番探しにやって来た王子様に見初められました。逃げたらだめですか?

ゆきりん(安室 雪)

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 晩餐を逃した2人は宿に帰る途中で夕食を食べ、会話が無いまま食べ終わる。そして宿に帰ってきた。

 しかし、沈黙が苦しい。

 「えっと・・・。ガイナ、さっきはすまなかった。『なりたくてガイナの番になった訳じゃないっ!!』なんて言ってしまって。ガイナだって、私なんかが番じゃ不服だろ?綺麗に着飾った令嬢がいいよな。だから、番は気にせずにーーー」

 部屋に入った瞬間、スミレが話し始める。ソレを聞き、ガイナは顔を歪めながら囲い壁ドンをした。ガイナの両腕の中で、スミレは唖然とした顔になる。

 「俺は最初に言ったよな?お前はどストライクだって。だから2週間で真剣にお前を口説き番になるのを了承してもらうつもりだった。少しは俺の事、意識しはじめてると思ってたのは俺の自惚れだったみたいだな。無理にこんな所まで付き合わせて悪かったよ。3日分、この部屋は前払いしてあるから好きに使えよ。じゃあな」

 荷物を拾い上げ、ガイナは部屋から出て行った。

 ポツンと1人残されたスミレは、ベッドに座って呆然としていた。王子らしくなく、ちょっとガサツなガイナ。いつも優しく気遣ってくれて、初めてスミレが一緒にいて安心だと思える人だった。

 「でも、私は番になりたくないんだ。諦めてくれて良かったじゃないか・・・」

 呟いたスミレの頬に涙が伝う。

 「なんで涙なんか出るんだ?私はどこも痛くないぞ?」

 その後も涙は止まらなかった。



 翌朝、腫れぼったい目を何とかしようと、少しぬる目のシャワーを浴びるがあまりスッキリしなかった。

 とりあえず朝食を食べようと思い、宿屋を出て何軒か見て回ったが胃袋が反応しなかった。しかし食べない訳にもいかないので、なるべくアッサリ目のスープが美味しそうな店に入った。

 1人寂しく食べているとガイナを思い出す。朝から2人で朝食セットを頼み、更に数品追加。スミレの肉やおかずをつまんでいき、代わりに自分のおかずを皿に乗せてくれる。

 ・・・、屋敷に帰ろう。

 朝食を何とか胃袋に収め、スミレは宿を引き払った。

 帰るルートを考える。

 一旦王都に出た方が早いな。来た道をそのまま帰る事にした。しかし、ガイナとのやり取りが至る所にあり、辛かった。途中で寄る食事処は全てガイナと入ってない店にした。

 ガイナの番になりたく無かったのに、何でガイナの事しか浮かばないんだよ!?

 宿で1人ベッドに入ると、ガイナに抱きしめられる腕、筋肉、体温、吐息を思い出す。

 「ガイナに会いたい・・・」

 でも、何でだ?

 番だからか?

 もしかして、私はガイナが好きなのか!?

 


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