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今日も隼人さんは課長と話をした後、美亜にニッコリ笑いかけて去って行った。薄々美亜に笑いかけているなと周りは感づいていたが、何も言われる事は無かったのだがー。
「ちょっとあなた、秋元さんって言ったかしら?」
他の階に書類を届けた美亜は階段で呼び止められた。1、2階の移動はエレベーターを待つよりも階段の方が早い為、使う人は多い。
「はい、なんでしょうか?」
お化粧バッチリの人に睨まれる。
「あなた副社長に色目を使ってるんですってね?派遣社員の分際で、図々しいわよ。契約切られたくなかったら2度とするんじゃないわよっ!」
そしてワザと美亜に体当たりして去って行く。
「え~っと?」
これは・・・、何?
お昼休みを過ぎてから、周りの視線が痛くなった。美亜の顔を見るとヒソヒソと内緒話しみたいなのをするのだ。
PCで書類を作成していると、メールがやって来た。智美からだ。珍しい。
メールを開くとまずは謝りから始まっていた。
『ごめん、美亜。しばらく会社では話せれない。美亜、女王の怒りを買ったみたいだよ。』
女王!?
気まずいまま午後からの仕事も何とか終わらせて会社を出る。駅までの道を歩いていると、智美からスマホにメールが入る。そして、指示のあったお店に行くと智美はすでに到着していて、美亜を手招きする。
「ちょっと美亜っ!大変なのに目付けられちゃったよ!?」
席に座る直前から智美は鼻息荒く話し始める。
「ほら、人事にいる佐藤さん。女王って影で言われてる人がいるんだけど、副社長狙いみたいで。うちのフロアに来ては副社長が目配せして行くのが美亜だって噂話しを聞いたらしくて、お昼に探り入れに来てたみたいだよ?」
「あ~、あの人かな?階段で派遣社員の分際でって言われた・・・」
「はぁ~?そんなの社員も派遣も関係ないじゃんね?」
智美はプリプリ怒りだす。
「それと、派遣切られたくなかったら色目使うな、みたいな事言われたんだけど」
「あ~、役員の娘らしくて。社員でも気に入らない子がいると人事の力発揮して移動させたり、支店に飛ばしたりするらしいからね~。美亜も気をつけなよ」
「うっ。どうやって気をつける?」
だって、私は何もしてないよ?
「副社長に微笑みかけるなって言うとか・・・?あ、メールで言うとか?いっその事、変な社員に脅されてますって話すとかはどお?」
他人事だと思って、智美は企み顔で色々案を出してくれる。
「うっ。ちょっと様子を見て考えるよ。状況教えてくれてありがとね智美。助かる」
「いいよ~、全然。でも、キツかったら早めに副社長に相談しなね?」
「うん、ありがと」
その後、副社長とのデートの事を話したり、ドライブデートの行き先のアドバイスをもらったりして楽しく家路についた。
「ちょっとあなた、秋元さんって言ったかしら?」
他の階に書類を届けた美亜は階段で呼び止められた。1、2階の移動はエレベーターを待つよりも階段の方が早い為、使う人は多い。
「はい、なんでしょうか?」
お化粧バッチリの人に睨まれる。
「あなた副社長に色目を使ってるんですってね?派遣社員の分際で、図々しいわよ。契約切られたくなかったら2度とするんじゃないわよっ!」
そしてワザと美亜に体当たりして去って行く。
「え~っと?」
これは・・・、何?
お昼休みを過ぎてから、周りの視線が痛くなった。美亜の顔を見るとヒソヒソと内緒話しみたいなのをするのだ。
PCで書類を作成していると、メールがやって来た。智美からだ。珍しい。
メールを開くとまずは謝りから始まっていた。
『ごめん、美亜。しばらく会社では話せれない。美亜、女王の怒りを買ったみたいだよ。』
女王!?
気まずいまま午後からの仕事も何とか終わらせて会社を出る。駅までの道を歩いていると、智美からスマホにメールが入る。そして、指示のあったお店に行くと智美はすでに到着していて、美亜を手招きする。
「ちょっと美亜っ!大変なのに目付けられちゃったよ!?」
席に座る直前から智美は鼻息荒く話し始める。
「ほら、人事にいる佐藤さん。女王って影で言われてる人がいるんだけど、副社長狙いみたいで。うちのフロアに来ては副社長が目配せして行くのが美亜だって噂話しを聞いたらしくて、お昼に探り入れに来てたみたいだよ?」
「あ~、あの人かな?階段で派遣社員の分際でって言われた・・・」
「はぁ~?そんなの社員も派遣も関係ないじゃんね?」
智美はプリプリ怒りだす。
「それと、派遣切られたくなかったら色目使うな、みたいな事言われたんだけど」
「あ~、役員の娘らしくて。社員でも気に入らない子がいると人事の力発揮して移動させたり、支店に飛ばしたりするらしいからね~。美亜も気をつけなよ」
「うっ。どうやって気をつける?」
だって、私は何もしてないよ?
「副社長に微笑みかけるなって言うとか・・・?あ、メールで言うとか?いっその事、変な社員に脅されてますって話すとかはどお?」
他人事だと思って、智美は企み顔で色々案を出してくれる。
「うっ。ちょっと様子を見て考えるよ。状況教えてくれてありがとね智美。助かる」
「いいよ~、全然。でも、キツかったら早めに副社長に相談しなね?」
「うん、ありがと」
その後、副社長とのデートの事を話したり、ドライブデートの行き先のアドバイスをもらったりして楽しく家路についた。
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