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翌週も紗綾は『アンジュ』でまったりお茶をする。先週宣言した通り、今週はシフォンケーキだ。それとディンブラ。この紅茶、気に入ってしまったのだ。
「ゆっくりして行って下さいね」
にこりとマスターは笑う。
先週も居心地が良く長居してしまい、今週も多分長居しちゃいそう。大体お客さんは1人が多い、マスターと少し話した後には静寂が訪れる。と言っても、全くの無音の訳では無い。静かにクラシックがかかっているのだが、邪魔をせず流れている感じ。
そんなこんなで、紗綾が『アンジュ』に通いはじめて数ヶ月経ったある夜、仕事から帰って来てテレビを付けようとすると、マンションの隣の部屋から『ドカッ、ゴンッ』と大きな音が聞こえてきたのだ。マンションなのでアパートとは違い、それなりに壁が厚いのにこんな音響いてくるもの?その後は、音1つせず静かだ。
お隣さん、何かあったのかな?元々は紗綾が住んでいて、その後にお隣さんが越して来たのだが、特に挨拶は無かった。男性か女性かも知らない。集合ポストには名前はないが、回覧板で『綾瀬さん』と言う事は分かった。
う~ん、隣に生存確認しに行くべき?泥棒だったら危ないし・・・。え~い、行ってしまえ。
『ピンポーン』
インターフォンを押すが、出てくる気配は無い。やっぱり泥棒!?と思っているとドアが開く。
「はい・・・って、え?」
「え?マスター?」
思わず、呆然としてしまうが。
「あ、あの。凄い音がしたんで、泥棒だったらイヤだなと様子見に来ちゃいました。私、隣の住人です」
左の部屋を指す。
「あ、すいません。ちょっとフラフラしてて躓いて転んだ挙句、鍋が飛びました」
「だから、ドカッとゴンッだったんですか。お怪我しませんでしたか?」
顔に怪我はない様だ。
「多分、打ち身で変色する位です。ご心配をおかけしました」
「いえ、て言うかマスター熱ありませんか?」
「ちょっと風邪引いたみたいですが大丈夫ですよ」
「風邪薬、飲みましたか?」
「今、切らしてて・・・」
「うち、常備してあるので持って来ます。待ってて下さい」
と言って部屋に引き返す。いやいや、びっくり、マスターがお隣さんでしたか。しかも風邪でコケてあの音。ちょっと笑えてくる。お店にいる時とは想像出来ない。
薬とスポーツドリンクを持って、隣に戻るとマスターは蹲っていた。
「マスター、大丈夫ですか?」
グッタリして、返事が無い。とりあえずベッドに運ばなきゃ。でも重いっ。
「マスター、歩けますか?ベッドまで歩いて下さいっ」
「すまないっ・・・」
辛そうに呟く。
「困った時はお互い様です。はい、風邪薬とお水・・・キッチンにさっきありましたね。持ってきますね」
マスターに薬を飲ませて、枕元にペットボトルのお水とスポーツドリンクを置く。静かな寝息が聞こえて来たので帰ろうと思うが、さっきの鍋飛ばした事件の鍋が床に転がり、お粥らしき物体が床に散らかっていた。うう~ん、これは片付けておいた方がいいよね?病み中も病み上がりも片付けるの大変そうだよね。
紗綾はなるべく音を立てない様に注意しながら元お粥と鍋を片付ける。そして、ちょっと申し訳ないなと思いながらもドアに靴を挟み、自分の部屋から追加のスポーツドリンクとお水を持って来て、ベッドの横のサイドテーブルに並べておく。
ちょっと熱高そうだから、汗かきそうだから水分は摂らないとね。リビングに部屋の鍵があったのでそれを借り、玄関のドアの鍵をかけようと思うが、その前に書いておこう。
『部屋の鍵はドアポストにあります』
よし、じゃあお邪魔しました。
「ゆっくりして行って下さいね」
にこりとマスターは笑う。
先週も居心地が良く長居してしまい、今週も多分長居しちゃいそう。大体お客さんは1人が多い、マスターと少し話した後には静寂が訪れる。と言っても、全くの無音の訳では無い。静かにクラシックがかかっているのだが、邪魔をせず流れている感じ。
そんなこんなで、紗綾が『アンジュ』に通いはじめて数ヶ月経ったある夜、仕事から帰って来てテレビを付けようとすると、マンションの隣の部屋から『ドカッ、ゴンッ』と大きな音が聞こえてきたのだ。マンションなのでアパートとは違い、それなりに壁が厚いのにこんな音響いてくるもの?その後は、音1つせず静かだ。
お隣さん、何かあったのかな?元々は紗綾が住んでいて、その後にお隣さんが越して来たのだが、特に挨拶は無かった。男性か女性かも知らない。集合ポストには名前はないが、回覧板で『綾瀬さん』と言う事は分かった。
う~ん、隣に生存確認しに行くべき?泥棒だったら危ないし・・・。え~い、行ってしまえ。
『ピンポーン』
インターフォンを押すが、出てくる気配は無い。やっぱり泥棒!?と思っているとドアが開く。
「はい・・・って、え?」
「え?マスター?」
思わず、呆然としてしまうが。
「あ、あの。凄い音がしたんで、泥棒だったらイヤだなと様子見に来ちゃいました。私、隣の住人です」
左の部屋を指す。
「あ、すいません。ちょっとフラフラしてて躓いて転んだ挙句、鍋が飛びました」
「だから、ドカッとゴンッだったんですか。お怪我しませんでしたか?」
顔に怪我はない様だ。
「多分、打ち身で変色する位です。ご心配をおかけしました」
「いえ、て言うかマスター熱ありませんか?」
「ちょっと風邪引いたみたいですが大丈夫ですよ」
「風邪薬、飲みましたか?」
「今、切らしてて・・・」
「うち、常備してあるので持って来ます。待ってて下さい」
と言って部屋に引き返す。いやいや、びっくり、マスターがお隣さんでしたか。しかも風邪でコケてあの音。ちょっと笑えてくる。お店にいる時とは想像出来ない。
薬とスポーツドリンクを持って、隣に戻るとマスターは蹲っていた。
「マスター、大丈夫ですか?」
グッタリして、返事が無い。とりあえずベッドに運ばなきゃ。でも重いっ。
「マスター、歩けますか?ベッドまで歩いて下さいっ」
「すまないっ・・・」
辛そうに呟く。
「困った時はお互い様です。はい、風邪薬とお水・・・キッチンにさっきありましたね。持ってきますね」
マスターに薬を飲ませて、枕元にペットボトルのお水とスポーツドリンクを置く。静かな寝息が聞こえて来たので帰ろうと思うが、さっきの鍋飛ばした事件の鍋が床に転がり、お粥らしき物体が床に散らかっていた。うう~ん、これは片付けておいた方がいいよね?病み中も病み上がりも片付けるの大変そうだよね。
紗綾はなるべく音を立てない様に注意しながら元お粥と鍋を片付ける。そして、ちょっと申し訳ないなと思いながらもドアに靴を挟み、自分の部屋から追加のスポーツドリンクとお水を持って来て、ベッドの横のサイドテーブルに並べておく。
ちょっと熱高そうだから、汗かきそうだから水分は摂らないとね。リビングに部屋の鍵があったのでそれを借り、玄関のドアの鍵をかけようと思うが、その前に書いておこう。
『部屋の鍵はドアポストにあります』
よし、じゃあお邪魔しました。
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