花笑みの庭で

ゆきりん(安室 雪)

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「って言うか、彩音ちゃん今、暇?」

 等々力さんに、めちゃ笑顔で聞かれる。

「暇ですよ~、今日。何もする事がなくて、どうしようかなぁと」

「じゃあ、彩音ちゃんバイトしない?」

「えっ!?バイトですか?何の?」

「ここのカフェ。蓮が急に代理の仕事入って、さっき上がったんだよね。で、ここあんまり混まないから、今いる子に1人でお願いするつもりで来たんだけど、彩音ちゃんどお?時給いいよ?簡単だし。あの蓮でも出来てるし」

 確かに、あの蓮さんが出来てるなら何とかなりそうな気がする。

「じゃあ、やりますよ。ホント暇なので」

「助かるよ、彩音ちゃん。あ、ミズキちゃん、臨時で初バイトの彩音ちゃん。蓮の代理お願いしたから色々教えてあげてね。よろしく」

「は~い、じゃあ彩音ちゃん。まずはこのエプロン着けて?で、レジはほとんど現金扱わないから、もし現金の人に当たったら呼んでね。メニューはこれ、金額は大体一緒だから最悪、メニューの打ち込み間違えても金額合ってれば大丈夫っ。案外楽だよ、頑張ってね」

「ありがと~、ミズキさんお願いします」

 最初の数人は戸惑ったけど、ミズキさんのフォローですぐに慣れてきた。

 ミズキさんは駆け出しのモデルさんだった。明るく気取った所がなく、暇な時は色々な話をした。

「ここのバイト、芸能人が見れて目の保養になるんだよね~っ。だからバイトの競争率高いんだよね。あ~っ、あれアヤトじゃない?やっぱり上に住んでるのかな?」

 ふと視線の先を見るとアヤトと等々力さんがやってくる。

「彩音ちゃんがバイトしてるって話したら、見に行くってきかなくてさ~。順調?」

「はい。ミズキさんにフォローしてもらって何とか」

「俺、ロイヤルミルクティーをテイクアウトで」

 アヤトが微笑みながらオーダーする。

「アヤト、ミルクティー好きだよねっ」

「部屋で飲むチャイが1番好きだけどな」

 と言って彩音の頭をポンポンして、紙切れを彩音に渡すと去って行く。

「彩音ちゃん、アヤトと知り合いなの!?」

「あ、うん。歌のプロデュースしてもらってて。こないだまでレコーディングしてたんだ」

「え~っ!彩音ちゃん歌手なんだねっ。いいなぁ~、アヤト!モデルには接点が無いっ!」

 キャイキャイ騒ぐミズキさんを横目に、アヤトから渡された紙切れを見る。

『部屋に帰ったらチャイ、入れてくれ。今朝飲んで無い』

 と書いてあった。

 きゃ~っ、何だか嬉しいっ。

 早くバイト終わらないかなぁ~。

 
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