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楽しい時間はあっという間に過ぎてしまう。ナツキはライトと話しをしたり、ダンスをしたりと束の間の幸せを楽しんでした。
しかし夜も更けてくると、参加者達は少しずつ帰路についていき、人数はかなり減っていた。そんな2人の元にライラは帰ってきた。
「お話し中に申し訳ないのだけれど、そろそろ帰ろうと思いますの」
ライラは申し訳無さそうに声をかけてきた。
あっ、ライラ!忘れていた訳では・・・。ごめん、忘れてたわ。
「そうだな。独身のご令嬢達を夜更けまで引き止めるのは良くないな。残念だが俺達も引き上げよう」
ライトはそう言いながら、ライラの後ろにいた男性に声をかけた。ライラはその男性と親しげに話していた。
「では、ムーン。また次のパーティーで逢えれば嬉しい」
耳元で囁いたライトは言い終わると、ナツキの耳にそっと口付けた。
「ひゃっ!!」
突然の出来事に、ナツキは声を上げてしまうがライトは嬉しそうに笑った。
「ムーンは可愛いね、じゃ」
ライトはライラの後ろにいた男性と共に去って行ってしまった。その姿をナツキはしばし見入ってしまっていたが、ライラに声をかけられてハッとする。
「邪魔をしてゴメンね?でも、もう24時になるわ」
「えっ?もう!?ライラ、長い時間1人にしてゴメン。ライトといると楽しくて。でも・・・」
でも、私は『独身のご令嬢』と言ったライトの言葉に、心臓が止まりそうになった。そう、私はもう独身では無いのだ。結婚式からは逃げたが、すでに実家のグローリー男爵家からは籍を抜かれ、オラハルト伯爵夫人になっているのだ。
口を閉ざしてしまったナツキを促し、ライラ達は屋敷へと帰って行った。
馬車の中で無限で、唇をキュッと噛み締めているナツキの表情が気になったライラだ、ナツキが何も言葉を発しないので、黙っている事にした。
しかし、ライラの屋敷に到着すると、ナツキはライラをナツキが借りている客室に誘った。
「どうしたのナツキ?今日はもう遅いわ。明日にしない?」
日付は変わり、すでに夜中1時を過ぎている。
「いいえ、今じゃ無いと決心が揺らいでしまうわ。だから、ライラに宣言するわ」
ソファに向かいあって座り、ナツキはライラの目をキチンと見つめて話しはじめた。
「ライラ、私のわがままに付き合ってくれてありがとう。ライトとはたった2度しか逢えなかったけど、念願の恋をしたわ。楽しかった。でも、楽しければ楽しい程辛くなるって気づいてしまったの。私は既に結婚しているわ。ライトの言う『未婚の令嬢』には当てはまらないんだって、理解したら悲しいのと同時にライトを騙してる事に苦しくなったの。だから、もう」
話しながらどんどん俯いてしまっていたが、再びライラの目を見つめた。
「だからもう、仮面舞踏会には行かない。ライトにも2度と会わないわ。明日姉の屋敷に戻り、近々オラハルト伯爵家に向かうわ」
「いいの?ナツキ。ライトに最後に話しをしなくて」
ライラも悲壮な顔をしながらたずねて来るが。
「会ってしまえば決心が揺らぐわ。これでいいのよ。貴族の娘だもん。恋愛結婚出来ないのは仕方ないわ。でも、僅かな時間でも幸せな時を過ごさせてくれたライトには感謝しかないわ」
「わかったわ。ナツキが納得したのなら今は何も言わないわ。もう遅いわ、ナツキゆっくり休んでね」
ライラはそっとナツキを抱きしめてから部屋を出た。その脚で向かった先はーーー。
しかし夜も更けてくると、参加者達は少しずつ帰路についていき、人数はかなり減っていた。そんな2人の元にライラは帰ってきた。
「お話し中に申し訳ないのだけれど、そろそろ帰ろうと思いますの」
ライラは申し訳無さそうに声をかけてきた。
あっ、ライラ!忘れていた訳では・・・。ごめん、忘れてたわ。
「そうだな。独身のご令嬢達を夜更けまで引き止めるのは良くないな。残念だが俺達も引き上げよう」
ライトはそう言いながら、ライラの後ろにいた男性に声をかけた。ライラはその男性と親しげに話していた。
「では、ムーン。また次のパーティーで逢えれば嬉しい」
耳元で囁いたライトは言い終わると、ナツキの耳にそっと口付けた。
「ひゃっ!!」
突然の出来事に、ナツキは声を上げてしまうがライトは嬉しそうに笑った。
「ムーンは可愛いね、じゃ」
ライトはライラの後ろにいた男性と共に去って行ってしまった。その姿をナツキはしばし見入ってしまっていたが、ライラに声をかけられてハッとする。
「邪魔をしてゴメンね?でも、もう24時になるわ」
「えっ?もう!?ライラ、長い時間1人にしてゴメン。ライトといると楽しくて。でも・・・」
でも、私は『独身のご令嬢』と言ったライトの言葉に、心臓が止まりそうになった。そう、私はもう独身では無いのだ。結婚式からは逃げたが、すでに実家のグローリー男爵家からは籍を抜かれ、オラハルト伯爵夫人になっているのだ。
口を閉ざしてしまったナツキを促し、ライラ達は屋敷へと帰って行った。
馬車の中で無限で、唇をキュッと噛み締めているナツキの表情が気になったライラだ、ナツキが何も言葉を発しないので、黙っている事にした。
しかし、ライラの屋敷に到着すると、ナツキはライラをナツキが借りている客室に誘った。
「どうしたのナツキ?今日はもう遅いわ。明日にしない?」
日付は変わり、すでに夜中1時を過ぎている。
「いいえ、今じゃ無いと決心が揺らいでしまうわ。だから、ライラに宣言するわ」
ソファに向かいあって座り、ナツキはライラの目をキチンと見つめて話しはじめた。
「ライラ、私のわがままに付き合ってくれてありがとう。ライトとはたった2度しか逢えなかったけど、念願の恋をしたわ。楽しかった。でも、楽しければ楽しい程辛くなるって気づいてしまったの。私は既に結婚しているわ。ライトの言う『未婚の令嬢』には当てはまらないんだって、理解したら悲しいのと同時にライトを騙してる事に苦しくなったの。だから、もう」
話しながらどんどん俯いてしまっていたが、再びライラの目を見つめた。
「だからもう、仮面舞踏会には行かない。ライトにも2度と会わないわ。明日姉の屋敷に戻り、近々オラハルト伯爵家に向かうわ」
「いいの?ナツキ。ライトに最後に話しをしなくて」
ライラも悲壮な顔をしながらたずねて来るが。
「会ってしまえば決心が揺らぐわ。これでいいのよ。貴族の娘だもん。恋愛結婚出来ないのは仕方ないわ。でも、僅かな時間でも幸せな時を過ごさせてくれたライトには感謝しかないわ」
「わかったわ。ナツキが納得したのなら今は何も言わないわ。もう遅いわ、ナツキゆっくり休んでね」
ライラはそっとナツキを抱きしめてから部屋を出た。その脚で向かった先はーーー。
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