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そして、1週間が終わる頃には美亜はグッタリだった。社内で階段を使って移動すると、必ず女王・佐藤が現れ、ネチネチ嫌味を言ったり、沢山の書類を抱えている美亜に体当たりし、書類をブチまけさせて拾わせたり。他の社員の人は、そんな美亜に関わらないように遠巻きにしているだけで、敢えて何かされる事はない。
金曜日の帰り道、智美にお茶に誘われて、いつも待ち合わせに使うカフェに向かう。会社からは少し離れているが、会社の人とは出くわした事が無いので安心して色々と話せるのだ。
「大丈夫?智美、かなり疲れた顔だよ?」
「う、うん。他人の敵意がこんなにキツイとは思わなかった。女王はあからさまになんだけど、それ以外の人も特に何かしてくる訳じゃ無いけど、常に視線を感じちゃって」
亜美が動くたび・何かするたびに視線が追いかけて来るのだ。
「まあ、副社長目立つ人だからね~。特に派手では無いんだけど、人を引き寄せる何かがあるもん。その人を独占してる美亜には風当たりキツくなっちゃうよね?でも、そんな副社長に美亜は選ばれたんだから堂々と『付き合ってます』宣言してもらったら?」
「そんなっ、滅相も無いっ!付き合ってるって、まだ始めの始めだし。数える位しかまだ一緒にいた事無いし」
智美の発言に、顔の前で手を振りながらとんでもないっ!と否定する。
「え~っ、そんなもんかなぁ?私だったら周りがウザいから大っぴらに宣言してもらいたいけどなぁ?」
「とにかく今はまだいいのっ。で、明日とうとうドライブデートなんだけど、何か必要なモノあるのかなぁ?」
「もうっ、美亜は呑気なんだから」
と、智美は呆れながらあると便利なモノを教えてくれる。
「まずあったら安心なのがウエットティッシュ。ちょっとモノをこぼしたとか手が気になる時とかめちゃ重宝するよ。次に小銭でしょ?あとはー」
智美は自分がドライブデートに持って行って重宝したモノやあるといいモノを次々に教えてくれる。
「参考になるっ、ありがと!帰りに100均行ってみるね」
「ウンウン。また来週、話し聞かせてねっ。じゃあ」
と、智美はカフェを出て行く。仕事帰りに心配して誘って愚痴を聞いてくれたり、アドバイスをくれる智美にはホント感謝だ。
100均に寄って家に帰るといつもよりもかなり遅くなってしまった。帰り道で惣菜を買って正解だ。今からおかずを作る気力は無い。
アパートに着き、部屋に入ると耀が眉間にシワを寄せている。
「どうしたの、耀?部屋にいるのにうさぎじゃないの、珍しいよね?」
「美亜、お前明日はこの部屋から出るな」
美亜をじっと見つめ、耀は低い声で話す。
「明日は良くない事が起こる。アイツにとってもだ。運命の変化がお前達の頭上に逆巻いてる」
「大丈夫だよ~、耀の気にし過ぎ。それに明日は隼人さんとデートなんだから。耀、邪魔しないでよね?」
後日、耀の言葉に従わなかった事に後悔する事になる。
金曜日の帰り道、智美にお茶に誘われて、いつも待ち合わせに使うカフェに向かう。会社からは少し離れているが、会社の人とは出くわした事が無いので安心して色々と話せるのだ。
「大丈夫?智美、かなり疲れた顔だよ?」
「う、うん。他人の敵意がこんなにキツイとは思わなかった。女王はあからさまになんだけど、それ以外の人も特に何かしてくる訳じゃ無いけど、常に視線を感じちゃって」
亜美が動くたび・何かするたびに視線が追いかけて来るのだ。
「まあ、副社長目立つ人だからね~。特に派手では無いんだけど、人を引き寄せる何かがあるもん。その人を独占してる美亜には風当たりキツくなっちゃうよね?でも、そんな副社長に美亜は選ばれたんだから堂々と『付き合ってます』宣言してもらったら?」
「そんなっ、滅相も無いっ!付き合ってるって、まだ始めの始めだし。数える位しかまだ一緒にいた事無いし」
智美の発言に、顔の前で手を振りながらとんでもないっ!と否定する。
「え~っ、そんなもんかなぁ?私だったら周りがウザいから大っぴらに宣言してもらいたいけどなぁ?」
「とにかく今はまだいいのっ。で、明日とうとうドライブデートなんだけど、何か必要なモノあるのかなぁ?」
「もうっ、美亜は呑気なんだから」
と、智美は呆れながらあると便利なモノを教えてくれる。
「まずあったら安心なのがウエットティッシュ。ちょっとモノをこぼしたとか手が気になる時とかめちゃ重宝するよ。次に小銭でしょ?あとはー」
智美は自分がドライブデートに持って行って重宝したモノやあるといいモノを次々に教えてくれる。
「参考になるっ、ありがと!帰りに100均行ってみるね」
「ウンウン。また来週、話し聞かせてねっ。じゃあ」
と、智美はカフェを出て行く。仕事帰りに心配して誘って愚痴を聞いてくれたり、アドバイスをくれる智美にはホント感謝だ。
100均に寄って家に帰るといつもよりもかなり遅くなってしまった。帰り道で惣菜を買って正解だ。今からおかずを作る気力は無い。
アパートに着き、部屋に入ると耀が眉間にシワを寄せている。
「どうしたの、耀?部屋にいるのにうさぎじゃないの、珍しいよね?」
「美亜、お前明日はこの部屋から出るな」
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「明日は良くない事が起こる。アイツにとってもだ。運命の変化がお前達の頭上に逆巻いてる」
「大丈夫だよ~、耀の気にし過ぎ。それに明日は隼人さんとデートなんだから。耀、邪魔しないでよね?」
後日、耀の言葉に従わなかった事に後悔する事になる。
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