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「はい、秋元さんも自分の病室で休んで下さいね。あ、それともココにベッド運ぶ?」
ウィンクしながら茶目っ気たっぷりに医者が言う。多分まだ30代のメガネイケメンだ。筋肉も薄っすら付いていて、休日にはスポーツジムでトレーニングしてそうな感じを受ける。
「いっ、いえ。病室に戻ります。もし隼人さんの目が覚めたら教えて欲しいんですけど」
「ああ。そうするように伝えておくよ」
その返事を聞いて、美亜は自分の病室に戻った。そして、ある事を思い出した。カバンに付いているはずの耀に謝りたかったのだ。昨日の夜、ちゃんと忠告してくれていて、ソレを聞いていれば、この事故は防げたかも知れないのに。
しかし、カバンに付いているはずの耀は見当たらなかった。
落としてしまったのだろうか?
心の中で耀に話しかけるが、返事は無かった。
ベッドで横になっていると夢を見た。あの事故の瞬間だ。ただ、自分の目線では無く、少し上から見た感じ。車がぶつかった瞬間、美亜と隼人さんの身体を眩い金色の光が包み込み、消えた。
美亜は荒い息と共に目覚めた。
あの光は・・・、耀?
「あら、美亜さん起こしちゃかしら?」
声のした方を見ると、隼人さんの母が丁度部屋を出ようとする所だったみたいだ。
「着替えとか必要そうなもの、用意したから使ってね?隼人はまだ目を覚まさないからまた明日様子を見に来るわね?あ、私の連絡先のメモ、袋に入れたんだけど・・・、はい、これ。何かあったら、いつでも連絡してね」
と、袋から紙を取り出し美亜に手渡してくれ、病室から出て行った。渡されたメモには、優子さん(隼人さんの母)と社長の携帯ナンバーが書かれていた。しかも可愛らしい花柄の一筆箋。そして、優子さんが用意してくれた袋の中身は、花柄やピンクな洋服や下着だった。
ウィンクしながら茶目っ気たっぷりに医者が言う。多分まだ30代のメガネイケメンだ。筋肉も薄っすら付いていて、休日にはスポーツジムでトレーニングしてそうな感じを受ける。
「いっ、いえ。病室に戻ります。もし隼人さんの目が覚めたら教えて欲しいんですけど」
「ああ。そうするように伝えておくよ」
その返事を聞いて、美亜は自分の病室に戻った。そして、ある事を思い出した。カバンに付いているはずの耀に謝りたかったのだ。昨日の夜、ちゃんと忠告してくれていて、ソレを聞いていれば、この事故は防げたかも知れないのに。
しかし、カバンに付いているはずの耀は見当たらなかった。
落としてしまったのだろうか?
心の中で耀に話しかけるが、返事は無かった。
ベッドで横になっていると夢を見た。あの事故の瞬間だ。ただ、自分の目線では無く、少し上から見た感じ。車がぶつかった瞬間、美亜と隼人さんの身体を眩い金色の光が包み込み、消えた。
美亜は荒い息と共に目覚めた。
あの光は・・・、耀?
「あら、美亜さん起こしちゃかしら?」
声のした方を見ると、隼人さんの母が丁度部屋を出ようとする所だったみたいだ。
「着替えとか必要そうなもの、用意したから使ってね?隼人はまだ目を覚まさないからまた明日様子を見に来るわね?あ、私の連絡先のメモ、袋に入れたんだけど・・・、はい、これ。何かあったら、いつでも連絡してね」
と、袋から紙を取り出し美亜に手渡してくれ、病室から出て行った。渡されたメモには、優子さん(隼人さんの母)と社長の携帯ナンバーが書かれていた。しかも可愛らしい花柄の一筆箋。そして、優子さんが用意してくれた袋の中身は、花柄やピンクな洋服や下着だった。
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