指輪に導かれて

ゆきりん(安室 雪)

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 翌朝、エマさんに起こされ登城する服を選定される。またまた着せ替え人形だ。

 着替えが終わり、ダイニングに向かう。

 もちろん肩には紅が乗っている。

「アレク様、遅くなってすみませんっ」

 パタパタと優が走りながら言う。

「いいよ、優。朝食を食べよう」

 アレク様に促され食べ始める。

「俺はいつも銀に乗って城に行くんだが、今日は馬車にしようと思ってね」

「えっ、グリフィンって乗れるものなんですか?」

 どうやって乗るんだろう?私でも乗れるのかなぁ?

「グリフィン騎士団があって、俺は第1団長をしてる。そうだな、優にも紅がいるから訓練して乗れる様になれるのもいいな」

「アレク様、女性の騎士様もいるのですか?」

 素朴な疑問。騎士って男性のイメージ。

「ああ、騎馬団にはいるな。グリフィン騎士団にはいないが。グリフィン自体が希少だしな。騎馬と違ってグリフィンは地上も走るが、空も飛ぶ。なかなか女性では怖いかもしれないな」

「そうなんだ~、アレク様が銀に乗ってる所、見てみたいなぁ」
 
 しまった。心の声がダダ漏れてしまった。

「じゃあ、今から少し見せようか?」

「いいんですかっ!?」

 やったぁ!呟いてみるものだねっ。

 

 厩に移動する。

 銀には馬につける様な鞍が付いている。

 ヒラリとアレク様が銀に飛び乗る。銀までは少し高さがあるのに凄い跳躍力だ。そして羽を羽ばたかせるとフワリと浮き上がる。それを見ていた紅はぴょんと地面に飛び降り、大きくなる。そして銀の横を楽しそうに飛び廻る。アレク様が優の側に降りてくる。

「どおかな?」

「アレク様っ、格好いいですっ」

「優も乗ってみるかい?」

「いいの?」

 1度地面に降りたアレク様は優を抱えてまた銀に飛び乗る。

 凄いっ、私を抱えてるのにさっきと変わらずに飛び乗った。アレク様、ホント素敵っ!

 アレク様の前に優を乗せ、銀はまたフワリと飛び立つ。

「うわぁ、気持ちいいですねっ。遠くまで見渡せる。アレク様、ありがとうございます」

「ああ、普通に生活してたら味わえないだろ?」

「はいっ!銀もありがとねっ。楽しいよっ」

「じゃあもう、このまま城に行こうか」

 と方向を変える。紅も付いてくる。

「紅っ、一緒に行こうねっ」

「キー」

 返事をする。

「紅は言葉が分かるみたいだな」

「多分、わかってると思いますよ?昨日の夜もカゴの中で大人しかったし」

 そうなのだ。厩での大暴れが嘘みたいに大人しかった。寝言とかも無く、とても静かに寝ていた。

「ほら、あれが城だよ」

 視界に入って来た城はまさしく某ランドにある様なお城だった。



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