花笑みの庭で

ゆきりん(安室 雪)

文字の大きさ
上 下
29 / 80

29

しおりを挟む
 温泉の素を買った後には水着を買いに行きました・・・、はい。

 もう、好きなの選んでくださいませアヤト様ってくらい色々試着させられ( T_T)家(アヤトの)に帰る頃には辺り真っ暗。

 駐車場に着くとまたスマホが鳴る。

「面倒だから彩音出て」

 車を停めたからもう、スマホ出れるのに。

「はい?」

 出た瞬間から

「彩音ちゃ~ん!今何処、まさか熱海じゃないよね?ちゃんとこっち向かってるよね?コロッケもあるよね?」

 等々力さん・・・、切迫詰まってるけどコロッケの確認するのね。

「今駐車場に着きました、部屋に戻る所ですよ?」

「じゃ、部屋にお邪魔するからすぐに向かってね」

 

 で、部屋があるフロアにエレベーターで降りた瞬間に等々力さんの仁王立ち姿に出くわしたのだ。

 何、めっちゃ怒ってる~。

 そうだよね?

 戻るの遅すぎだよね?

 私もそう思うよ?

 怒るなら、温泉の素をウキウキ選んで、更にウキウキ水着を選んだアヤトだけを怒ってね。

 私もある意味被害者なんです。

 心の中で彩音がブツブツ思っている間に部屋に着き、中に入る。

 「はい、お二人さん。ウチの社員が家族サービスでドライブに行ったらとんでもない事態に遭遇したと写メ送ってきました。これは何でしょう?」

 鬼の形相で等々力さんはスマホを見せる。


 はう~っ!

 何その写真!
しおりを挟む

処理中です...