どう思う?」
議長はレッキャスを指差してブタ呼ばわりした。
「ひっ、酷いです、議長っ!!ブタ呼ばわりなどっ!!」
「クロス公爵子息、ブタ呼ばわりはイヤであろう?長年ロクサーヌ嬢にイヤな思い、そしてジュリエッタ王女にもこの思いをさせたのだぞ?わかるか?しかも分別の付かぬ子供ではない、19歳である大人がだ」
「議長、発言してもよろしいでしょうか」
「クロス公爵、どうぞ」
「息子には今後、このような事が無いように指導し、エルストン子爵家には謝罪しますので、家名の変更・降格は容赦して頂くたい」
「エルストン子爵、いかがか?」
「私も娘も謝罪は受け入れません。大体、クロス公爵は権威を笠に着て、今朝も私達親子を脅してきたのです」
「なっ、何を言うっ!!嘘をつくなっ!!」
クロス公爵は声を荒げる。
「証拠はございます。コレはココに来る際、脅された映像です。証拠として提出します」
タイピンと、ブローチを係に手渡し、議長は画像を確認した後、皆に見せた。
「動かぬ証拠だな。クロス公爵。あなたが今日、着ている服そのままだ。さて、どうしたものかな」
議長は考える。
「議長、発言してもよろしいでしょうか?」
「ギャラレイ殿下、どうぞ」
「私は平民に落とすよりも、ブタ男爵と降格し、王都の屋敷や領地の一部を没収しソレをエルストン子爵家への婚約破棄の慰謝料・侮辱行為の慰謝料・借入金の返済金・ジュリエッタへの侮辱行為の慰謝料へ充てれば良いかと」
ギャリーは淡々と語るが、クロス公爵は声を荒げた。
「そんなっ!!高々ブタ呼ばわりでっ!!」
「議長、発言してもよろしいでしょうか?」
「ロクサーヌ嬢、どうぞ」
「クロス家も家名は残したいと思いますので、ブタ男爵ではなく『ブタクロス男爵』でいかがでしょうか?」
「ふむ、前の家名を残してやると言うロクサーヌ嬢の優しさ、まことに有難いな?クロス公爵よ?」
議長は笑顔で頷いた後、国王様と王妃様の元へと向かい、話し合った後判決を下した。
「クロス公爵家に判決を下す。本日より男爵へと降格し、家名はブタクロス男爵とする。ソレに伴い王都の屋敷と領地を半分没収、その資金を元にエルストン子爵家への婚約破棄の慰謝料・侮辱行為の慰謝料・借入金の返済金・ジュリエッタへの侮辱行為の慰謝料を支払う事とする。今、この時を持って王都の屋敷は国に帰属するものとし、一切モノを持ち出す事を禁ずる。以上っ!!」
「そんなっ!議長っ!!国王様っ!!酷すぎますっ!!ブタなどとっ!!レッキャス!!お前のせいだっ、馬鹿者めっ!!」
貴族院会議は解散となり、皆部屋から出て行くが、ブタクロス男爵の叫び声だけがいつまでも続いていたとか・・・。
「ギャラレイ殿下、どうぞ」
「クロス公爵子息は少しポッチャリした昔のロクサーヌ嬢をブタ呼ばわりしており、我が妹であるジュリエッタにもブタ呼ばわりをした。王女や令嬢達に対する侮辱罪に当たり、貴族の資質を問う言動に値すると思う。昨日、我が母もクロス公爵はブタ男爵に降格すれば良いと発言しました。ブタ男爵もしくは爵位剥奪が妥当かと考えます」
「クロス公爵、ないか意見はあるか?」
「議長っ!!息子は悪意を込めて呼んだ訳ではなくっ、そうっ、愛称ですっ、ソレで呼んでいたのですっ!!」
「無理があるな。では、ブタっ!!どう思う?」
議長はレッキャスを指差してブタ呼ばわりした。
「ひっ、酷いです、議長っ!!ブタ呼ばわりなどっ!!」
「クロス公爵子息、ブタ呼ばわりはイヤであろう?長年ロクサーヌ嬢にイヤな思い、そしてジュリエッタ王女にもこの思いをさせたのだぞ?わかるか?しかも分別の付かぬ子供ではない、19歳である大人がだ」
「議長、発言してもよろしいでしょうか」
「クロス公爵、どうぞ」
「息子には今後、このような事が無いように指導し、エルストン子爵家には謝罪しますので、家名の変更・降格は容赦して頂くたい」
「エルストン子爵、いかがか?」
「私も娘も謝罪は受け入れません。大体、クロス公爵は権威を笠に着て、今朝も私達親子を脅してきたのです」
「なっ、何を言うっ!!嘘をつくなっ!!」
クロス公爵は声を荒げる。
「証拠はございます。コレはココに来る際、脅された映像です。証拠として提出します」
タイピンと、ブローチを係に手渡し、議長は画像を確認した後、皆に見せた。
「動かぬ証拠だな。クロス公爵。あなたが今日、着ている服そのままだ。さて、どうしたものかな」
議長は考える。
「議長、発言してもよろしいでしょうか?」
「ギャラレイ殿下、どうぞ」
「私は平民に落とすよりも、ブタ男爵と降格し、王都の屋敷や領地の一部を没収しソレをエルストン子爵家への婚約破棄の慰謝料・侮辱行為の慰謝料・借入金の返済金・ジュリエッタへの侮辱行為の慰謝料へ充てれば良いかと」
ギャリーは淡々と語るが、クロス公爵は声を荒げた。
「そんなっ!!高々ブタ呼ばわりでっ!!」
「議長、発言してもよろしいでしょうか?」
「ロクサーヌ嬢、どうぞ」
「クロス家も家名は残したいと思いますので、ブタ男爵ではなく『ブタクロス男爵』でいかがでしょうか?」
「ふむ、前の家名を残してやると言うロクサーヌ嬢の優しさ、まことに有難いな?クロス公爵よ?」
議長は笑顔で頷いた後、国王様と王妃様の元へと向かい、話し合った後判決を下した。
「クロス公爵家に判決を下す。本日より男爵へと降格し、家名はブタクロス男爵とする。ソレに伴い王都の屋敷と領地を半分没収、その資金を元にエルストン子爵家への婚約破棄の慰謝料・侮辱行為の慰謝料・借入金の返済金・ジュリエッタへの侮辱行為の慰謝料を支払う事とする。今、この時を持って王都の屋敷は国に帰属するものとし、一切モノを持ち出す事を禁ずる。以上っ!!」
「そんなっ!議長っ!!国王様っ!!酷すぎますっ!!ブタなどとっ!!レッキャス!!お前のせいだっ、馬鹿者めっ!!」
貴族院会議は解散となり、皆部屋から出て行くが、ブタクロス男爵の叫び声だけがいつまでも続いていたとか・・・。
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