出雲に行ったら神様(うさぎ→イケメン)を拾いました。

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 隼人さんを乗せた救急車は、近くの大きな病院に運ばれて、すぐにMRIや精密機械による検査がなられた。幸い酷い出血だった割に脳に異常は無く、身体のどこにもヒビや骨折も無く奇跡的だと言われ、すぐに目も覚めるだろうと言われた。事故の相手は腕や脚を骨折しているが意識が戻り、謝罪の言葉を言っていると言う。

 警察から隼人さんの自宅に事故の連絡を入れたようで、両親が夕方には到着すると教えてくれた。

 うっ、社長が来る。

 いや、ソレは仕方ないんだけど、社内恋愛大丈夫かな・・・。

 美亜は家族と離れて暮らしているから、敢えて連絡はしない事にした。大した怪我もしてないしね。

 個室に運ばれた隼人さんのベッドの横に椅子を置き、隼人さんの手を握り、寝顔を見ているうちに美亜は寝てしまったようだ。仕方ない、事故に遭って疲れてしまっていたのだ。

 人の話し声で、美亜の意識は突然浮上した。いつの間にか室内に医者と見覚えのある男性と始めた見る女性がいた。慌てて立ち上がったが、美亜は目眩を起こし倒れそうになるが、側にいた医者に支えられて難を逃れる事が出来た。

 「秋元さん、あなたも事故に遭って大怪我はしていないけど、強く身体を打ちつけているんですから。安静にして、休まないと」

 「いえ、私は大丈夫ですから」

 そして、社長に向かう。

 「社長、申し訳ありません。隼人さんに運転ミスは無かったのですが、対向車が運転を誤ったようで事故に巻き込まれてしまいました」

 美亜はペコリと頭を下げながら謝る。

 「ああ、状況は警察の人に聞いた。君は我が社の社員かな？」

 「あ、はい。秋元 美亜と申しますが派遣社員です」

 「そうか、見覚えが無かったが社長と言ったのでな。隼人はまだ目が覚めんようだな。私達は病院の横のホテルに泊まるんだが、秋元さんさ？」

 「私は念の為、今日は入院です」

 「そうか、酷い事故だったようだな」

 「はい。咄嗟に隼人さんがハンドルを左に切ってくれなかったら、正面衝突だったと思います。私の怪我がほとんど無いのは隼人さんのお陰です」

 そしてそれまで会話に参加していなかった隼人さんの母が話しかけてくれる。

 「美亜さん、あなたの事は少しだけ隼人から聞いているのよ。ずっと気になってる人と親しくなれそうだって。とても嬉しそうに話していたわ。私達は一旦ホテルに寄って必要なモノを買ってくるけど、美亜さんにも着替えとか買ってくるわね？まあ、遠慮はしないで、ねっ？」

 断ろうとする美亜に、母は笑顔で言う。

 「こんな時で無ければゆっくりお話もしたいけど、ソレはまたね。服は私の趣味になっちゃうけど、また後でね」

 そう言って両親は一旦、病室から出て行った。その間、隼人さんが目を覚ます事はなかった。