出雲に行ったら神様(うさぎ→イケメン)を拾いました。

ゆきりん(安室 雪)

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 陰陽師風になったうさぎは、かなりのイケメンだった。長い髪は後ろに紐で括られている。目は切れ長で、はっきり言って美亜の好みだ。身長も190センチはありそうだ。うっかり見惚れてしまいそうだが、頭を振り現実に戻ってくる。

「あの・・・、うさぎさん。何故私に着いて来たのかな?」

「は?お前が『一緒においで』って言ったから、契約が結ばれたんだろ?お前の意思だ」

 あ、うっ、確かに言った。

 言ったけど、ヒスイのうさぎにであって、幽霊とか陰陽師にとかじゃない・・・。

「ヒスイのうさぎは形代だ。俺の本体はもう無いからな。意思を入れておく石だな。ぷっ、意思の石。上手いこと言った!」

 ゲラゲラとうさぎの陰陽師は笑い出してしまった。

「うさぎの陰陽師ではない。俺の名は耀ようだ。お前は?」

「私は美亜」

 何か心の中、読まれてない?と思いながらも、美亜が名乗ると、耀と美亜の体から薄っすらと光が出て、中央で交わり数秒後、交わった光はそれぞれの体に戻る。

「何っ!?今の」

 「コレで完全にお前は俺のモノ、俺はお前のモノだ。覚えておけ」

 そう言って、左手の甲を指差す。そこには、まるで刺青を入れたかの様に、複雑な模様が刻まれている。しかもソレは耀の右手にも刻まれていた。

「きゃ~っ!なんて事してくれるのっ!」

「大事無い。大体は消えておる」

 耀が言い終わるタイミングで、模様はスッと消えていった。

「さて、長距離の移動で疲れたな。休む」

 耀は言い終わるとうさぎになり、ベッドの一角に陣取り、寝始めてしまった。

 ・・・、あの~、私のベッドで勝手に寝ないで下さい?

 旅行に行くに当たり、冷蔵庫内は生物を整理して行ったので、野菜等は一切無い。仕方なく美亜は疲れていたが、スーパーに行く事にした。うさぎは勿論置いて行くつもりだったのだが、玄関の扉を開けた瞬間、またしても後ろからヒスイが鞄に飛び込んでくる。

 鞄を持ってなかったら、どうするつもり?何て考えが一瞬頭をよぎるが、いつも何かしら袋は持っている。あ、ゴミ捨ての時は鍵だけだな?うさぎ、どうするんだろ?

 

 翌日は旅行疲れの事も考えた日曜日だ。洗濯をし、掃除機をかける。ベッドで丸くなっているうさぎを見ながらふと思う。

「耀は餌とか食べるのかな?」

 思わず呟いてから、あ、本体が無いんだから食べても無駄かと思い直すが。

「お前が触れてくれると、勝手に流れ込むからな。余程の力を使わなければ今のままで大丈夫だ」

 流れ込む!?



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