花笑みの庭で

ゆきりん(安室 雪)

文字の大きさ
71 / 80

71

しおりを挟む
 アヤトと彩音はスタジオで曲を作っていた。

「彩音、正直かなり曲の依頼あるんだけど、どうする?断るか?全部受けたら俺も彩音も死ぬと思うぞ」

「う~、等々力さん何とかしてくれないの?」

「アイツ、新事業の方行ったしなぁ~、てソコの部署に振ればいいのか」

 電話をかけ、等々力さんを呼び出す。

 しかも『今すぐココに来い!』



「同じビルにいるし、俺もスタジオ周辺にはいるけど、でもあの呼び出しは無いんじゃない?」

「でも、等々力さん。私達死にそうで。いくら小回り利く会社でも、曲作りは直ぐには出来ないですっ。1から作成なんですよ?歌詞の『か』の字も浮かんでないんですよ?」

 珍しく彩音が等々力に食ってかかる。

「この仕事の振りおかしくないですか!?」

「ん?見せてみて・・・、おかしいね。予定が被りまくり。確認するよ」

 


 そして、数分後。

 営業成績を上げたい新人が、来た依頼を片っ端から受けた結果が、アノ状態の予定らしい。

「リョウ、お前部下の躾間違えたんじゃないか?あり得ないだろう」

 アヤトが不機嫌を前面に出して言う。

「俺と彩音っ歌詞書いて曲作るのに限界あるから、リョウの部署で作れよCMの曲作ってるんだろ?」

「いや、でも俺の所はCM用の短いヤツばっかりだからさ~」

「この際、いいんじゃないか?サビだけとか鼻歌で数十秒とかでも。じゃないと、死ぬ」

「私もそろそろ大学始まるんで、昼間はいないんで・・・」

「彩音、俺の嫁さんに来るんだから大学なんて行かず、ずっと俺のそばにいていいんだよ?」

 微笑みながら言うが。

「あ、いや、まだ決定じゃないし・・・」

 濁してみる。

「あ、報告。俺正式に婚約したから」

 サラリとリョウが言う。

「えっ!?等々力さん、お付き合いしてる人いたんですか!よく時間ありましたねっ」

 あれだけアヤトや仕事に振り回されても、恋人がいて、更に婚約まで進めてしまうなんて、1日24時間の流れるペースが違うのだろうか?

「子猫ちゃん、可愛いんだ~。彩音ちゃんにはまた今度紹介するねっ。じゃ、曲については考えて明日、方向性練ろうな」

 足早に部屋を去って行く。

「等々力さんの婚約者って、人間?」

 彩音はボソリと呟く。

 


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

17歳男子高生と32歳主婦の境界線

MisakiNonagase
恋愛
32歳主婦のカレンはインスタグラムで20歳大学生の晴人と知り合う。親密な関係となった3度目のデートのときに、晴人が実は17歳の高校2年生だと知る。 カレンと晴人はその後、どうなる?

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

せんせいとおばさん

悠生ゆう
恋愛
創作百合 樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。 ※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。

義姉妹百合恋愛

沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。 「再婚するから」 そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。 次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。 それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。 ※他サイトにも掲載しております

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~

楠富 つかさ
恋愛
 中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。  佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。  「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」  放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。  ――けれど、佑奈は思う。 「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」  特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。  放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。 4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。

天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】

田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。 俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。 「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」 そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。 「あの...相手の人の名前は?」 「...汐崎真凛様...という方ですね」 その名前には心当たりがあった。 天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。 こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。

処理中です...