花笑みの庭で

ゆきりん(安室 雪)

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番外編〜1-1〜

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 等々力さんに打ち合わせルームに呼ばれ、アヤトと一緒に部屋に入ると、そこにはスノスタメンバーと見慣れない2人がいた。

 等々力さんが話しはじめる。

「まずは初見が数名いるから、そこだけ4人紹介するね。うちの部署に入った松田は営業兼スノスタの同級生で元スノスタメンバー。隣の京はアレンジ担当兼『バッカス』て言うバーのオーナー。で、彩音ちゃはボーカリスト兼タレント兼アヤトの婚約者。桜ちゃんは俺の部下でボーカリスト兼俺の婚約者。人のモノには手を出さないように」

 と、変わった紹介をしていく。婚約者情報はいるのかな?

「こないだから大量に作ってもらった曲なんだけど、かなり皆さんの『手』が入って、誰がどこの部分って分かり辛い曲もあるから、いっその事新たなグループ名つける事にしました。新しいって言っても『スノスタ ファクトリー』で略して『スノファク』。CMとかのクレジットは誰がボーカル担当してもスノファクになるからね。ちなみに、給料関係も今までとは別にスノファク分入るからそれなりに期待してて」

 等々力さんの説明が一旦終わる。

 こないだまでの死ぬほど大量にあった曲依頼も何とか山を越え、やっと平穏が訪れつつある。

「で、そのスノファクにテレビの出演依頼来てる。複数曲のメドレー希望依頼なんだけどどうする?俺個人的には受けて欲しいんだけど。拒否の人手挙げて~」

 え!?と思ってる間に

「はい、じゃあ皆賛成って事で。あ、今回は生放送だからね。よろしく。次の金曜日ね、スタジオ練習の予定とかはメールですぐに送るから。はい、解散っ」

 ほぼ、一方的に等々力さんが喋り解散になる。



 部屋に戻るとアヤトに抱きしめられる。アヤトは後ろからハグするのが好きみたいだ。彩音の首筋に顔を埋める。

「アヤト、どうしたの?ソファまであと少しなんだけど」

 玄関先なので、せめて部屋に入りたい。

「・・・、彩音を独占してたいだけだ」

 いつもよりも低い声で囁き、離してくれる。

 ?

 変なアヤト。




 スタジオで数回、スノファクの音合わせをして収録当日を迎える。

「うわぁ、テレビで見るセットそのままだぁ!あ、でも観客席狭っ」

「ホントだね、彩音ちゃん。びっくり。あ、でも演奏する方はそれなりに広さあるし。セットもいくつか作れるみたいだよ」

 桜さんが指差す。

「桜さん、一緒で心強いっ」

「ふふっ、私も彩音ちゃん一緒で心強いよ。他のメンバーが、ドームツアーこなしてる人達だもんね。心臓の出来が違うんだよ。私なんて昼食あんまり食べれなかったのに」

「ね。ヒデさんなんて焼肉弁当平らげた挙句、カレーパン食べてたよ」

 以前、彩音はスノスタメンバーと演奏したのはあるが、あれは録画用だからまだ、心に余裕があった。失敗したら撮り直せば良かったのだ。しかし、今回は生放送。失敗は許されない。かなりドキドキだ。

自分達のリハーサルを終え、控え室に戻る。等々力さんと松田さんだけは色々参考の為にとリハーサルを全部見るらしい。



 そして、本番。

 思いもよらない出来事が待ち受けているのだ。



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