私、今から婚約破棄されるらしいですよ!舞踏会で噂の的です

ゆきりん(安室 雪)

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 『毎年一緒に見たい』とか『一緒に見よう』とか、やっぱり結婚の返事をしないとダメなのかな。

 黙ってしまったロクサーヌにギャリーは

 「返事は急がないって言ったから、まだいいよ。ほら、お茶の用意が出来たみたいだ。ココのローズガーデンで採れた薔薇を使ったローズティーと、ローズジャムがあるんだ。ローズジャムは、スコーンにクロテッドクリームと一緒に乗せて食べると美味しいんだ。

 ガーデンテーブルに紅茶、何種類ものケーキ、スコーン、サンドイッチなどが並べられていた。

 どれも美味しそうだ。

 「遠慮しないで食べてよ」

 ギャリーは紅茶を一口飲み、スコーンを食べ始めた。ロクサーヌもおススメのローズジャムとクロテッドクリームを乗せて食べる。

 「わあっ、薔薇の香りが凄いわっ!美味しいっ!!」

 「口に合って良かったよ」

 ギャリーはにこやかに笑う。

 2人は趣味や好きな食べ物などの話しで盛り上がる。すると、ジュリちゃんが現れる。

 「も~、お兄様っ!!お姉様が来られるなら教えてくれればいいのにっ!!」

 こないだの逆で、今日はジュリちゃんがお茶会に入ってきた。

 「あら、もうローズジャムがあるのね?」

 ジュリちゃんもスコーンを食べる。

 むふっ、と嬉しそうな顔をする。

 「この時期のローズジャムが1番美味しいのよ、お姉様。あっ帰りに是非持っていってね?」

 「ジュリエッタ、用意してあるから」

 溜息をつきながらギャリーは言う。

 3人になり、ギャリーの口数は少し減ってしまったが、楽しい時間を過ごした。

 馬車まではギャリーが送ってくれる。

 「ジュリエッタも参加してすまなかったね」

 「いえいえ、楽しかったですよ?薔薇のジャムもお菓子も美味しかったですし。毎年ギャリーとローズガーデンを見て回りたいです」

 ギャリーを見つめながら言う。

 「ロクサーヌ嬢っ!!すまない、急がないとは言ったか、それは結婚してもいいと言う事だろうか!?」

 ギャリーはギュッと手を握りしめて聞いてくる。

 「はい。よろしくお願いします、ギャリー」

 「ありがとうっ!ロクサーヌ嬢っ!!」

 ギャリーはロクサーヌを優しく抱きしめた。




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